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わが子にあう中学校をえらぶサイト

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 取材日:2016年7月11日

インタビュイー:国語科 細井正之先生

インタビュアー:慶應義塾大学4年生 呉俊辰(教育図鑑学生インターン)


概要: 世田谷学園は曹洞宗を母体とした男子校。男子校の仏教校という古風で硬派なイメージがありつつ、一方でカナダ英語研修を実施したり、文化祭でYouTuberのような動画企画が流行したりと、幅広い活動が行われています。細井先生はとても誠実な印象の方。言わんとすることが伝わったという感触が持てた時、喜びを感じるそうです。

1. 進路について

呉:進学先の大学はどんなところが多いですか?
細井先生: 国公立は東大、一橋や東工大、私立は早稲田、慶応をはじめとして、多数合格者を出しているという状況です。
呉:近年医学部志望者が増えていると思うのですが。 

細井先生: そうですね、例年医学部志望の生徒も一定数いて、国公立の医学部に受かる生徒は、たくさんはいないですけど、私大に受かって進学するというパターンでは、それなりの数がいます。
呉:私立と国公立進学の割合を教えて下さい。
細井先生: 2016年では国公立に進学した生徒が44人でした。卒業生は202人で、現役で進学する生徒が7割くらいなので、割合で考えると、国公立より私立の方が3・4倍くらいという感じですかね。

2. 授業で使っている教材を教えてください。

細井先生: 中学校については、指定教科書というのがあるんですけど、それを中1、中2の2年間で3年分を終えてしまうという感じです。それで中3からは高校用の教科書になって、例えば現代文は国語総合の教科書を使ってやっています。古典は、中1はほとんど教科書でやりますが、中2からは学園オリジナルのテキスト、これは高校生用の漢文のテキストなんですが、それを持たせて進めていくといきます。論語や史記といった有名な作品を中心にやっているという感じです。

呉:現代文も古文も、中3から高校の内容に入っているということですか?

細井先生: そうですね、基本的にはそういう風に理解していただいて結構だと思います。

呉:補習はどれくらいやっていますか?

細井先生: 放課後の補習は、ステップアップ講習というのがあります。科目は英数国です。定期テストの結果があまり奮わなかった生徒や、理解が追いついてないかなという生徒を指名して、放課後に週一回実施しています。

呉:学期は3期制ですか?

細井先生: 今は2期制なんですが、来年(2017年)から2期制になります。現在、テストは年4回です。1期の中間と期末、1期中間と学年末ですね。それで、例えば、中間テストの成績が奮わなかった生徒がいると、ステップアップ講習に呼ばれて次の期末テストまで補習を受けるという感じですね。

3. 選抜、レベル別の制度はありますか?

細井先生: 特進クラスと一般クラスという二段階になっています。昨年度までは入学した時から一般と特進が分かれていたんですが、今年度からはそれを廃止して、2年生から選抜していこうという様に変わりました。

呉:中学1年生の時の成績をもとに選抜するということですか?

細井先生: そうですね。中1の時はフラットにやって中2から選抜クラスを作るという風に今年度から変わったんです。

呉:それはどういう意図で変えられたのですか?

細井先生: 中1当初のクラス分けというのが、いろいろと流動的な側面というのがあるので、それならヨーイドンではじめて、その年1年間うちの学校の中で努力した生徒とか、能力として伸びてきた生徒というのを、それぞれ一つのクラスに集めたらいいんじゃないかという風に考えてこうなりました。

呉:入れ替えは毎年あるのですか?

細井先生: 基本的には高校3年生まで毎年あります。

呉:特進の生徒さんが上位校に進学していく感じですか?

細井先生: 一般クラスの中にも力のある生徒はいるので、一概にそうとは言えないですけど、相対的に見たらやはり上位校に進学している生徒が多いのは事実ですね。

呉:クラスによって指導内容は変えているのですか?

