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横浜サイエンスフロンティア高校

栗原峰夫 校長にインタビュー

横浜サイエンスフロンティア高校 栗原峰夫校長 横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校が平成21年(2009年)に開校して今年で8年目に入ります。そして来年2017年度から、いよいよ附属中学校が開設される運びとなりました。栗原校長先生には、以下の3点を中心にお話を伺います。 一つめは、進学実績に関して。 二つめに、これまで高校単独として進展してきたわけですが、この中でいろいろな試み、試行錯誤があったと思います。

教育図鑑編集部

小石川中等教育学校

奈良本俊夫 校長にインタビュー

小石川中等教育学校 奈良本校長 本日は、小石川中等教育学校が行う適性検査で、本校の教育活動の適性に合った力、子供の資質や学力をどのように測ろうとしているのかをまず話していただき、次に、選抜を経て入学した子供たちが、本校の教育課程の中で、どのような力を発揮し、どのように成長していくのか、教育活動を具体的にお話していただきます。

教育図鑑編集部

都立武蔵高等学校附属中学校

高橋豊 校長にインタビュー

都立武蔵高等学校附属中学校 高橋豊 校長 今回は高橋豊校長先生に、前半部分としてまず、本校の育てたい生徒像に基づく測りたい力が検査問題にどのように反映されているのかをお話いただきます。 次に後半部分では、選抜を潜り抜けた力が、入学後の教育活動の中でどのように活かされていくのかを具体例を交えながらお話しいただきます。 最後に高大接続(大学入試)および高校改革を視野に入れて、本校の教育をどのように展開していこうと考えているのか。そのあたりまで触れていただければと思っております。

教育図鑑編集部

森上展安の「THE 対談 学校長シリーズ」

第1回 開成中学高校 校長 柳沢幸雄 先生

開成中学高校校長の柳沢幸雄先生がこのたび2冊の本を上梓されました。
この本をもとに、これからの日本のリーダーとなる若者に必要な事や、子育てに大切な事柄などを伺いました。さらに、開成学校のこれからについてお話をうかがいました。


Part1 強いリーダーシップを育てる人材つくり




Part2 「ほめ力」で子どもが力を発揮する


なにが起きるか分からないのが「中学入試」

中学入試をめぐっては、さまざまな体験談が各所で語られています。それぞれに実際に経験したことだけに役立つ内容も多いとおもいます。ただ、どうしても体験として語られるのは、「こうして成功した。このようにやってよかった」という内容がほとんどではないでしょうか。
 でも、その蔭には、「こうして失敗した。こんなミスをしてしまった」という失敗事例も少なくないはずです。失敗はあまり語りたくないもので、思い出すのも不愉快でしょうから、多くは語られないのが「失敗談」でしょう。
 「エッ、まさか…」というようなお話もありますが、ぜひご参考に。いずれも、自身で経験したことや身近な人におきた実体験です。



・ 中学入試の願書は親が書くのですが…

 中学入試の願書は保護者が記入することを前提にして学校側は準備しています。小学生には、まだ無理があるからでしょう。「家庭の教育方針」「本校志望の理由」など、保護者記入を前提にした項目が多いことがそれを物語っています。
 笑えないミスも結構あるようです。もっとも多いのが、「性別」の記載。男の子のお母さんが、お子さんの名前を記入した後、ついうっかり「女」に○をつけてしまうことは少なくないとのこと。
 そんな事実を裏付けるようなエピソードもあります。
 ある私立中高一貫校で「大学センター試験願書の記入は、必ず本人がするように」との指導があったそうです。中学入試は親が願書を記入し、高校受験以降は本人が記入するというのが受験界の常識なのですが、中高一貫校の場合、高校受験を経ていませんので、つい親が大学センター試験でもお子さんに代わって記入してしまうことがあるようです。それで、お母さんが性別を「女」にしてしまったとか。試験場に指定されたのは、某女子大。性別の間違いについては説明して納得、了承されたそうですが、当日ですので試験場の変更はできずたまたま女子ばかりの受験生の中で受験したようです。(大学入試センター試験は現役生の場合、学校ごと会場指定されるはずなので、この事例は浪人生ではないかと思われます)
 このエピソードを紹介した私立中高一貫校の先生は、中学入試においても、毎年、少なくない性別のミスがあるので、あえて生徒に伝えたようです。



・ 前年度の願書に記入してしまった例も
 
 入学願書は各校が次年度の入試要項を決定後に作成します。しかし、学校説明会は入試要項決定前の時期にも実施されます。年々、説明会開始時期が早まっている傾向もあります。そこで配布される入試資料の中に参考のために、前年度の願書が添付されていることもあります。
 併願校として受験する学校の場合、年度表記をしっかりと確認せずに、たまたま手元にあった願書に記入し、提出窓口で指摘され、その場で書きなおさなければならなかったという例も。
 学校によっては、そうしたミスを事前に防止するため、参考資料として封入する願書には「前年度用」との注意スタンプがおされていることもあります。多分、そうしたミスが頻発しているためでしょう。
 ただ、すべての学校がそうしているわけでもなく、塾などにある願書をいただいてきた場合、まれに前年度のものを渡されてしまうこともあるようです。
 また、年度表記についても各校ごと表記の仕方がことなり、「2014年入学試験」が「2014年度入学生」選考を意味したり、入試が実施されるのは2月で、「2013年度内」のため2013年度入試とする場合もあるようで、注意が必要です。
 年度を誤った願書を提出したために不合格ということはないでしょうが、忙しい出願期にこうしたことで煩わしい思いをしないようにしたいものです。お手持ちの願書が、今年使用すべきものかどうか、ぜひご確認を。




・ 入学願書を忘れても受験できます

 入学試験の日は、付き添う親御さんも緊張しています。一生懸命に受験準備をしてきたお子さんだからこそ、当然かもしれません。
 そして、よくあるのが、受験票を神棚や仏壇にそなえたまま、持参することを忘れてしまう例です。入試ですので、忘れてはいけないものなのですが、どの学校でも受験票を忘れても、本人確認をすることで支障なく受験することができます。
 忘れたことに途中で気づいて、受験票を取りに家に戻って試験開始時刻に間に合うかどうかヒヤヒヤするより、試験場で申し出て、受験票の再発行をお願いするほうがいいでしょう。このことが合否に影響することは全くありませんので。
 複数校を受験する場合、誤って他校の受験票をもってきてしまうこともあるようですので、その点もご注意を。



・ 自家用車はつかわない

 首都圏では、東京・神奈川の中学入試解禁日とされる2月1日前後は、天候のうえで特異日とされ降雪のことがしばしばあります。ふだんはあまり積雪が多くない首都圏でも、ときによると大雪となることがあります。
 降雪により交通機関が混乱し、入試開始時刻に間に合いそうもなくなることもあります。
 しかし、公共交通機関を利用して入試会場に行くようにしましょう。主要駅や車内で、入試開始時刻の繰り下げアナウンス、遅延証明書などが出されますので、降雪による交通機関遅延があっても受験できます。けっして慌てないようにしたいものです。
 進学塾などでは重ねがさね注意されることですが、自家用車で入試会場に行くことは、よほどのことがない限り避けたほうが賢明です。自分の方はじゅうぶんに注意していたとしても、雪に不慣れなドライバーも多い首都圏では、「もらい事故」も多く、試験会場に向かう途中で事故に巻き込まれては、実力を出し切ることは難しくなるからです。
 また、大雪の事前予想を受け、入試会場近くのホテルなどに前日から泊まりこむという方もおられます。万全の準備に思えるのですが、まだ12歳のお子さんにとって、枕がかわっただけで寝付けないということもあり、万全の配慮のつもりが逆効果ということも考えられます。いつも通りがベストではないでしょうか。
 なお、降雪の場合には、替えのソックスを忘れずに持参して、靴の中が濡れてしまったときには、試験場で履き替えられるようにしたいものです。



・ 試験場に早く行き過ぎて失敗

 「入試に遅れてはいけない。早すぎて困ることはない」という父の発案で、朝型に移行しているいつもの起床時間より1時間以上も早く起きて、時間に十分なゆとりを持って家を出ました。
 この日のためにと、父は有給休暇をとり入試付き添いに。おそらく受験する私以上に父は緊張していたのではないかと思われます。
 あまり早く起きたため、私は食欲がなく朝食をほとんど食べていませんでした。学校最寄り駅についたころ、私は空腹を覚え、父に「お腹がすいた」と訴えました。学校近くにハンバーガー店があり、早朝でしたが営業していました。でも、父は「腹が減っているくらいのほうが、眠くならなくていいだろう」と聞き入れてくれません。父親も朝食を食べていなかったので大丈夫と思ったようでした。
 試験場には、ほぼ一番乗り。だれもいない教室でじっと待っている間に、どんどん緊張感が増してきました。そして空腹感もつのってきます。しかし、どうしていいかも分からずいる間に1時間目の入試が開始。
 言い訳になってしまうかもしれませんが、あまりの空腹感で問題が頭に入ってきません。お腹がすいてしかたがない思いだけで入試が修了。
 結果は不合格でした。父は、自分のせいで失敗したと、落ち込んでいました。
 第一志望校でもあり、事前の模試などでは合格圏にいつも入っていただけに、ショックでした。
 翌日からの第二志望校以降の入試には、朝食が食べられても食べなくても、念のために、おにぎりを1個カバンの中に入れていくようにしました。結局、このおにぎりを食べたことはなかったのですが、空腹が心配になることは避けられました。
 幸い第二志望校に合格でき、そこでは成績も常に上位にいることができ、6年後の東大入試の際には、中学入試の失敗が良い薬となり、首尾よく現役で合格することができました。
 中学入試での失敗は苦い思い出ではあるのですが、今となると、あの時、父親は、さぞかしつらかっただろうと思います。大学に合格して、いちばん喜んでくれたのが父でした。中学入試を経験していなかったなら、おそらく大学受験はうまくいかなかったのではないかと、今では思えます。

中学受験コラム

「ファースト・インプレッション」を大切に

 中学受験に限らず、受験では学校選び、つまりどこを受験するかは非常に重要な問題だと思います。
 ことに中学受験では、受験生本人がまだまだ子どもです。適切な学校選びができるだけの知識や経験はありません。よく、「本人が希望する学校を受験しました」という方がおられます。たしかにその通りなのでしょうが、じつは、受験生がその気になるように周囲がリードしたという側面が強いのではないかと思うのです。

 私自身がそうでした。自分で学校選びをしたつもりでしたが、後で振り返ると親がそう思うように上手に洗脳していたと感じられてなりません。そして、今では、それがありがたかったと感謝もしています。
 学校選びにおいて大きな要素となるのが、実際に学校を訪れての印象です。それも、第一印象がもっとも強烈ではないかと思います。どういうことかというと、周囲の方が入れたいと思う学校があったなら、最初にまず、その学校をご本人に見せることです。第一印象は強烈で、その後に他の学校を見ても、最初の学校のほうがよく見えるということが多いのではないかと思います。

 私の場合、大学選びでも後で考えるとそうでした。大学というところに最初に行ったのが、東大の「駒場祭」でした。まだ小学校2年生くらいだったと記憶していますが、「京王沿線で乗り換えも1回だけだから行こうか」と駒場キャンパスに連れられて行きました。
 たくさんの大学生のお兄さんお姉さんが楽しそうでした。模擬店で「アイスクリームの天ぷら」を食べたのを鮮明に覚えています。トイレに行きたくなって、近くのお姉さんに場所を聞いたら入り口まで案内してくれました。子ども心に、「この大学は、きれいなお姉さんがたくさんいる」と確実に刷り込まれました。いいかげんで万事アバウトな親父ですので、将来のことまで考えていたかどうかは分かりませんが、さり気ない風を装って、なんらかの計算があったのかもしれません。