細井先生: そうですね。クラスの特性に合わせて、プラスアルファの部分を足していったりとか。教員によってはコンセプトから変えて授業をされている先生もいます。

呉:細井先生自身はどういう違いを持たせていますか?

細井先生: 教養的な部分であったりとか、それと同時並行で記述力だったりとか、最終的には特進の生徒は国公立の上位校を目指す子が多いので、そういうところに対応できるような力をつけていきたいなというのを意識して指導しています。

4. 英語教育には力を入れていますか?

細井先生: 英語に関しては、高校1年生の時にカナダ英語研修というのがあるんですね。

呉:期間はどれくらいですか?

細井先生: だいたい12日くらい行くんですけど、そこを目標にして、英語力を積み上げていくという感じです。あとは、今年から始まったんですが、低学年でいわゆる英語学校というか、ネイティブの先生が来て短期的に集中講座をやってくれるような企画も始まりましたね。

5. 留学制度はありますか?

細井先生: カナダの姉妹校との交換留学を高1時に行っています。2~3ヶ月の留学です。

6. 外部模試はありますか?

細井先生: 到達度テストというのを各学年、年に2回程度実施しています。高3は年間3回の外部模試に加えて校内模試も1回行っています。

呉:それは大手予備校の模試ですか?

細井先生: そうですね、ベネッセさんだったりとか。

7. 塾に通っている人はどのくらいいますか?

細井先生: え〜、これはちょっと微妙なところですね(笑)低学年だと、英語のことがちょっと不安で通ってるという生徒もいるようですし、高学年になると受験というものを意識しだして、高2の後半くらいから通い始める生徒もそれなりにいる感じです。

呉:塾に通うことについて先生はどう思っていますか?

細井先生: 僕自身は今高3の担任をしているんですが、自分で勉強の仕方が分からないだとか、受験勉強を始めたいんだけれども取っかかりが分からないという生徒とかについては、それなりの効果はあるのかなという気はしています。あと最近は、なかなか家だと気が散っちゃって勉強ができないという生徒も多いので、塾で周りのみんなが一生懸命勉強している環境に身を置くことで自分をマネジメントできるって側面がメリットかなとは思うんですけど。ただ、自分のマネジメントがしっかりできている生徒なら行かなくてもいいんじゃないかな、と思いますね。だから、塾のいいところ、悪いところをそれぞれうまく見ながらやってくれればいいと思っています。

呉:高3になると受験を意識した授業になるんですか?

細井先生: そうですね、僕は今、自分のクラスで現代文を担当しているんですけど、演習問題のパーセンテージは当然増やしていってるという感じですね。

呉:志望校別で何か対策が違ってきたりしますか?

細井先生: そうですねえ、年度の真ん中以降になってくるとMARCH(明治、青山、立教、中央、法政)クラスから早慶上智へと上げていく感じです。慶應は国語がないので、最後は早稲田対策みたいな感じで集中的にやりますね。国公立志望の生徒が多い特進クラスだと、10月以降は東大演習を中心にやります。

呉:それは放課後に講習をやったりということですか?

細井先生: いえ、授業の中ですね。

呉:講習や補習の割合は高校になると増えるのですか?

細井先生: 特に増えるということはないです。基本的には週一回、放課後の講習がそれぞれの科目に設定されているという感じですね。

8. 部活動について

呉:部活動の終わりの時期はいつ頃ですか?

細井先生: だいたい高2の夏休みまでくらいから、秋冬くらいで引退する生徒が多いですかね。高2の冬までに引退する生徒がほとんどです。

呉:結果を残されてる部活は何部ですか?

細井先生: パッと思い出せるのだと、野球部が東京都私立中学校野球大会で優勝したり、吹奏楽部が全日本アンサンブルコンテスト中学の部で2年連続金賞を獲ったり、という感じで結果を出していますね。鉄道研究同好会も全国鉄道模型コンテストで全国2位に該当するような賞を獲っています。

呉:細井先生は今何部をみられていますか?