 そして進学したのが男子のみの中高一貫校。大学をどうするか、そのとき、頭の中には、「東大は、きれいなお姉さんがたくさんいる大学」としっかり刻まれていますから迷うことなく第一志望です。
 なんとか入学してようやく気づきました。偉大なる誤解(笑)でした。理系の理論物理を専攻するとなると、ゼミによっては女子学生はゼロのことも。「ああ、そうだったのか、あのお姉さんたちのほとんどはサークルで他大学から来ていた女子学生だったんだ」と。

 大学選びと中学選びは違うのでしょうが、第一印象というものが、いかに強く影響するかという面では同じかもしれません。

 大学の同級生の友人も同じようなことを言っていました。友人が中学を受験するとき、文化祭や説明会などの公開訪問日ではない日に私立中高を訪れたそうです。お母さんと勝手がわからず、門を入ったところで草取りや植木の手入れをしているオジさんがいて、事務所の場所を尋ねたところ、校内の案内もしてくれたそうです。
 気のよさそうなオジさんだったので、お母さんは、この学校の評判や生徒の様子などもいろいろ聞いてみると、ていねいに知っているかぎりだけれどもと教えてくれたそうです。気さくで学校内容をよく分かっている用務員のオジさんがいる学校なら安心、ということで、その学校を第一志望として受験し、合格できました。

 お母さんが仕事を持っていて、決められた学校説明会などに参加しにくかったため、たまたま仕事がなく小学校が休みだった日に学校訪問したのでしたが、その学校が初めての私立中訪問でした。お母さんが非常に忙しいこともあり、他の学校は入試まで行く機会はなかったようです。

 首尾よく合格して入学式を前にした入学者対象の招集日。お母さんと彼は、びっくりしました。それは、あの日、親切に案内してくれたオジさんは、じつは校長先生だったのでした。作業服姿でしたし、校長と名乗りもしなかったので、勝手に用務員のオジさんだと決めつけて、「この学校はイジメがあるでしょうかね」というようなぶしつけな質問もしてしまっていたのです。

 彼の場合も、結果オーラーイといえるでしょう。たまたまでしたが、最初に行った学校に良い印象を抱いて、それがモチベーションとなって受験を乗り切ったわけです。

 そういうわけで、親御さんとしては、いちばん行かせたいと思う学校を、真っ先にお子さんを連れていくということをしてみてはいかがでしょうか。

 また、学校の素顔を知るためには、文化祭・体育祭・学校説明会といった公開行事以外の、ふだんの日に学校を訪れてみるというのも非常に有益なことだろうと思います。学校公開日は、学校側も生徒も外部からお客様がお見えになることを意識していますから、どちらかといえば「見せる」ことを前提にしているともいえます。日常の姿より、やや「よそ行き」の学校像となるのかもしれません。
 
 もちろん、公開日でない日に訪問した場合には、校内見学が制約されたり、定期試験が行われる日などは校内への立ち入りを認められないということもあるかもしれません。しかし、事務窓口は対応してくれるはずですし、そうした対応を通じて、学校の真の顔が垣間見られたりする面も大きいのではないでしょうか。

都市伝説

中学入試の応援グッズ「きっと、勝つ」ために

 これは、もう「都市伝説」というか、はたまた菓子メーカーの謀略なのか、12月に入ると、東大生の元にはいろいろな方から「東大構内で買ってほしい」というお求めがある品があります。
 それはチョコレート。『キット・カット』という商標名のチョコです。誰が言い出したか、「キット・カット」→「きっと、勝つ」→「きっと、入試に勝つ」=「合格」という語呂合わせからの縁起物に過ぎません。

 いろいろ不安に襲われる時期、ちょっとした物でも受験生は心強くおもったりするのでしょう。普及品ですので、全国どこでも求められるものです。郵便局窓口には郵送できる状態でのものも販売されているそうです。
 ただ、こと「受験」となると、いろいろな意味で厳しい受験の試練を経てきた東大生が、その東大構内で入手すると、少しでも縁起がいいということなのだろうと思います。

 生協にも構内のコンビニにも売っています。この時期、とくによく売れるようです。自分たちも受験では苦労した経験があり、そうした縁起をかつぎたくなる心理もよく理解できます。高いものでもなく、学生の小遣いで差し上げられるものですので、できるかぎりニーズにお応えするようにしています。

 サークルなどでは、「縁起物なのなら、トコトン縁起をかつごう」というわけで、いくつもある構内コンビニのうちから、なるべく「湯島」に近い店舗を選んだりします。菅原道真公の「湯島天神」は学問の神様だそうですし、「湯島聖堂」は孔子先生廟ですので、少しでもあやかれるだろうということで。
 そして、誰が買いに行くかです。中学入試となると、中学受験でうまくいった人がいい、第一志望にすんなり受かった人や、ダメだと思っていたのに逆転合格したというような経験のある人間を人選して買いに行かせます。中には、受験というものを、中学入試、大学入試を通じて1回も不合格を経験したことがないという強者もいたりします。

 まったく根拠のない都市伝説ではあるのですが、どれだけ準備をしても、どれだけ大丈夫と言われても不安になってしまう受験。その不安を取り除くのに、見知らぬ人であっても、こうした小物グッズを通じて応援してくれているということが、受験生には励みになるのかもしれません。

 メーカー的には、「ネスレ」の『キット・カット』、「明治製菓」の『カール(受か〜る)』などが、この都市伝説商品の代表でしょう。ただ、『キット・カット』はかさばらないことと、封筒に入れて郵送もしやすいこと、そしてチョコレートは頭の働きをよくする糖分補給が可能というような理由で、入試応援グッズとして人気があるように思います。

 今年も、いくつか買って贈ろうと思います。

 ガンバレ、中学受験生!

東大にお越しください

東大グッズと「日本一のラーメン屋??」

 もし、合格祈願に湯島天神や湯島聖堂にお越しになったときには、ちょっとだけ足をのばし東大構内に寄ってみませんか。
 大学ですので、怪しい人でなければ(笑・東大生のほうがよっぽど怪しい?)どなたでも構内に入れます。近くにお住まいの方が散歩していたりするキャンパスです。

 せっかくお見えになったなら、構内で誰でも購入できるちょっとした東大グッズをお土産にいかがでしょう。オシャレなショップとしては、2005年にオープンした「東京大学コミュニケーションセンター(UTCC)」があります。赤門を入ってすぐの所です。まあ、「東大を訪れた方用の土産物店」とお考えいただいていいかもしれません。大学が独立行政法人となり、いろいろな部門で利益も上げなければいけないということなのでしょう。
http://shop.utcc.pr.u-tokyo.ac.jp/about.html

 いろいろな物が売っています。東大ゆかりのお酒・ワイン、化粧品、サプリメント、オリジナル切手、各種ステーショナリー(文房具)などなど。サプリなどは好評で売り切れたりもしているようです。

 お勧めは、大学ノートの発祥ともいわれる「ノート」ですね。今どき、まだ糸綴じのノートで丈夫で書き心地もよいものです。中学受験生にもじゅうぶんに使用できるものだと思います。ノートとしては少し値がはりますが、その価値はじゅうぶんにあると思います。
 この他、シャープペンシル(500円)、ボールペン(700円)もオリジナル商品として販売されています。
 最近のヒット商品としては、植物と動物の両方の特徴を持つ藻の一種を原料とした「クッキー(500円)」が人気のようです。


 そして、なんとなんと東大はショーバイ上手になったのか、Webでも購入可能なんですね。HPをご参照ください。

 もちろん、東大生協のご利用もできます。「東大限定ハローキティー(500円)」は女子受験生の激励にはいいのかも。「東京大學オリジナルクッキー(2200円)」、
「東京大学饅頭(10個入り1000円)」までいってしまうと、まるでどこかの観光地土産物店ですね。広いキャンパスですので、場所が分からなければ近くの学生に聞いてください。誰も知っているはずですので親切に教えてくれます。
 こちらも「通販」でお求めが可能です。
 http://www.utcoop-netshop.jp/


 で、お腹が空いたら、学食でもいいのですが、イチオシのお勧めは赤門前の通りをちょっとだけ「本郷3丁目」方向に行ったところにある「ラーメン山手」です。本店は東大駒場キャンパス近くにある店です。
 http://yamate-ramen.com/m/

 この「ラーメン山手」は、「日本一」を標榜しています。それがなんと、「日本一、うまいラーメン」ではないところがミソ。なにが「日本一」なのか? それは、「バイトの偏差値が、おそらく日本一高いはず」、つまりバイトのほとんどが東大生や東大院生です。そして、「日本一、外国語が通じるラーメン屋」です。英独仏をはじめ、5〜7ヶ国語に対応しています。店内に、堂々と「貼り紙」もあります。それほど外国人が来るわけでもないのですが、外国語対応がウリという変わったお店です。
 
 メニューにも特徴があり、「ゆき」とか「マジカらーめん」といった名前を見ただけでは、なんだか分からないラーメンもあります。内容はご遠慮なく店員に聞いてください(もちろん、日本語も通じます・笑)。価格はお手頃で、600円〜750円となっています。

「山手のラーメンを食べると、合格する」という都市伝説は、まだないのですが、おそらく近日中に、そうした伝説が成立するはずだと店長(東大卒)は豪語しているとの噂です。

 このページを見て来店された方には、なにか特別サービス(チャシュー1枚追加とか、具の増加など)をしてもらえるように店側と交渉してみたいと思っています。「合言葉」を決めたりして。そうなると楽しいですね。

受験直前対策

・朝型の生活に徐々に戻す

 実際の受験は多くの学校で朝の時間なので、朝型の生活に戻すことが受験では非常に重要になってきます。受験勉強をしているのはおそらく、学校から帰って塾に行っている時間がメインだと思います。帰ってきてからも勉強するとなると深夜まで勉強している方も多いのではないでしょうか。
 受験で結果を出すためには朝の試験で結果を出せるようにしておかなくてはなりません。そのために、冬休みくらいから徐々に早起きをし、できれば朝ごはんの前に簡単な計算問題を解くなどして「朝から使える頭」を体に叩きこむといいでしょう。せっかく勉強したのに朝の時間はまだ頭が試験モードになっていないのではもったいないですからね。
 その時間に何をするということを習慣にすれば、頭も自然とその時間になればモードが切り替わるようになります。私は家庭教師をしていたとき、冬休みは第一志望校の試験時間に合わせて勉強を教えていました。朝10時から算数なら10時ぴったりに算数を始め、午後から理科ならお昼を食べてから理科といった形です。これをやっておくと当日も大きな緊張をすることなく試験に臨めるようです。
 夜型になりがちな受験生には意外と盲点なので気をつけてみてください。


・ 早く起きることより、「質の高い睡眠」を

 朝型移行において、多くのご家庭で受験生を朝早く起こすことにのみ充填を起きがちではないでしょうか。もちろん、午前中に頭脳が本来の働きをするように早く起きることが目的ですが、その前提として、しっかりと睡眠をとることが何より大事と思います。
 ですから、朝型への移行においては、早めに就寝するように努めることが絶対に必要です。夜は「もっと勉強したい」と受験生も思うようになりますが、そこは、割りきって「早く寝て、朝に勉強しようね」とアドバイスしてあげてください。
 成長期の12歳の受験生にとっては、最低でも7時間、できれば8時間弱の睡眠時間はしっかりと確保しつつ、朝型の生活スタイルを確立するアシストをしていただければと思います。


・ 起きてから行うことを決めておく
 受験直前期は一年でももっとも寒い時期です。早く起きたのはいいけれど、暖房の効いた部屋で過ごしていては、目は覚めても体が目覚めていないという状態になりかねません。風邪をひいてしまっては元も子もないのですが、目が覚めるとともに、体も目覚めさせる工夫が必要です。
 脳科学の知見によれば、脳は外気にあたったり日光を浴びることで活動を開始するともいわれています。ですから、受験生諸君も、起きた後、窓をあけて外気に触れたり、朝日を浴びるようにしたいものです。
 私の例で恐縮ですが、私は朝型移行の時期から、起きたら洗顔して、すぐに家の門近くにある新聞受けから、その日の朝刊を取りにいくことを日課にしていました。
 これは、意外な効用もあったように思います。もちろん外気に当たることも朝の日光も感じられます。
 そして、面接のある学校などで、意外に多く問われる質問が「お家では、どんなお手伝いをしていますか?」というもの。各種家電が発達・普及した現代において子どもが家事労働の一端を担うことは、ほとんどなくなっている現代の家庭生活において、「子どものお手伝い」というのは現実味はないのですが、それでも、各校(ことに一部女子校)において、よく発問されるもののようです。
 私もある学校で、この問いが投げかけられました。そこで、「毎朝、新聞を新聞受けに取りにいくのが、ぼくの仕事です」と答えました。結構、説得力があったのか、面接官はうなづいていました。
 この種の質問は、実際にやっていないことは答えにくいものですし、なかなか嘘はつけないのが小学生です。また、やっていないお手伝いは見破られるでしょう。
 そして、意外な効用のもうひとつは、新聞を自然に読む習慣が身についたこともあります。詳しく読むわけでもないのですが、一面の大きな見出しは自然に目にも入ってきて、時事問題への関心は小学生なりに抱くことができた気がしました。


・ 短時間でできる勉強を用意

 朝の学習というのは、学校に行かなければならないので時間的には限られた短時間しかとれません。
 でも、そのことが逆に集中力を養うことにもつながります。
 私は、朝起きてする勉強を決めておきました。短時間でできることばかりです。漢字練習、計算、歴史年代、理科の記憶事項などです。
 いずれも、5分か10分程度で完了できる分量です。前夜、ベッドに入る前に朝起きてからやる勉強を机の上に広げておきます。そして、朝には、すぐにそうした短時間での作業的な学習を習慣にしました。
 これは思ったより効果的だったように思います。受験生は直前期になると、どうしても不安にかられます。そのため、夜遅くまでがんばろうとして夜更かしをしてしまいがちです。でも、「朝起きて勉強するんだ」と具体的な内容を自分で用意することで、「さあ、早く寝よう」と思えるのです。
 私は、他の人より優れたところなど、とくにあったとは思いませんが、朝に強かったことだけはアドバンテージだったように思います。中学受験以降も朝型の生活を心がけ、とくに大学受験時には、これが大きな力になったような気がしています。
 自覚的な学習姿勢というのは、なかなか身につきにくいものだと思いますが、中学受験の入試直前期において朝型の学習スタイルを習得できると、その後の勉強という側面では、大きな財産になるのではないかと思います。

学校選びの基礎知識

【その1】学校に望む3つのことと学校選び6つの視点

 私立中学受験をめざす親子が中学校に望むことは、大きく3つに分けられます。

【学校に望むこと1「出口保障力」】
 まず第一は、大学進学実績です。6年後の「出口保障力」という言い方もします。なかでも難関大学・人気大学への進学(合格)実績が、現在の人気のバロメーターになっていることは否めません。最近では、さらに国公立大学や医学部への現役合格をアピールする私学も増えています。有名・難関私立大学の付属校や系続校が人気を保つのは、6年後の進学先が明確であるという、選ぶ側の安心感に他なりません。
 ここで、大切なことは、「実績」そのものではなく「その実績を出す教育内容」目を向けることです。入学者の学力レベルと実績の相関関係から、学校の教育力が読み取れるからです。いわゆる『伸び率』が大きな学校(「お買い得校」と言われることもあります)に注目してみるのも、学校選びのポイントです。

【学校に望むこと2「人格形成力」】
 第二に、人格形成です。いわゆる「人間力」の育成ですね。公立校との違いがもっとも大きな部分です。私学には「建学の精神」や「教育理念」あるいは「宗教教育」という、各校独自の哲学があります。たとえば、「感謝の気持ち」をもって生きることという考えが徹底される。「自律」を重んじた学習・生活指導がなされる。国際交流などでグローバルな思考と行動力を養う等々、各学校ごとに「育てたい人間像」に沿った教育・指導内容があります。進学校といわれるところでも、特に中学1・2年のあいだに、体験学習が多く採り入れられているのは、人間力を高めるための方策です。
 大学でのグローバル教育が強化される時代、国際社会で活躍する人材が増加する時代にあって、企業が新入社員に望むものとして「問題発見能力」や「問題解決能力」がクローズアップされています。そして、それらの力が養われるかどうかは、中学1・2年生時の体験を基にした、中学・高校時代の教育にかかっているともいわれています。

【学校に望むこと3「安全安心力」】
 第三に安全・安心です。中学校段階は義務教育ですから、公立校との差異はより大きいといえます。退学処分ひとつとっても、公立ではできなくても、私学では有り得ます。守られるべき生徒は守られるのが私学といえます。登下校管理システムや、施設・設備の充実、学校と家庭とのコミュニケーションの活性化など、生徒の安全と保護者の安心感を常に高めようとしているのが私立中学校だといえます。「生徒と向き合う時間」の多さは、圧倒的に私学のほうが多いのは間違いないでしょう。

【事前調査が重要 ―きっかけはどのポイントからでも―】
 では具体的に学校選びをおこなうときにはどのような視点から考えはじめたらいいのでしょうか。これまでお話した3つの学校に望むことはもちろんですが、ほかには、「共学」「明るい雰囲気」「施設・設備の充実」「交通の便」「制服」「クラブ活動」「血縁・知人」などが、学校選びのポイントとなっています。あるひとつの点だけを判断材料にするのは好ましくありませんが、たとえば「制服がかわいいから」というのがきっかけでもいいのです。入学しなければわからない部分はたくさんあるでしょう。しかし入学前にわかることもたくさんあるのです。学校というところはじつに多面的に構成されています。一面でも多くの情報を得て、お子さんに合った学校を選ぶ努力をしていただきたいと思います。そのために学校説明会に足を運んでいただくことはとても重要ですし、教育図鑑にご質問いただければ、編集部が代わりに学校に質問するなどして、調査します。

【お子様とお母様の希望は明確に】
行きたい学校のことについて情報収集する一方で、お子さんに「どんな人間になってほしいのか」「どんな進路に進んでほしいのか」といったことを、できるかぎり明確にすることも重要です。親の思いはあまり強く押し付けてはいけませんし、子どもの考えは十分に聞いてあげるべきです。つまり、なぜ私立中学へ進学するのかということについて、親子でしっかりと話をしながら志望校を決めていくことが大切です。そのためには、ご夫婦間での話し合いも不可欠ですし、通われている塾の先生や先輩方の声に耳を傾けることも必要でしょう。
 めざす学校がどんな学校なのかを知ることは、お子さんがその学校に馴染めるかどうかを知ることにもなります。わかろうとしないで入学してから『こんなこととは知らなかった』と嘆かずに済むよう、努力は惜しまないでください。子どもは受験勉強、親は情報収集です。
 それでは、最後に、受験校選びのポイントをまとめておきます。

■POINT1
 男子校か女子校か共学校か

■POINT2
 本人(特に女子)の意思を尊重すべき

■POINT3
 大学進学校か大学付属校か実学路線校か

■POINT4
 体験学習・行事・クラブ活動の状況は

■POINT5
 卒業生・在校生は溌剌としているか

■POINT6 
 第2志望校こそしっかりと選ぶ

この6つのポイントをしっかりと押さえて、悔いのない受験生活を親子共々送ってください。

塾選びのポイント

「塾」といっても、さまざまな種類・様態があります。

習う内容(通塾の目的)で分けると、いわゆる①お稽古ごとの部類に入る塾、②学校の授業についていくための補完塾、③中学受験のための進学塾の3タイプになります。

ここでは②と③、主に③の塾、中学受験を踏まえた上での進学塾について説明していきます。


■「集団」か「個別」か
私立中学の受験生といえば、かつては集団授業をする進学塾で受験勉強をしてきた小学生がほぼすべてでした。

ところが、近年は「個別指導」塾で学んだ受験生が急増しています。『他人と一緒が嫌』『人間関係構築力が弱い』子どもの数が増えたことが、一番の要因でしょう。

上記の②のタイプでは、特に個別指導型の教室が増えています。集団指導の塾が個別指導部門を併設するケースも目立っています。

中学受験に対応している塾でも、レベル別のコースによっては少人数編成で個別指導のようになっているところもあります。

難関校志望の受験生のなかには、国語や算数のみ、ハイレベルな個別指導塾とのダブル通塾をしている例もあります。

「集団」か「個別」か。お子さんの性格が大きく関わってきますから、塾選びの段階、あるいは、通い始めてからでも、塾でのようすなどについての会話を絶やさないことが大切です。

A進学塾は、各教室での授業のようすを、待合室などでテレビモニターを通して常時見ることができるようになっています。

B個別指導塾は、講師のほとんどが大学生のアルバイト生です。親と子どもにとっての安心感や信頼感はA塾とB塾どちらのほうが高くなるでしょう。

C進学塾は、成績上位生への対応は非常に丁寧ですが、そうでない塾生はいわゆるお客さん扱いです。

D個別指導塾は、塾生の学力推移をきっちりと把握していて保護者面談も多く実施されます。

C塾とD塾のどちらのほうが、お子さんに合っているのでしょう。

上記は、ほんの一例での比較です。実際は、個々の塾によって、さまざまな違いがありますから、目的やお子さんとの“相性”をよく考えた塾選びをする必要があります。


■第一印象
「人は見た目で90%決まる」などと言われるのは、それほど、第一印象というものが重要だということです。

それでは、塾の第一印象とはどこから得られるのでしょう。

まず、問い合わせなどをしたときの電話対応です。きっちりとした丁寧な受け応えは重要な点です。実際に訪問した場合も、受付での対応や、担当講師の接し方・話し方は、大きな決定要素となります。

じつは、実際に話したり訪れたりする前に、第一印象が形成されている場合があります。

春期・夏期・冬期講習前や新年度前になると、毎週のように新聞の朝刊に折り込まれるチラシのなかに、必ず入っているのが塾のチラシです。大手塾(企業塾)のチラシは、裏表カラーで内容豊富。昔ながらの小さな塾は、手づくり感漂う味気なさ。単純に比較してしまうと、勝負は決まりです。

また、隣近所の知り合いから、『うちの子は○○塾へ行ってるけど…』とか『△△塾は面倒見がよくて…』など、いろんな評判を聞いています。聞いたほうは、風聞だけで判断してはいけないとわかっていても、よくない評判ほど覚えているものです。

ですから、余計に、第一印象は最初の対応や、施設・設備などの見た目による判断のほうを重視するようにしてください。オーナーや教室責任者の方が、どんな考え方で塾を運営し、塾生と接しているのか。学力が伸びるためのプログラムやシステムがどんなものなのか。納得のいくまで話をするのが理想的です。

施設・設備は瀟洒である必要はありませんが、整理整頓が成されていて、掃除も行き届いており、トイレもきれいであってほしいです。凡事徹底ができている塾は、とりあえずは合格点をつけることができます。