細井先生: 昨年度までは新聞同好会という、生徒たちが最近立ち上げた部活をみていたんですけど、今年からはソフトテニス部の顧問をやっています。

呉:ソフトテニス部の練習頻度を教えて下さい。

細井先生: 土日の試合なども含めて、週に3・4回というところです。

呉:中学も高校も一緒に練習をするんですか?

細井先生: 基本的にはそうですね。

呉:部活動の大会などで休んだ時の授業の補習とかはありますか?

細井先生: その時にやったプリントを渡したりとかはありますけど、特別に補講を開くとかはやってないですね。

呉:部活動は全部で何種類くらいありますか?

細井先生: 同好会も含めて現在では37種類です。

9. 部活動の種類

呉:体育会系の部活の方が多いですか?

細井先生: そうでもないですね。以前は体育会系が中心だったんですけど、近ごろはわりと文科系の部活も活発になってきました。吹奏楽部、美術部、歴史部、鉄道研究同好会、映画研究同好会とかいろいろありますし、人数もけっこう多いです。

呉:学校として部活動には取り組んでほしいですか?

細井先生: 中1に関して言えば、まず柱には勉強があって、というところではあるんですが、単に勉強だけではなくて、部活動も一生懸命やれるといいなと思います。やはりそこでクラスとは異なる人間関係が出来上がっていったりもしますので。

10. 中高一貫校の中だるみ対策

呉:中高一貫校だと中だるみとかする時期があると思いますが、対策とかありますか?

細井先生: そうですね、認めたくはないですがどうしてもそういうところはあるのかな、と。だから僕自身としては、勉強という面で考えるなら、即物的に点数を取るというよりは、現代文をたまたま教えているということもあって、中3になると高校の内容にも入ってくるので、それまでよりも複雑な思考や発想が求められていくとか、そういう部分で興味をもたせていくとか、意識付けさせていくこととかを考えていますね。ちょうど生徒たちも、反抗期というか、大人が「こうしなさい、ああしなさい」と言うことに対して、「そんなのやってられるかよ」っていう気持ちも芽生えたりしてくる頃じゃないですか。そういう部分と現代思想的な評論が持っているある種の逆説性みたいなものを、うまくつなげて説明してみたりとか、こういうこと言ってる人がいるよという感じで興味付けしたりすることを考えていますね。

11. いじめへの対応

呉:いじめに対してどのような対応をしていますか?

細井先生: 去年からいじめに関するするアンケートをホームルームで定期的に実施しているんですが、実際問題としては、いじめの芽を見逃さないというのが一番大事なことだと思っていて、我々教員もそういう意識で臨んでいます。授業とかホームルームを注意深く見ていると、生徒からすると「いじり」なのか、それとも「いじめ」なのかという線が分かっていないところがあると思うので、そういうのを見つけた場合には、違うんだよ(それはいじりでなくいじめだよ)ということを厳しく言っていくことは大事かなと思っています。

呉:いじめに気づいた時は保護者には報告しますか?

細井先生: そうですね、まず教員同士で情報を共有して、例えば「自分の授業でこういうことがあったよ」みたいなことを積極的に話すようにしています。それでちょっと危ないかなと思ったら、生徒たちに状況を聞いてみたり、その上でご家庭の方に連絡したりしてケアしていくという感じです。

呉:保護者との関わり(保護者会など)の頻度はどれくらいですか?

細井先生: 保護者会は年度の最初に1回、あとは定期試験の後に行うので、合計すると年間5回やっています。

呉:その会ではどういったことをお話しされますか?

細井先生: 学年によっても違いますが、やはり成績連絡が中心になりますね。クラスの雰囲気や今のクラスのいいところ、改善すべきところについて話をしたり。あとは行事報告という感じで、サマースクールや学園祭のスライドショーをやったりもします。学年が上がってくると進路選択、それに関する科目選択といったトピックを取り上げたりします。 

呉:僕は今大学4年生なんですけど、自分が中学生のころはLINE、facebookというのはなかったんです。ただ最近ではSNS関係のいじめが問題になっていると聞いています。やはりそういったのはありますか?

細井先生: そうですね、やっぱりそれについては頭を悩ませているというのが正直なところです。

呉:なかなか表面化してこないので、気づくのが難しいですよね

細井先生: それこそさっきの話じゃないですけど、教室で行なわれていることは、こちらも目に見えるんですが、LINEになってくると完全に彼らの世界で行なわれていることなので、そういう意味では大変なところではありますよね。

呉:学校への携帯の持ち込みは禁止ですか?

細井先生: 持ってくること自体は禁止していないんですね。というのは、一応、緊急時のためのライフラインという形で持ってくることは許可してるんです。ただ、学校に来たら電源を切ってしまっておくこと、という形で指導はしています。

呉:スマートフォンを持っている生徒は多いですか?

細井先生: そうですね、中学生でも持ってる生徒はけっこういますね。

呉:みんなSNSとかもやってるんですか?

細井先生: そうですね、LINEとかネットゲームみたいのはよくやってるなというのは感じます。

12. プール・グラウンドの広さ

呉:プールはスイミングスクールも兼ねてるんですか?そうですね、スイミングスクール(世田谷スイミングスクール)も兼ねています。なので、授業の時はうちの学校が使用して、放課後になると水泳部とスイミングスクールの子両方で使っています。ちなみにプールは温水プールです。

呉:先ほどグラウンドを見させていただいて、結構部活動が盛んなようなんですけど、グラウンドは部活動での利用がメインですか?

細井先生: 校庭は、基本的にサッカー部と野球部が交互に使っています。ただやっぱり広さが広さなので、その辺が郊外にある学校さんと比べると強みではないところで悩ましい部分でもありますね。 

呉:外部施設を利用することはありますか?

細井先生: そういうこともあります。サッカー部や野球部は外のグラウンドを借りて時々練習をやっていますね。行事について

呉:文化祭の特徴を教えてください。

細井先生: 文化祭は本学園では「獅子児祭」と呼んでいます。10月の最後の土日に行われます。クラス、部活単位、高学年になると有志でグループを作って活動するのが特徴ですかね。中学まではクラス単位、高学年になると有志単位になったりする感じです。

呉:どんな出し物が多いですか?

細井先生: 最近だとやっぱりYouTuber的な企画は多いかなという感じですね。彼らもやっぱりデジタル・ネイティヴな世代だから、そういう動画を編集する技術も僕らからしたらすごいんですよ。だから、生徒が作った作品動画を見て「すごいね」って言っても、「こんなの全然簡単ですよ」って言ってきたりして。

呉:来客数はどれくらいですか?

細井先生: うーん、パッと出てこないんですけど、2日合わせて7000人とかそのくらいですかねぇ。

呉:受験生とかが多いんですか?

細井先生: いくつかの層があって、まずは生徒の保護者、親戚の方ですね。次に生徒の友達や受験生の親御さん、それから卒業生という感じです。

呉:体育祭はどんな感じですか?

細井先生: 今までは、体育競技会と称してクラス対抗で競技会をやっていたんですけど、来年度(2017年)からは外部の体育館やグラウンドを借りて体育祭をやろうということになり、今その実施のためのプロジェクトが進行中です。

呉:今までとどんなところが変わるのですか?

細井先生: 競技会は体育館でバスケ、卓球場で卓球という感じで、個々の場所に分かれてそれぞれやっていたのが、来年からは、同じ場所でみんなで一緒にやる(小学校や中学校で一般的に行われている)スタイルに変わるという感じです。

呉:体育祭は1日ですか?

細井先生: そうです。

呉:時期はいつごろですか?

細井先生: 今の予定では5月あたりかな。テストの後なので、5月・6月あたりを企画しているんですけど。

呉:その他、特徴的なイベントはありますか?