■教育環境
上記の施設・設備だけが、教育環境ではありません。もっとも重要なのは、直に子どもたちと接する講師です。講師の指導力が低いと、子どもの成績は伸びません。

大手塾・企業塾等で、定期的にスキルアップのための教務研修を行うのは、講師の指導力が塾の決め手であることをよく理解しているからです。

入塾の前に「体験授業」を受けることができる場合は、是非とも参加しましょう。その講師に習うかどうかは別としても、塾の雰囲気を肌で感じることで、“大切な情報”を得ることができます。

この塾で勉強したい・させたいと思っても、入塾金や月謝の額によっては、相思相愛にはなれません。チラシなどで相場を把握し、とんでもなくかけ離れて高い場合は、納得いく理由を得てください。

また、印刷物に表示されている金額以外に、必要となる費用がどれぐらいになるのかも確認しておきましょう。

臨時教材や模擬試験、長期休暇中の特別講習などにかかる費用は、あらかじめ計算に入れおかないと、あとで家計を逼迫させることにもなりかねません。

先にも触れましたが、「集団」と謳っていても実際は極少人数であったり、「個別」であってもマンツーマンではないことは珍しくありません。常時そのような状態なのか、成績のレベルや学年進行によって変化するのか、形態環境も確かめておきましょう。

塾の立地条件=自宅から塾までの通塾路も教育環境に含まれます。親が送迎するのか、送迎バスが家の近くまで来てくれるのか、公共交通機関を利用するのか等も条件のひとつとなるでしょう。

テーマ別 学校選び(1)

学力を伸ばす学校

6年後の「出口保障力」が大きな魅力となっている私立中学校。「学力伸長」は、当然の教育目標であり、すべての学校で力が注がれているテーマです。そしてほぼすべての学校で「学力伸長」の成果は出ています。問題は結果としての「伸び率」と、6年間の教育環境や指導力が支える「伸びる確率」ですから、ひとつの側面からだけで結論づけるのは避けたほうがよいでしょう。
たとえば、A中学校に入学時の偏差値45の生徒が、難関大学へ現役合格を果たすと、その生徒の学力の「伸び率」は非常に大きいと言われます。そのような生徒が多いほど「伸びる確率」も高いとされ、A中学校の「教育力」は評価されます。
一方、B中学に入学時の偏差値65の生徒が、難関大学へ現役合格を果たしても「伸び率」という点では大きくありません。しかし、ハイレベルな学習指導や、最難関大学への合格者輩出により、「教育力」は評価を得ます。
今回は、A中学校のパターンに注目してみましょう。入学時の偏差値は、最難関グループの私立中学校ほど高くはないけれど、「伸びる確率」の高い学校―『お買い得校』と言われることもあります―を紹介します。(関関同立の附属・系属校は除きます)

【大阪府】
◎ 大阪学芸中等教育学校(共学)
大阪府下唯一の中等教育学校として、そのカリキュラムの独自性を活かし、生徒の学力向上を図っている。

◎ 大阪国際大和田中学校(共学)
小規模校の特性を活かし、きめ細やかな教科指導をしている。英・数・国に十分な時間数を配当しているのが特徴。

◎ 開明中学校(共学)
平成18年度より開設された「スーパー理数コース」が、“学び”の環境をリードしている。生徒の知的好奇心を刺激する行事も豊富で、堅実な成果につながっている。

◎ 関西大倉中学校(共学)
徹底した文武両道でゆとりのあるカリキュラムながら、人間教育の成果が進学実績の成果であるとする姿勢で結果を残している。

◎ 近畿大学附属中学校(共学)
明るく伸び伸びとした人間性や心の教育に取り組み、学力向上を図っている。自分自身の「みらい」を設計するためのプログラムが注目される。

◎ 金蘭千里中学校(共学)
高校募集のない完全中高一貫校。1クラス30名の利点を生かして個人指導を徹底している。月~金の毎朝20分間のテストも履修箇所の定着に役立っている。

◎ 帝塚山学院泉ヶ丘中学校(共学)
国語週6時間、数学週7時間、英語週7時間をとり、基礎学力を徹底的に身につけることで、確実に実績を上げている。

◎ 桃山学院中学校(共学)
2008年開校ながら、人気校のひとつとなっている。仲間と競い合い、励まし合いながら学習できる環境が、自由な校風とともに支持を得ている。

◎ 履正社学園豊中中学校(共学)
3ヵ年で難関私学校をめざす「3ヵ年独立コース」をもつ。6ヵ年特進コースともに、面倒見の良さでは定評がある。

◎ 早稲田摂陵中学校(共学)
早稲田大学への特別推薦枠が魅力にもなっている。きめ細やかな手作りの教育は、創立以来の伝統である。

◎ 大阪薫英女学院中学校(女子)
「英語の薫英」といわれるほど、英語教育では全国でも屈指の実績を誇る。英語を活かして難関大学へ進学する生徒も多い。5教科7科目の学習に取り組む「S特進コース」も順調。

◎ 大阪女学院中学校(女子)
創立130年を誇るミッションスクール。キリスト教に基づく教育、さまざまな行事を通して培われる自己を見つめ考える力が、進学実績にも反映している。

◎ 大谷中学校(女子)
高校からの募集はしない中高完全6年一貫制。その独自のカリキュラムのなかで、進路に応じたきめ細かやかな学習指導が成されている。


【兵庫】
◎ 神戸龍谷中学校(共学)
学習と生活がそのまま人格を高めていくとし、ユニークな教育プログラムを展開している。

◎ 三田学園中学校(共学)
平成21年度より男女共学となる。雄大かつ閑静な教育環境を誇っている。ゆとりのあるカリキュラムのなかえ文武両道が図られつつも進学実績を伸ばしている。

◎ 滝川第二中学校(共学)
平成25年度より、超難関国公立大学をめざす「プログレッシブ特進一貫コース」設置。上位受験者層が増えている。スペシャルウエンズデイなとユニークな取り組みも多い。

◎ 雲雀丘学園中学校(共学)
完全週6日制、7時間目授業、夏期休暇の短縮などで年間授業日数230日以上を確保。早い段階から目的意識をもって学習に取り組める環境を作っている。

◎ 報徳学園中学校(男子)
基礎学力の充実・増進を図るため、習熟度別学習導入、休暇中の学習合宿などにより個別指導を徹底している。

◎ 甲南女子中学校(女子)
国公立大学進学に配慮したカリキュラムの「Sアドバンスト」と、併設大学から国公私立大学への多様な進路に対応した「スタンダード」の2コース制。学力の充実と人間教育の両立が進学実績に繋がっている。


【京都】
◎ 京都産業大学附属中学校(共学)
未来を切り拓く力を育む6年間の学習計画のなかで、一人ひとりの進路実現を図っている。平成24年度より交通至便な現地に移転し、人気も上昇中。

◎ 京都橘中学校(共学)
2010年4月開校ながら、独自の学習指導方法「橘メソッド」を構築。授業と課外活動を効果的に繋ぎ、学力向上を図っている。

◎ 龍谷大学附属中学校(共学)
あらゆる機会を通じて宗教的情操の育成に努めている。独自のきめ細やかな指導は年々進化し、進学実績も伸びている。

◎ 東山中学校(男子)
仏教の教えに立脚した人格の形成が学力養成の礎になっている。高校への進学に際しては国公立大学を目標としたカリキュラムとなっている。

◎ 京都聖母学院中学校(女子)
キリスト教の理念に基づいた女子の全人教育を行っている。Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ類の3つのコースがあり、個々の進路希望に確実に応えられる体制がある。


【奈良】
◎ 聖心学園中等教育学校(共学)
中等教育学校システムを最大限に生かしたカリキュラムで、無駄なくきめ細かい効率的な大学受験体制を確立している。けじめのある学校生活も定評。

◎ 智辯学園奈良カレッジ中学部(共学)
中学段階の学習内容を中1・2で習得。70分授業と年間250日の授業日数。夏季・冬季補習や合宿などもあり、教員の熱心さにも定評がある。


【和歌山】
◎ 開智中学校(共学)
生徒一人ひとりに対するきめ細やかな指導が徹底している。丁寧でわかりやすい、実力のつく学習指導で、進学実績を伸ばしている。

◎ 近畿大学附属和歌山中学校(共学)
中1・中2で週38時間授業。一見ハードだが、知育・徳育・体育の三領域に調和のとれた教育がすすめられており、進学実績に繋がっている。

◎ 智辯学園和歌山中学校(共学)
中1・中2週29時間、中3週30時間というカリキュラムと、家庭学習の両輪を見事に連動させている。

◎ 和歌山信愛中学校(女子)
キリスト教の教えに根ざした教育を推進。生徒と教員が二人三脚で基礎を徹底する。2人担任制で生徒への眼差しを行き届かせている。毎年約3人に1人が国公立大学に合格している。

魅力あふれる私立中学への進学

我が子を私立中学へ進学させたい親は増えている?
 
私は、この私立中学受験・入試の世界に入って30年以上になります。当初のころと何が変わったのかというと、何も変わっていないし、大きく様変わったともいえます。ひと言では抽象的になってしまうのは、この世界がじつに多面的であるからです。私立中学受験を「特別な挑戦」ととらえているひとは、たくさんいますが、決して特殊な進路選択ではありません。
今春の近畿圏の私立中学受験率(初日午前入試志願者数÷公立小学校卒業者数)は約9.2%でした。一部には40%近い地域もありますが、一般的には小学6年生の9~10人にひとりが挑むというのが、私立中学受験の現状です。数字だけみれば、ごく一部の親子がめざす世界のように思われますが、実際の入学者たちは、ほとんどが普通のお子さんたちです。別の統計では、『子どもは私立中学へ進ませたい…』『私立中学へ受験をさせてみようかしら…』と考える親の数(潜在受験者数)は、この10年間年々増え続けています。
超難関校をめざしての過酷な受験勉強や、高額な授業料などがクローズアップされてきたことはたしかです。実際に高度な知識を求められる入学試験もあります。しかし、そのような例がすべてではありません。親御さんが知っておいていただきたいのは、「12の春を泣かせない」戦いは、それなりの頑張りがないと、望みどおりにはいかないということです。
 この「モファラン」を手にされている親御さんも、おそらく「私立中学への進学」を考えておられるか、私立中学受験への興味をお持ちになられていると思います。その中学受験の動機は、ほとんどの場合、親御さんの思惑・動機で始まります。 
 お子さんは、学習塾に通うなどして受験勉強に取り組むだけです。その日々は、いわばレールの上を走ればいいのですが、親御さん(特にお母さんの場合と言ったほうがいいでしょう)には、ご自身の五感をフルに活動させて《学校選び》に精を出していただかなければなりません。「中学受験は親の受験」と言われる所以ですね。第一志望校・受験校をどこにするか、その絞り込みのための情報収集が、親の役割になります。
 これまでの私立中学受験の推移を詳細に把握する必要はありませんが、『私学教育にはどんな魅力があるのか』『なぜ私立中学へ進学するのか』といった、「根っこ」の部分を確かめておくことが学校選びには不可欠と言ってもいいでしょう。


私学の魅力とは

 では、私立中学受験をめざす親子のハートをとらえる魅力とは何か、ということからお話しましょう。大きくは3つに分けられます。
 まず第一は、大学進学実績です。6年後の「出口保障力」という言い方もします。なかでも難関大学・人気大学への進学(合格)実績が、人気のバロメーターになっていることは否めません。最近では、さらに国公立大学や医学部への現役合格をアピールする私学も増えています。有名・難関私立大学の付属校や系続校が人気を保つのは、6年後の進学先が明確であるという、選ぶ側の安心感に他なりません。
 ここで、大切なことは、「実績」ではなく「その実績を出す教育内容」に目を向けることです。入学者の学力レベルと実績の相関関係から、学校の教育力が読み取れることもあります。いわゆる『伸び率』が大きな学校に注目してみるのも、学校選びのポイントです。
 第二に、人格形成です。いわゆる「人間力」の育成ですね。公立校との違いがもっとも大きな部分です。私学には「建学の精神」や「教育理念」あるいは「宗教教育」という、各校独自の哲学があります。たとえば、「感謝の気持ち」をもって生きることという考えが徹底される。「自律」を重んじた学習・生活指導がなされる。国際交流などでグローバルな思考と行動力を養う等々、各学校ごとに「育てたい人間像」に沿った教育・指導内容があります。進学校といわれるところでも、特に中学1・2年のあいだに、体験学習が多く採り入れられているのは、人間力を高めるための方策です。
 大学でのグローバル教育が強化される時代、国際社会で活躍する人材が増加する時代にあって、企業が新入社員に望むものとして「問題発見能力」や「問題解決能力」がクローズアップされています。そして、それらの力が養われるかどうかは、中学1・2年生時の体験を基にした、中学・高校時代の教育にかかっているともいわれています。
 第三に安全・安心です。中学校段階は義務教育ですから、公立校との差異はより大きいといえます。退学処分ひとつとっても、公立ではできなくても、私学では有り得ます。守られるべき生徒は守られるのが私学といえます。登下校管理システムや、施設・設備の充実、学校と家庭とのコミュニケーションの活性化など、生徒の安全と保護者の安心感を常に高めようとしているのが私立中学校だといえます。「生徒と向き合う時間」の多さは、圧倒的に私学のほうが多いのは間違いないでしょう。
 これら3つのポイント以外では、「共学」「明るい雰囲気」「施設・設備の充実」「交通の便」「制服」「クラブ活動」「血縁・知人」などが、学校選びのポイントとなっています。あるひとつの点だけを判断材料にするのは好ましくありませんが、たとえば「制服がかわいいから」というのがきっかけでもいいのです。入学しなければわからない部分はたくさんあるでしょう。しかし入学前にわかることもたくさんあるのです。冒頭で、私立中学入試・受験の世界は多面的であると述べましたが、学校というところもじつに多面的に構成されています。一面でも多くの情報を得て、お子さんに合った学校を選ぶ努力をしていただきたいと思います。
 行きたい学校のことについて情報収集する一方で、お子さんに「どんな人間になってほしいのか」「どんな進路に進んでほしいのか」といったことを、できるかぎり明確にすることも重要です。親の思いはあまり強く押し付けてはいけませんし、子どもの考えは十分に聞いてあげるべきです。つまり、なぜ私立中学へ進学するのかということについて、親子でしっかりと話をしながら志望校を決めていくことが大切です。そのためには、ご夫婦間での話し合いも不可欠ですし、通われている塾の先生や先輩方の声に耳を傾けることも必要でしょう。
 めざす学校がどんな学校なのかを知ることは、お子さんがその学校に馴染めるかどうかを知ることにもなります。わかろうとしないで入学してから『こんなこととは知らなかった』と嘆かずに済むよう、努力は惜しまないでください。子どもは受験勉強、親は情報収集です。


私学の“個性”を築く“教師力”

 入学試験の学力レベルや偏差値だけで、あるいは大学合格実績だけで、志望校を決めてはいけないと、よくいわれます。私もよく言います。
 先にも述べましたように、学校の魅力=学校選びのポイントはひとつではありませんし、私学の「個性」を無視することはできません。
 最近は、いわゆる「入り口」の偏差値よりも「出口」の実績が重要視される傾向が強まっているといわれています。それは何故でしょう。
 偏差値にしろ、大学合格実績にしろ、「数値」というのは、もっとも分かりやすい目安であることは確かですが、「なぜ、その実績が出ているのか」ということです。結果には必ず原因とプロセスがあります。
 大学進学実績を例に考えてみましょう。たとえば、東大・京大・阪大などに合格者を輩出できる学校と、合格者を出せない学校の「差」はどこにあるのか考えてみてください。大学を難関私大に置き換えても結構です。
 そこにある「差」として、注目すべきなのは「授業力」「教師力」、言葉を替えれば「教師の力量」なのです。
 教育方針にしたがったカリキュラムの工夫を前提に、《熱い》先生がどれだけ揃っているかが、実績として表れていると考えられます。
 ここで大切なのは、実績は入学時の学力レベルと関係してきますから、実績大学名だけで単純に「教師の力量」を計ることもできないということです。つまり、学校選びの視点として重要視しなければならないのは、先にも記しました『伸び率』です。東大や京大への実績はなくても、偏差値40で入学した生徒が、国公立や難私大へ現役で進んでいる学校の「教師の力量」は、やはり高いと評価できます。「お買い得校」と言われる学校群がこれに当たるでしょう。反対に、入学時の学力レベルが高い生徒が集まっているにもかかわらず、期待に沿わない実績しか出ていない学校の「教師の力量」は高いとは言えないということになります。この学校群は進学塾からの評価が高くないのが共通している点です。
 たとえば、お子さんが、学校が催す色んなイベントのひとつに触発されて、京都大学の医学部をめざしたいと言い出したとき、一緒に頑張ろうと言って胸を叩ける教師がいてほしいですよね。子どもの夢を一緒になって叶えようとしてくれる学校であってほしいですよね。結果として京大医学部でなくても、生徒と向き合う時間がたくさんあって、自分で受験校変更を決断するように考えることができて、最終的な第一志望校へ進んでいけば、素晴らしい中高時代となります。
 どの大学に行くかは重要かもしれませんが、その“答え”を導きだした“式”こそが本当に大切なものであることをよく理解してください。そして、その“式”をともに作りだす教師陣の熱さに注目してください。
 「教師の力量」や「熱さ」を見るには、実際の授業を見学すると、よくわかります。ただ、その学校が誇る看板先生などの授業は、素晴らしいに決まっていますから、できるだけいろんな先生の授業を見学したいものです。言い換えれば、「いつでも誰の授業でも見学していただいて結構ですよ」という学校であれば、自信の表れだと解釈できるでしょう。私の知る限り、そう言える学校は少ないです。
 ここで、授業を見るときのポイントを述べておきましょう。親御さんには先生の授業の上手い下手は分かり辛いですから、生徒の表情を観察するのです。居眠りや私語を交わす場面などなく、どの生徒も真剣な眼差しで授業を受けている。生徒の眼が熱い授業ができている先生は、間違いなく素晴らしい教師といえるのではないでしょうか。授業見学のときは、先生ではなく生徒を見る!ことです。

人生の基礎となる中高6年間

 ほとんどの私立中学は6年一貫教育のシステムです。6年間を見据えたカリキュラムで、学習・行事などの学園生活の時間を構築しています。高校へ進んだときに中学段階の復習をしなければならないような無駄を無くしたり(高校受験の弊害も物理的にありません)、進度や深度の調整を効率よく行なっています。
学校に居る時間が長く、学習量がとても多いように見えますが、自習や補習のシステムが整っているということでもあります。教科間での「横断知」の創造、探究科目の創設、体験・実験科目の増量なども、6年間を見据えたカリキュラムの利点だといえます。
 近年注目度が高まっているのが、生徒と学校との関わりが、6年間で終結するのではないという思考・実践です。もっとも分かりやすい例としては、「職業観育成プログラム」や「コミュニケーション能力養成プログラム」などが挙げられます。生徒が高校を卒業し大学へ進み社会へ出ても、中高6年間の学びの姿勢が生きているということです。特に、「自ら学ぶ姿勢」が身についていることが重要です。
 先の「私学の魅力 3大ポイント」の2番目のところで触れました「問題発見能力」と「問題解決能力」などを身につけることによって、次代を担う有為な人材が巣立っていくということです。こうした取り組みを見ていると、私立中学・高校は、本当に一人ひとりの生徒を真剣に育てようとしていることを感じます。真剣であるということは「熱い」ということ。私は各地で講演するとき、必ず次のことを言います。『私立中高は子どもを伸ばす最高の箱である』と。
みなさんも、何回でも志望校となる学校に足を運ばれて、その「熱さ」に触れることで、どうぞ感化されてください。お子さんにとっての第一志望校を、“最高の箱”をしっかりと選んであげてください。

 それでは、最後に、受験校選びのポイントをまとめておきます。

■POINT1
 男子校か女子校か共学校か

■POINT2
 特に女子は本人の意思を尊重すべき

■POINT3
 大学進学校か大学付属校か実学路線校か

■POINT4
 体験学習・行事・クラブ活動の状況は

■POINT5
 卒業生・在校生は溌剌としているか

■POINT6 
 第2志望校こそしっかりと選ぶ

この6つのポイントをしっかりと押さえて、悔いのない受験生活を親子共々送ってください。

教育研究家 川東義武

2014年度近畿圏私立中学入試の展望

受験生・保護者・学習塾・学校それぞれの立場で、2014年度の中学入試への緊張感も徐々に高まってくる頃。受験する側は、さまざまな情報を整理していよいよ第一志望校が決定することになります。
ここで、あらためて、2013年度入試を振り返るとともに、2014年度入試がどのような様相を見せるのか探ってみましょう。