細井先生: 本校らしいかなというのが、12月に臘八摂心・成道会という行事があって、いわゆる早朝坐禅を8日間連続でやるんですね。元々は、お釈迦様が菩提樹の下で8日間坐禅をずーっとし続けて悟りを開いたというエピソードがあって、この時期はお寺さんとかでも集中的に坐禅をやっているんです。で、本校でも早朝坐禅をやっているという。

呉:それは全校単位ですか?

細井先生: 強制参加ではなくて任意参加です。それでもけっこう多くの生徒が参加していますね。

呉:楽祭や合唱祭はありますか?

細井先生: それ自体はないんですけど、学園祭の中で中学校2年生は合唱コンクールを開催していて、クラス対抗で課題曲、自由曲を歌うというのをやっています。

13. 課外授業について

呉:課外授業とかはありますか?

細井先生: 中1の時に、自然観察会というのがあって、今は生田緑地とかそっちの方に行ってるのかな。そういう有志の生徒を連れて見学会に行ったりというのがありますね。あとは、中2で永平寺と京都に行きます。本校は曹洞宗が母体なので、永平寺(福井県)と横浜の鶴見にある總持寺と2つ本山があるんですね。6年生では總持寺に泊まる行事があるので、6年間の中で1回ずつ本山に宿泊するということですね。中2では、永平寺に一泊して、その後京都で班ごとに自由行動をします。中3では奈良と広島に行きます。広島に行くのは平和学習というコンセプトですね。細かい行き先は変わったりしますが、基本的な部分で、永平寺、京都、広島というのは変わらないですね。高校は、高1でカナダへの修学旅行を兼ねた語学研修。高3で、今度は總持寺の方に一泊するというのがあって、この前6月20日くらい行ってきたばっかりなんですけど。

14. 特徴的な教育

呉:仏教に関してなんですけど、日常生活とか学校生活で取り入れていることもあるんですか?

細井先生: 直接的にはそこまでないかなという感じですが、食事の際には「五観の偈」という5つの文言を唱える、というのがあります。(毎日唱えるわけではなく、修学旅行などのイベント時の食事前に唱える)

五観の偈

15. 入試に関して

呉:受験科目を教えてください。

細井先生: 受験科目は、国語、算数、理科、社会です。

呉:配点割合はどんな感じですか?

細井先生: 国語100点、算数100点、社会、理科が50点ずつ。

呉:入試の制度は一般入試のみですか?

細井先生: そうですね。

呉:面接はありますか?

細井先生: 面接はありません。もう筆記1本ですね。 

呉:国語の試験問題の特徴を教えてください。

細井先生: やはり、自分たちである程度考えられる力を持ってほしいというのがありますね。一番特徴的な話をすると、中学入試の小説問題の定番として、いわゆる成長物語的なものが出てくることが多いと思うんですよね。だけど、そういう典型というかテンプレートみたいなところからはちょっと外して出したりしているところがあるので、いろんなタイプの物語に触れておいてくれるといいのかなと思います。

呉:対策方法はありますか?

細井先生: そうですね、いろんな文章に触れていてくれるとうれしいかなというのはありますね。

16. 説明会について

呉:中学受験の説明会って実施していますか?

細井先生: しています。

呉:年に何回くらいやってますか?

細井先生: 学校主宰の説明会は全部で16回ですね。それに加えて塾主宰の説明会、さらには外部のそれにも参加させていただく機会があるという感じです。

呉:細井先生が説明会に出席されることはありますか?

細井先生: 今は広報の係ではないのですが、以前広報部に所属している時には出席していました。

呉:説明会ではどんなことをやってましたか?

細井先生: 基本的には、学校の理念について校長が話をして、それから学園生活について広報部から話があって、あとは入試について教頭から話があってという感じです。そのあと、学園の中を見学したりという感じのミニツアーですね。

呉:説明会でよく聞かれる質問とかありますか?