2014年度入試の展望の前に、今春行われました2013年度入試のようすを振り返っておきましょう。
 2013年度の近畿圏の私立中学入試は、まず、対象となる小学校6年生の数が、2011年をピークに減り続けるなかでの入試でした。前年度比-1.2%ではありましたが、市場の縮小に歯止めはかかりません。対象児童数減少のいわゆる『自然減』分を鑑みますと、統一解禁日午前中の志願者数の-2.16%(約400名減)は、私学の健闘のあとも窺えます。
 2008年9月のリーマンショック以降、経済の落ち込みは回復せず、本格的な少子化時代へ突入し、各府県で公立高校改革が進み、私立中学にとっては逆風が弱まることはありません。そうしたきびしい状況を考えると、兵庫・奈良・滋賀県以外の府県では、「下げ止まり」の感が強かったといえます。
 全体で最大のトピックスといえば、「午後入試」導入校の増加でしょう。しかも統一解禁日(初日)の午後入試実施校が増えたことが前年からの大きな変化でした。昨年の5校から一気に16校に増えました(志願者数では1,800名余りの増加)。2日目も15校から20校に増えています。
 大阪府の初日午前入試の志願者数は8,142名で前年比+48名。受験率(初日午前志願者数÷小6児童数)は9.81%で前年比+0.16%でした。目立ったのは男子校の健闘です。初日午前中の志願者数でも「高槻」(昨年比+38名)、「明星」(同+27名)、「大阪星光学院」(同+22名)、「清風」(同+13名)の4校ともプラスでした。
 女子校で光ったのは「大谷」(同+55名)。午後入試の導入が功を奏したようです。同校に次いで、「関西大学北陽」「明星」が、2府4県の総志願者数ランキングでベスト3になっています。3校とも初日午後入試実施校です。2日目以降の午後入試実施校では、6位に「桃山学院」、9位に「関西大倉」、18位に「羽衣学園」が入っています。同じランキングで4位に「高槻」、8位に「関西大学」、11位に「帝塚山学院泉ヶ丘」が入っているのは注目です。
 兵庫県は、プレテストが解禁になったことで、昨年度中から予測が難しいエリアとなっていました。結果は、初日午前入試の志願者数が5,376名で前年比、-379名。受験率でも-0.5%となりました。
 プレテスト実施校7校のなかで、初日の志願者が前年より増えたのは「芦屋学園」と「甲子園学院」の2校のみでした(「神戸龍谷」は総志願者数でプラス)。
また、特に女子校の不振が目立ちました。初日の志願者数では、大阪府の女子校全体で前年比-3.2%だったのに対して、兵庫県の女子校は全体で-14%という落ち込みでした。
 同県ではより顕著に見られる傾向ですが、上位層以外の学校に、受験生の目が向かないという状況があります。総志願者数ランキングベスト20に入ったのは、12位「滝川第二」、13位「滝川」、15位「関西学院」、17位「神戸龍谷」、20位「須磨学園」の5校のみです。
 「関西学院」は、初日午前入試の志願者数では、74名増で2府4県中でもトップでした。
2012年度入試で大幅に減少しましたから、その揺り戻し現象といえます。
 県下で「関西学院」に次いで増加したのは「灘」+22名、「雲雀丘学園」+21名、「芦屋学園」+15名、「夙川学院」「神戸海星女子学院」+7名、「柳学園」+6名、「須磨学園」+2名、「甲子園学院」+1名となっています。この9校以外はマイナスでした。
 京都府は、大阪府と同様、公立高校・公立中高一貫校の改革進行が、私立中学への進学の逆風になっているエリアでもあります。さらに、地元の同志社大学・立命館大学の付属校人気もありますから、その他の私学にとっては、非常に苦しい中学入試のエリアです。
 『洛洛同立』から受験生が埋まっていくと言われていましたが、今春の初日午前入試の志願者数では「同志社女子」が前年比+42名、「同志社」+3名、「洛南高等学校附属」±0名、「立命館宇治」-19名、「立命館」-24名、「同志社国際」-41名、「洛星」-48名でした。立命館人気の陰りと、「洛星」の凋落が、来年度以降どのように変化していくのか、大いに注目されます。
 初日午前入試の志願者数では、上記「同志社女子」が1位、「同志社」が8位でした。あとの増加校7校は、「龍谷大学付属平安」「大谷」「東山」+12名、「京都橘」+8名、「花園」「京都聖母学院」+5名、「京都女子」+1名が名を連ねています。
 奈良県は、全体的に低調でした。初日午前入試志願者数をみても、2ケタ増を果たした学校はありません。総志願者数のランキング(上位20)に入ったのは、「聖心学園」のみです。同校の要因は、新設した2日目の午後入試への志願者増です。
 「東大寺学園」が-40名、「西大和学園」が-42名と、前年から志願者数を減らしていますが、「東大寺学園」が992名→952名、「西大和学園」が1,343名→1,301名ですから、大幅な減少というわけではありません。
 「帝塚山」は、全日程で志願者減でしたが、1次入試での合格最低点が大幅に上昇していますから、学校にとっては思惑通りの一面も窺えます。
 滋賀県・和歌山県では、「和歌山信愛」の健闘が光ります。女子校低迷のなかで、地域での信頼の厚さが数字となって表れているのでしょう。「近畿大学附属和歌山」」は、前年の減少を受けての揺り戻しといえます。
 滋賀県でも「立命館守山」が苦戦でした。立命館の付属全校の奮起が期待されます。

2014年度入試はどうなる・・・

さて、主に、初日(統一解禁日)の志願者増減で、2013年度入試を振り返ってみましたが、名前が出てきた学校は、ほぼ次の4つのグループにわけることができます。
①東大・京大・阪大をはじめとする国公立大学への進学を確実視することができる。
②国公立・私立の難関大学への進学だけでなくクラブ活動なども熱心。
③難関私立大学付属校。
④学校改革が進行中で、かつ学校のプレゼン力が向上している。
 今春、志願者数増減ランキングで上位の増加校に名を連ねることができなかった学校でも、上記の4つのグループに属する学校は、注目校となります。この前提を覚えておいてください。
=西大和学園の女子受け入れ=

まず飛び込んできたのが、「四天王寺学園中学校」の新設開校のニュースでした。四天王寺学園小学校(共学)からの進学者を受け入れるための中学校をつくる動きは、以前よりありましたので、新設開校自体は、それほど大きなおどろきではありませんでした。
 その引き換えにということになるのでしょうか、「四天王寺羽曳丘中学校」が来年度より募集停止になります。
 「四天王寺学園」は男女共学で、併設小学校からの内部生(35名×2クラス)と外部生(35名×2クラス)でスタートする予定です。
外部生の基準は、「四天王寺」の英数Ⅰレベルだそうです。近鉄南大阪線「藤井寺駅」からすぐの立地ですが、男女の上位層をどれだけ集められるのか…と思案しているところへ、次のニュースが入ってきました。 
 「四天王寺」が「医志コース」を新設。『医師』ではなく「医志」です。ネーミングは四天王寺らしく、“医”に哲学を込めています。とはいえ、ほとんどの受験生が気になるのは、新コースの合格基準です。「英数Ⅱ」「英数Ⅰ」のアッパーコースになるのかどうかということです。
 元々、医学部・医歯薬系をめざす生徒が、女子校にあっては驚異的に多い学校でしたから、殊更医歯薬系進学のためのコースを作る必要はないのではないかとの声もありましたが、その理由は「医志」という名称に込められています。ここでは詳しくは述べませんが、新コースでの指導がきちんと機能することを願うだけです。
 気になる合格基準ですが、すべての大手進学塾は、完全に「英数Ⅱ」よりも上位にランクづけしていますので、志願者はよく見極める必要があります。
 四天王寺グループの話題が整理できたころに、さらにビッグニュースが飛び込んできました。
 「西大和学園」の男女共学化です。正確には男女併学(授業は男女別々に受ける)ですが、ついに女子の受け入れを開始します。募集人員は40名です。
 トップグループの学校の動き、特に入試制度の変更は、競合校やそれに続く多くの私立中学に影響を及ぼします。奈良県とはいえ、京都府や兵庫県東部が充分通学圏内になる立地条件。高等学校のほうでは20年以上前に共学になっていますから、女子教育に対する不安感もありません。「男女併学」というスタイルを採るなどの要因を考慮すると、女子受験生の最上位層の志願動向が変化するのは間違いないでしょう。
 近畿圏の女子にとっては最もハイレベルとされる「洛南高等学校附属」、同じ奈良県下にある「帝塚山」、大阪府下女子校のトップである「四天王寺」、大阪府下を中心に上位層の女子を集めている「清風南海」「大阪桐蔭」などは、確実に影響を受けると思われます。
 入試日が、近畿圏の統一解禁日(1月18日)ではなく、翌日に設定されているだけに(女子は10:20開始、男子は4科受験者が14:00、3科受験者が14:50開始)、競合校は困惑しました。「清風南海」は、来年度の入試日程を大幅に変更し、1回目を18日の午後に実施します。A入試の3科・4科アラカルト受験型が13:50集合、3科受験型が15:00集合、「スーパー特進のみ」募集のSS入試(2科)が16:30集合。2回目は21日の午前実施です。いろんな併願パターンが考えられます。
 女子40名の受け入れと併せて注目しなければならないのは、男子が40名減になることです。女子の受験生レベルが相当高くなることは容易に想像がつきますが、男子の合格ラインが上昇することも忘れてはなりません。偏差値では、2~4ポイント上がる可能性があります。
 「清風南海」で、入試日程発表とともに驚かされたのが、プレテストの実施です。受験料が4,000円必要なので、タイプでいうと「大阪桐蔭」のようになるのでしょう。ただし、学習塾との関わり方はまったく違うように思います。
 「四天王寺学園」とともに、来年度新しく開校されるのが「東洋大学附属姫路中学校」(共学)です。兵庫県西地区の受験生にとっては、待望の共学の私立中学校で、今後の躍進が大いに期待されます。
 同じ兵庫県の西部にある「淳心学院」は、来年度よりコース制を導入します。最近5年間志願者数が減り続けており、特に今春は前年比-34%と大きく落ち込んでいましたから、V字回復をめざしてのコース制導入といえるでしょう。
 コース制導入でもう1校注目されるのが「甲南」です。難関国公立大学・医歯薬理工系学部への進学をめざすコースと、難関私大・国際系学部・甲南大をめざすコースの2コースで、他校にはない独自のカリキュラムがポイントです。また、初日・2日目ともに午後入試が導入されます。
 兵庫県ではもう1校「親和」が2コース制になります。同校は、入試日程においても2日目に午後入試を導入します。
 今春の状況をみても分かる通り、午後入試の導入は、受験者動向に大きな変化を及ぼします。来年度も新たに午後入試を導入する学校が非常に多いです。初日に午後入試を導入するのは「大阪信愛女学院」「相愛」「帝塚山学院」「プール学院」「追手門学院大手前」「大阪国際大和田」「常翔啓光学園」「清風南海」「浪速」「初芝立命館」「甲南」「報徳学園」「平安女学院」「龍谷大学付属平安」と、新設2校。2日目以降で導入するのが「大阪学芸」「大阪国際大和田」「大阪青凌」「帝塚山学院」「甲南」「親和」「芦屋学園」「華頂女子」「奈良育英」「初芝橋本」です。
 大阪府だけでみると、3分の2の学校が初日の午後入試を実施することになります。併願パターンの組み合わせにも変化が起きます。
 また、後期入試日程を前倒しで実施する学校も、「大阪女学院」「堺リベラル」「城星学園」「梅花」「上宮」「上宮太子」「常翔学園」「浪速」「箕面自由学園」「親和」「洛星」「華頂女子」など多くあり、短期決戦の様相はますます強まる方向です。そのなかでも、「関西大学」(2回→1回)、「堺リベラル」(4回→3回)、「神戸山手女子」(5回→4回)、「奈良学園登美ヶ丘」(3回→2回)など、後期の入試機会が削減される学校も目立ちます。
 ただし、兵庫県だけは5日目に「芦屋学園」「須磨学園」「滝川第二」「白陵」「雲雀丘学園」の後期入試が重なっていますので、昨年同様ひとつの大きなヤマができそうです。
 入試日程と併せて注目されるのが入試形態です。3科・4科選択入試はもはや標準的になっていますが、「関西大学第一」「清風南海」の2校が来春2科入試に対応します。後期日程では対応している学校は多いですが、今後は初日(初回)入試でも2科受験が可能になる学校が増えそうです。
 同じように、来年度以降増えそうなのが「AO(自己推薦型)入試」です。来年度では、「常翔啓光学園」「聖母被昇天学院」「神戸山手女子」で導入されます。今春も「大阪産業大学附属」「金蘭会」「武庫川女子大学附属」「大谷(京都)」「京都文教」「立命館宇治」「龍谷大学付属平安」「華頂女子」「京都光華」「同志社女子」「ノートルダム女学院」「平安女学院」「比叡山」「立命館守山」などで実施されています。第一志望校である場合は、自己推薦型入試の利用を優先的に考えるのが得策といえるでしょう。
 新設校、新コース、入試日程、入試形態といった面から、2014年度入試での注目校をみてきました。第一志望校が決まったら、無理のない受験スケジュールを組みましょう。短期決戦でも、集中力の持続・体調管理は難しい面がありますので、安易な選択は避けるべきです。

“人間力”を培う集団生活

「寮のある学校」に注目!