細井先生: やっぱり、入試に関することが多いですね。それこそ対策についてであったりとか、あとは、部活のこととか。例えば「うちの子は野球をやっているんですけど、野球部は週何回くらい活動しているんですか」とか、そういうのが多いですね。

呉:説明会で見てもらいたいのはどんなところですか。

細井先生: そうですね、男子校という環境ではあるんですけど、そこで仏教とか精神性みたいなものを大事にしつつ、人間性プラス学力を高めていけるという環境なので、そこのところを見ていただきたいですね。

17. 求める生徒像

細井先生: やっぱり知的好奇心があって、いろんなことに対して興味を持ったりとか、「これってどういうことなのかな?」っていう風に疑問を持つ子っていうのは、最終的には伸びていくと思うんですよね。逆にいうと、勉強に対するモチベ呉:ションって、自分自身の中に何かがあれば、教員は特別なことをする必要はなくて、その子の手助けをすればいいだけというのがあるので、そういった意味では、いろんなことに興味とか関心を持ってくれてるというのがすごくいいのかなって思いますけど。

18. 併願校はどういった学校が多いですか?

細井先生:浅野中学とか攻玉社あたりが多いかなという感じですね

19. 授業の工夫など

呉:生徒に授業の予習、復習はどんなことをさせていますか?

細井先生: 事前にプリントを配って予習をやってきてもらったり、授業の頭で前回の復習も含めて、プリントを配布したり簡単に板書で図式化したりして確認することはありますね。

呉:先生が授業で意識していること、準備していることはありますか?

細井先生: 内容に関しては、特に評論文を教えるときは、ある程度図式化するということを重視しています。板書にした時に、何と何が対比になっているのかとか、どういう論理構造である部分とある部分が繋がっているのかは分かりやすくしたいなと思ってやっています。あとは特に低学年の子にはそうなんですけど、ある程度全体がついてこられるようにということは考えます。一部の子だけでなくて、全体が話題について来れて、参加してくれてということは考えているんですけど。

呉:理想の授業ってありますか?

細井先生: 永遠にたどり着けないんじゃないかと思います(笑)。例えば、それは時代によっても変わってくると思いますし、それこそ生徒によっても変わってくるので、例えばA組とB組とあったら、内容は結局は同じになってしまうんですけど、原理的に言ったら、その時のクラスの状況であったり、生徒個人個人の状況によってそれは細かく変えなければいけないので、そういうことは意識できたらいいなと思っています。

呉:授業でうまくいったと思う時、反省する時はどんな時ですか

細井先生: やっぱり、こっちが言わんとすることが伝わったという感触が持てた時とか、生徒の理解が水準まで来たなと感じられた時は、よかったなと思います。逆に、具体例の出し方が適切じゃなかったなとか、そういう部分で反省することはしょっちゅうですね。

呉:今は、何年生を教えていますか?

細井先生: 中3、高1、高2、高3ですね。

呉:中高一貫校だと指導する学年には幅があるので、そこに難しさがあると思うのですが、学年ごとに変えていることはありますか?

細井先生: そうですね、中学生のほうはみんなとワイワイやりながらっていう感じだと思うんですけど、そこから高校生になると、もう少し大人の付き合いになっていくというか、あえて手をかけないようにしてみるとか、大人扱いしていくというのはありますよね。

呉:やっぱり中学生はヤンチャですか?

細井先生: 良くも悪くも、ヤンチャなところもありますし、逆に素直なところもあるかなという感じですね。だから乗せると結構盛り上がったりするし。

20. 生徒の特徴

呉:どんな生徒が多いですか?

細井先生: 素直でいい子だけど、ちょっと引っ込み思案というか。

呉:生徒の好きなところは?

細井先生: やっぱり優しいとこですよね。みんなすごく、ご家庭でのしつけがいいんだと思うんですけど、優しい生徒が多いなと思います。

呉:生徒の嫌いなところは?