“学び”のスタイルにそれぞれの学校の特色があるというのが、私立中学の魅力・特徴のひとつです。なかでもオリジナリティあふれる「寮のある学校」への興味・関心を抱く保護者が増えています。

《寮のある学校》での「人間力」育成に注目が集まっています。親元から離れての寮生活は、親にも子どもにも不安はありますが、多感な中学・高校時代に貴重な経験を得ることで、たくましい人間に成長する、寮生活の最大のメリットが見直されています。集団生活の日々で身につく基本的生活習慣が、一生の財産になるのはたしかです。さらに、学習面でも学校と寮の両方で面倒をみてくれるきめ細かさが功を奏して、進学実績の伸長だけでなく、しっかりとした学力が身につくといった利点にも、魅力を感じる親御さんが増えています。
また、東大・京大をはじめとする難関国公立大学や難関私立大学への現役合格者を多く輩出しようとする学校が増え、そのための学力向上のためには「寮生活」のなかで、きめ細かな学習指導を受けるのがよいと考えられるようになってきたということでしょう。
 寮というと、硬式野球部など学校が指定する強化クラブに入るイメージが強いこともたしかですが、寮生活のイメージは変わりつつあります。勉学にしろスポーツにしろ、通学生では得られない環境と時間のなかでの過ごし方が、大きな成果を生むということが明らかになってきたからです。

 近畿圏の私立中学入試は「統一解禁日」となっていますので、「事前入試」といえば、岡山県下の私学か、地方の寮のある学校の関西入試を受験するのがほとんどです。
 愛媛の「愛光」、高知の「土佐塾」、香川の「香川誠陵」、徳島の「徳島文理」富山の「片山学園」、愛知の「海陽中等教育学校」、北海道の「函館ラ・サール」などが、よく知られています。
 《腕試し受験》でもいいですが、やはりどんな学校か、どんな寮生活なのかはある程度は知ったうえで受験するのが望ましいでしょう。いわゆる併願として受験する場合は絶対です。第一志望校がもし不合格だったら、行くことになるかもしれない学校ですから、情報収集は怠れません。
 「寮生活」のようすは、各校によって違います。まず、所在地の環境が違います。寮費、寮棟・部屋のつくり、各部屋の収容人数、規則、食事のメニューや食費、学習のサポート体制などについても、学校ごとに違いますから、事前にきちんと知っておくべきでしょう。

 「寮生活」のメリットについて、挙げられるのは次の5点です。
①自立と自律(基本的生活習慣の体得)
②多様な価値観の共有
③コミュニケーション能力の涵養
④社会性・協調性の育成 
⑤耐性・継続性の養成

 寮生活に飛び込んでくる生徒のかなには、稀に毎日が修学旅行のような気分で入学してくる生徒もいますが、当然楽しいだけではありません。他の子とぶつかることもありますし、ホームシックになることもあります。集団生活のなかで、それらを乗り越える力がつき、他者との合意形成の訓練が自然となされることで、いわば社会生活の準備ができるわけです。リーダーシップを発揮できる卒業生が多いというのも、寮生活ならではの成果だといえます。
 「寮生活」では、通学生とはまったく違う時間の流れがあります。そのなかで共通しているのは、昼間の授業、クラブ活動、夜の学習と、教員・スタッフがずっと関わっているということです。寮での人間力育成のしくみは、学校ごとに違いがありますが、そこでは、本当の親以上に親の心で接している教員がたくさんいることは間違いありません。
 「どんな生活をしているか不安」という保護者の思いも、いろんな形での通信連絡網で軽減されるようになっています。携帯電話の持ち込みを禁止しているところもありますが、不便はないようです。「通学の場合と比べると費用面で高くつくのでは」と思われるかもしれませんが、定期代や通塾代、食費などを考えると、決して高くはありません。年に何回か帰宅・帰省するたびに、我が子の成長ぶりに驚かされる親御さんがほとんどです。魅力がいっぱいの寮制学校。入学試験の成績によって、特待制度や学費・寮費の軽減制度を設けている学校も多くありますので、ぜひ選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

ダマされて、東大

「アンタは、学校に勉強しに行ってるの? それとも柔道をするために行っているの?」
母親が言います。なんと当たり前のことを。「それは、柔道に決まっているだろう」
そう答え、毎日、弁当を2つ持って登校する私に、母はあきれ顔でした。

そうです。私は自他ともに認める柔道少年でした。でも、所属する学校は進学校で、けっして柔道名門校ではありません。いや、どちらかといえば柔道弱小校でした。でも、監督である体育の先生は柔道指導者としては一流で、柔道界では名の知れた人でした。なんでも、若いころ、山中で出会った熊と格闘して、柔道の締め技でその熊を仕留めたという武勇伝もあります。学校の食堂には、その時の熊が剥製で展示してありますから、嘘ではなさそうです。

部としては、試合であまり勝てないのですが、監督の人柄もあり、毎日、道場で熱心に練習に明け暮れていました。
全員が大学進学します。医学部に進む先輩も多くいました。高校2年生の終わりごろ、進路について監督が一人ずつ話をする機会がありました。
「お前の柔道では、早稲田や慶應にいったら、たぶんレギュラーにはなれないだろう。そうだ、東大にいけ。東大ならヘナチョコばかりだから、きっとレギュラー確実だ。決まり、東大だ」
 「そんなもんですか?」
 「そんなもんだ。大学なんて」
 というわけで、私は、「志望校は東大柔道部」と決めました。困ったのは担任の先生です。
「東大はいいけれど、文理どっちだ? 併願大学はどこだ?」
「文理は、どっちでも。とにかく柔道部です。併願大学はありません」
「でも一応、早稲田とか慶應を受けておいたらどうだ」
「先生は慶應出身だから、勧めてくれるのかもしれないけれど、慶應、早稲田にはいこうと思いません。いっても……」
まるで駄々っ子です。
担任の先生は、柔道部の監督にも私のことを話したようです。しかし、20代の若い担任の先生と、ベテラン教諭である監督では話にならなかったようです。
「そうか。そうか。志望が東大柔道部というのは偉いじゃないか。受からせろ。頼んだぞ」
と監督は言い放ったそうです。

それで、一応、私は英語と国語が得意でしたので、理系と決め、理科Ⅰ類を志望しました(なぜ、英語・国語が得意で理系かは後日)。
柔道の練習があるので、予備校や塾には一切いかず、練習の合間に柔道着のまま学校の先生に質問したり、嫌でしたが我慢して家で父親にわからないところを教えてもらうという受験勉強でした。

いろいろありましたが、東大に入って、さて念願の柔道部へ。
ところが、聞くと実際は大違い。「東大柔道部はヘナチョコ」なんて大嘘でした。真面目に受験勉強してきた人たちばかりなので、柔道も大真面目。その稽古の厳しさは、国立大学のなかでも群を抜いています。
さきごろ、不祥事で世間を騒がせた日本柔道連盟に就任された新会長も東大柔道部首相を務めた方で、企業の役員を歴任した方です。東大柔道部OBなら、どこの企業も大歓迎でしょう。オリンピック選手こそ輩出しているわけではないのですが、講道館創設者・嘉納治五郎先生の系譜をひく東大柔道部です。嘉納治五郎先生は、東京高等師範学校(現・筑波大学。筑波大学キャンパス内にも立。)校長、東京高等師範学校附属中学校(現・筑波大学附属中学校・高等学校)校長を務め、東大そして東大柔道部におそらく最も多くの部員を輩出している灘校の設立にも加わった方です。灘校内にも嘉納治五郎先生の像があるとのことです。
国立大学間の試合では、きわめて優秀な戦歴を残している東大柔道部でもあります。

元・柔道少年は、もろくも柔道に挫折。「ヘナチョコばかりだからレギュラーは確実」などもってのほか。地方の高校で大秀才、しかも柔道も抜群という、文字通り「文武両道」を絵にかいたような猛者の集まりです。
レギュラーはおろか日々の練習にさえついていけそうもありません。
それで、大学では、柔道から、急遽、物理をやることに路線変更。
ただ、言いたいのは、私立中高一貫校の場合、私の監督のように、多少、方向性は変わってはいても、部活動を通じて進路指導をしてくれる先生も多く、東大には中高時代に運動部に属していた人が意外に多いという事実です。
東大は、ガリ勉ばかりのひ弱な集団と思われがちですが、けっしてそうでもなく、スポーツに熱心に取り組んできた人が多いことも知っていただきたいと思います。

成績は、隔世遺伝?

「最近の研究では、子どもの成績は隔世遺伝という説が有力らしい」と父が言い出したことがありました。
「それなら、ウチは大丈夫だ。ワシの孫たちは全員優秀。ワシの子どもたちが、あんまりだった訳もわかる」
と自信満々の祖父。
おもしろくなさそうな顔をしている父に、
「そういえば、お前のジイさん。つまりワシの父親は、浪費家でダメな人だった。かなりあったはずの財産を一代で食いつぶした。隔世遺伝か…。ウマいことを言うものだ。あたっている」
とも祖父は言います。

されに祖父は、「近頃の父親は、子どものデキがいいと『俺のDNAだ』と胸を張り、ちょっと成績が悪いと、奥さんの育て方が悪いだの隔世遺伝だのと責任転嫁するんだな」
とも。歯に衣着せぬ物言いの祖父です。

父母が忙しかったこともあったのでしょう。私は幼少期から同居する祖父母に育てられ、とくに祖父からは強い影響を受けました。
祖父は独自の信念をもっていたようです。幼児期、動物園が大好きだった私をいつも動物園に祖父は連れていってくれました。
ただ、少し、いや大いに変わっていました。
 「今日は何が見たい?」
 「おサルさん」
 「そうか」
それで、動物園ではサル山の前だけ。他の動物は一切見ません。じっと、一時間、二時間、サルのみ。集中力をつけたいという思いだったようです。
一日一種類の動物しか見られないのですが、そのかわり毎日でも動物園に連れていってくれました。

これで集中力が養えたのかどうかはわかりません。でも、大学に入り、実験機器の前に寝袋を持ちだして長時間、経過観察することが少しも苦痛でないのは、祖父の幼児期の訓練のためかもしれないと思ったことがあります。

奇跡の大逆転合格!

大学2年生の秋、友人のお父さんの知り合いの方の家庭教師を依頼されました。

お世話になっていたこともあり、自信はないけれど引き受けました。お子さんは小学校6年生。その10月初旬です。もう入試まで100日余という時期です。

「結果は問わない。悔いのない中学入試にしてあげたい」というご家庭のご意向でした。

肝心の成績はというと、模試の4教科偏差値が50に到達していません。国語が大の苦手という男の子でした。

それで本人の第一志望は、合格最低偏差値62ほどの人気校。私自身も同じくらいのレベルの中学受験をしたと記憶しています。

それでも私の場合は偏差60内外はあったと思います。「これは、かなりヤバイ。無理かもしれない」と正直、思いました。

友人のお父さんの紹介ということもあり、できる限りやってみることにして勉強を始めました。

算数は、まずまずですが、国語はまったくといっていいほど問題に歯が立ちません。

そこで私がとった戦略は、とにかく苦手意識を払拭すること。苦手な国語については、それを意識させないように何もいいません。勉強バランスも国語をあえて少ない時間配分にしました。

そして、各科目とも、とくに基礎・基本だけを繰り返して解くことだけに努めました。「これでは入試に間に合わない」と思うこともありましたが、いたずらにむずかしいものを解かせても力にならないと考えたからでした。

そして、第一志望がダメでも、第二志望合格をめざすことが現実的だと思ったからでもあります。

幸いだったのは、私の方針を親御さんが前面的に支持してくださり、基本ばかり繰り返すことに、一言の異議もおっしゃらなかったことです。

いわゆる難問は、得意な算数でさえ、ほとんどやらずに第一志望校の入試を迎えました。本人でさえ、合格は無理と考えていたようです。

しかしです。合格発表があり、第一志望校に合格です。

皆、信じられないという顔をしていました。

しかし、私だけは「なるほど…」と納得しました。

よく受験専門家が、「基本をマスターしさえすれば、難関校も受かる」といいます。私はそれまで、それはキレイ事で、やはりある程度は難問を解けないと話にならないだろうと思っていました。

それは誤りでした。きちんと基礎・基本をクリアすれば、結果は出ると実証されたのでした。

その後、二人ほどの中学受験生と勉強しましたが、基本を繰り返すやり方で、いずれも難関校を突破していきました。

私の指導手腕が優れていたのではなく、いたずらに難しい問題をあえて教え込むことをしないことが、良い結果をもたらしたのだろうと信じています。

これから受験を迎えるみなさんのご参考になれば幸いです。

強引な「語呂合わせ」暗記法

中学受験は、最低限の知識として記憶しておいたほうがいいことがあります。

「受験は暗記ではない。理解しておくことが重要」というのは、真理だし、その通りだと思います。でも、覚えていて便利なこともあります。

計算の「九九」は、覚えておくべきなのは、誰もが否定しないでしょう。私は「十十(じゅじゅ)」と称して、
 11×11=121
 12×12=144
 13×13=169
 14×14=196
 15×15=225
  ……
 20×20=400
を徹底して覚えさせられました。特に11〜15までの平方は徹底して覚えました。

算数ばかりでなく、たとえば社会科の地理では都道府県の名称と位置をしっかり覚えておくことは、基本だと思います。私の塾では、小4のとき何度もドリルが行われ、徹底して叩きこまれました。

でも、暗記が嫌いな私は、四国4県の位置がどうしても覚えられません。

そこで、我が家で教えられたのが、「4県の語呂合わせ」でした。語呂にもなっていない、かなりこじつけなのですが。

親戚があり、行ったことのある香川県の位置だけは分かっていました。そこで香川県を筆頭として、4県を「か・と・こ・え」と時計回りに覚えたのです。「か・と・こ・え」とは、香川・徳島・高知・愛媛の各県をさします。

この強引な語呂合わせで、四国4県を覚えたことで、地理に自信がつきました。丸暗記は受験の本質ではありませんが。覚えるより理解することが大切なのはいうまでもないのですが、ときには、こうした覚え方の工夫も有効だと思います。

ドラゴン応援団

『中学受験図鑑』を応援します

「応援団」の人々リーダーは、東京大学理学部・同大学院をおえた28歳のお兄さん。大学進学時の志望は「東大柔道部」だったという変わり種。柔道をやりたくて東大を選んだのだといいます。その仲間と先輩・後輩たちで構成された「東大生OB・OG、現役生」のグループです。中学受験をめざそうとするみなさんの応援団です。そして、中高一貫校に進学後、できるなら一人でも多くのみなさんに東京大学に進学していただきたいと願っているメンバーです。
 OB・OGのなかには、いろいろな人がいます。経歴も職業もさまざま。なかには、すでに親となり、中学受験をめざしているお子さんがいる人も。そんな多様な人たちが、この『中学受験図鑑』をお読みのみなさんに贈る「本音トーク」が本コラムの特徴です。
 他では絶対に読めない「必勝勉強法」、「東大生、OB・OGの本音」をお楽しみください。

東京大学中学受験研究会

先輩の勧める「学習お役立ちグッズ」

その1 「コピー機」

 中学受験に限らず、受験勉強に役立つグッズのナンバー1は、なんといっても「コピー機」だと思います。
 私は中学受験のとき、家に父の仕事に用いる業務用の大型コピー機があり、勉強に徹底的に利用しました。

 テストで誤った問題をコピーして、ノートの左側ページに切り貼りし、右側ページに解法と答えを書きます。あとで、右側を隠して白紙をのせれば、誤った問題のみの自作問題集となります。これは有効でした。同じ誤りを繰り返すことが激減しました。

 また、志望校の過去問を解くときには、解答用紙を実際のサイズに拡大して解くようにしました。解答欄のスペースによって答えの内容を考えなければならない自由記述の問題に対応する有益な方法だったと思います。

 自分の手でていねいに写すことも重要ですが、時と場合によっては、コピー機という文明の利器を活用して、まとめたり内容を整理することは、中学受験という限られた時間しかなく、幅広い知識を要求される勉強では大切だと思います。

 何をコピーすべきか、何が必要ないのか、その判断をするだけでも小学生にとっては有益な学習だと思います。勉強のやる気がおきないことも、しばしばありますが、コピーして切り貼りするだけなら、やってみようという気にもなったりするものです。

 業務用のコピー機は機能が多く用紙サイズも自由で使い勝手はいいのですが、あの大きさでは普通の家庭ではジャマものでしかないでしょう。しかし、最近では、ごく一般的な家庭用PCプリンタにもスキャンやコピー機能を有したものが安価で出回っています。サイズ的にはA4版が最大と限定されるものが多いのですが、サイズ面で不自由な思いをすることは少ないと思います。
 PCプリンタの場合、カラーコピーもできるタイプが主流ですので、これもメリットと思います。操作もきわめて簡単です。拡大・縮小もちょっと教えれば小学生は苦もなくマスターします。
 コストもインク・カートリッジと用紙のみで、コンビニで1枚10円でおコピーするより安いはずです。
 
 このPCプリンタをコピー機として、受験勉強にぜひ活用してみてください。

先輩の勧める「学習お役立ちグッズ」

その2 「小型ホワイトボード」

厳密には学習用品とはいえないかもしれません。
 でも、役立つものがあります。それは、ホワイトボードです。
 大型のものではなく、30㎝×50㎝ほどの小型のものです。

 私の家では、家族の集まるリビング・ダイニングと自分の部屋にそれぞれありました。
 リビングのものは、ちょっとしたメモや家族で話をしていて漢字がわからないとき、さっと書かれたりしまいた。磁石が利くタイプのもので小さな書類などが留められていることもありました。

 自分の部屋のものは、その日に学習すべき事項を箇条書きするために用います。やらなければいけないことを書き出し、終わったら傍線を引いて消していきます。きわめて単純ですが、私の場合には、勉強をコンスタントに進めるためにきわめて有効でした。学習の優先順位ということも自然に意識できるようになった気がします。

 大学生になってから、「To Do List」として多くのビジネスマンも活用する手法だと知りましたが、このホワイトボードは小さな紙片と違って紛失はないし、持ち運びもできることから、家族の目にもとまります。
 不思議なもので、他者の視線を意識することで、やる気がでてきたりもします。
 勉強のモチベーションアップに有効なグッズとして、小型ホワイトボードをお勧めします。

先輩の勧める「学習お役立ちグッズ」

その3 「ストップウォッチ」

私の「イチオシ」グッズは、ストップウォッチです。
 「この問題を10分で解く」「計算問題1ページを何分でできるか」「過去問の制限時間50分をはかる」などなど非常に利用範囲は広いと思います。
 腕時計や置き時計ではしにくい計時が可能なのがストップウォッチの利点です。はじめは、あまり勉強に有益に使えてはいなかったかもしれません。何秒、息をとめていられるかとか、テレビCMは何秒なのかというような遊びに類する使い方をしていた私でした。でも、次第に勉強に活用するように自然になっていった気がします。

 受験勉強といっても、短い時間の積み重ねにすぎないと思います。その短い時間をどう活用し、集中するかがポイント。30分、60分となると、持て余してしまう私の小学生時代でも、3分、5分なら集中できるということもあるのではないでしょうか。

 算数などは、「これは5分考えよう」と集中して5分だけ取り組み、それで答えが出なければ、解説を読むというやり方もしました。集中力がないといわれるお子さんも、じつは集中力がないのではなく、どうやって集中したらいいのかわからないだけのことも多いと思います。じっさい、私がそうでした。

 短時間の使い方がうまくなれば、かならずその積み重ねが学習成果となってあらわれます。量販店で¥1,000〜¥2,000ほどで廉価なものが入手できます。ぜひ使ってみてください。

 なお、不思議ですが、少しだけ男女差があるようです。私はストップウォッチ派でしたが、妹はキッチンタイマーを愛用していました。「5分」にセットし、時間が減っていって5分に達するとアラームが鳴るようにして使っていました。本質的には、どちらも同じですが、要するに、短い時間を自分で管理する道具として使うところに意味があるように思います。

先輩の勧める「学習お役立ちグッズ」

その4 「クリアファイル」

中学受験の学習をすすめていくうえで、塾で配布される大量のプリント類の整理は大切だと思います。低学年なら、親御さんが整理してあげるのもいいのでしょうが、高学年になって周囲の大人がそこまでしてあげるのも考えものだと思います。

 授業プリント、ドリル、まとめテストなど、たくさんのプリント類がくばられるのが塾です。また、塾によっては基本授業テキストが冊子とはなっておらず、その都度、プリント小冊子で授業を進めるスタイルのところもあります。

 それらのすべてが保存しておく必要があるものでもないのですが、こうしたバラバラの紙資料の整理は小学生にはむずかしい部分もあります。
 そこで、私がとったのは非常に簡便で単純な方法です。塾でプリントをもらってカバンにしまうとき、4色のクリアファイルを用意しておき、算数・国語・理科・社会の科目ごとに、自分で決めた色のファイルに放り込むだけのことです。

 帰宅後、時間があればファイルの色ごとに中身を整理したり、ファイリングします。時間がなければ、ファイルのまま書棚の所定の場所に色別に立てておき、ある程度まとまったら整理したり見なおして、不要なものは処分します。

 塾に出かけるときは、空のクリアファイルを4枚ずつ持っていくだけ。
 きわめて単純なやり方ですが、整理は単純さが命だと思います。
 シンプルな方法だから続けられ、効果もあるのではないかと私は考えています。「百円ショップ」などでも売られていますので、カラークリアファイルを利用することも試してみてはいかがでしょうか。

先輩の勧める「学習お役立ちグッズ」

その5 「逆さまの世界地図」

他の諸君の「お役立ちグッズ」と少しちがうかもしれません。
 私の家では、リビングの壁に大きな世界地図がはってありました。
 ただ、それが普通とちょっと異なりました。それは、アメリカで発行された地図で、それが上下逆さまになっているのです。

 というのも、私や姉が、「アメリカの上がカナダだったよね」「ドイツはフランスの左側かな」といういい方をすると、父が、「上とか下、左右なんてない。そのために方位があるんだ。東西南北でいいなさい」とお小言。

 そして、外国土産でいただいた世界地図を父が上下逆さまに貼ってしまったのです。
 父いわく、「南半球のオーストラリアやニュージーランドでは、学校の教室に南を上にした世界地図があるのが普通だ。宇宙のなかの地球を考えたら、上も下もない」。
 まっ、正論なのでしょうが、「ここは、南半球じゃない。日本だ」と私は反論したいのですが、してもムダなのでだまっていました。

 この地図、見にくいこと、このうえもないものです。アメリカ発行の世界地図は、南北アメリカ大陸が地図の真ん中にあり、日本列島など地図の片隅においやられています。父は、「だから、極東というのだ」といいます。
 そのうえ、それが逆さまですから、どこか探そうとすると大変です。
 でも、慣れというのは不思議なもの。いつの間にか、そんな地図でも国の位置が頭に入ってきました。

 おかしな親の妙な発想ですが、こういう逆療法もあるのかもしれません。

 ちなみに、大学の友人でオーストラリアからの帰国子女に聞いたところ、「たしかに以前は、ほとんど南を上にした世界地図ばかりだったようだが、最近は、北半球にいったときに困るという理由で、北を上にした世界地図が教室にあることのほうが多いようだ」とのことです。