細井先生: ちょっと依存心が強いかなという瞬間がありますよね。本校だけなのか、全体的にそうなのか分からないですけど、良くも悪くも自分でやるという自立心が公立の学校にいると育っていくんですけど、そこの部分がちょっと薄いなぁという感じはします。そこはもうちょっと自分からいろいろやった方がいいのかなと思うこともあります。

21. やりがい、大変なとき

呉:やりがい、大変なときを教えてください。

細井先生: 生徒が何かしら、分かったとかそういう気持ちになってくれた時には嬉しい気持ちになりますね。それが一番嬉しいです。あとは、高3を持っていることが最近は多いので、受験が全てってわけではないんですけど、やっぱり今まで指導してきた生徒が志望校に合格して、「受かりました」っていう連絡をもらった時は嬉しいですね。反対に、自分の気持ちがうまく伝わらないというか、それは生徒の発達する時期だったりとか、あとはその時の彼らの気持ちとかもあると思うんですけど、こういう風にしたい、こういう風にしてほしいというこちらの思いが伝わらない瞬間は、もどかしく感じたりはしますね。ただ、経験則として学んできたことではあるんですけど、例えば中3の時に本当にやる気がなくて、いくら言っても宿題を出してこないとか、そういう子がいたとしても、高2とか高3くらいになれば、そこそこ変わってくれるんですよね。そういった意味では「時がいろいろなものを解決してくれる」のかなって、気楽に思うようにしています(笑)だから、僕自身が生徒の変化を直接的に見ることはできないかもしれないけど、多分ある程度の年齢になればいい方向に変わっていくんだろうなと、わりと楽観的に、一時期からは考えられるようになりました。

22. 教師としての目標

細井先生: 僕自身は、現代文という科目を通じて、考え方の部分を教えたいというか。現代思想とかそういうものが何のためにあるのかといったら、やっぱり世の中を見ていくときに、こういう考え方があるんだっていうことを伝えたかったりもするし、それは生きていく上で公平に物事を見るとか、そういうこととも繋がってくると思うんですよね。逆に知識が足りなかったりすると、言い方は悪いですけど、ヘイトスピーチとかに代表されるような差別的な物言いとかに平気で荷担してしまったりとか、それに近い考えを自覚せずに持ってしまったりもするので。そういうことを僕はしてほしくないから、そのような倫理観だったり、世の中を見る物差しだったりを身につけてもらいたいというのはありますし、その重要性を伝えたいです。

23. 好きな本・影響を受けた本

呉:好きな本/影響を受けた本を教えてください。

細井先生: 村上春樹はすごく好きで、彼の本には大きな影響を受けたと思います。物の見方みたいなものに結構影響を受けてるんじゃないかなって気はします。

24. 先生になった理由

細井先生: 高校の時の現代文の先生の授業が面白いと思って、今話したような、現代思想とかをベ-スにして授業をやられる人だったんですけど、その先生と個人的にもとても親しくなったりして「こういう本読んだらいいよ」とか教えてくれるようになったりして。これはたまたまなんですけど、その先生が東京学芸大学の出身で、僕も学芸大に受かって進学することになって、その先生が「だったら僕が卒業したゼミに行ったらいいんじゃない」って言ってもらって、そのゼミに入ったことが、キッカケになっていったのかなあと思います。

呉:大学入学時点で教員を目指していたってことですか?

細井先生: いえ、その頃は出版社に入って編集者とかになりたかったんですけど。ぼんやりとですが、文章を書く仕事には関わりたいなと思っていました。

呉:教員になろうと思ったのはいつですか?

細井先生: ベタですが、教育実習をやって教員も面白いかもしれないって思ったんですよね。(笑)自分が大学でやっていることを、授業の中で噛み砕いて落とし込んでいくこともできるんだってことを実感したので。

呉:大学のゼミでは何を研究されていたのですか?

細井先生: 専攻していたのは日本近代文学です。「堕落論」とかを書いている坂口安吾という作家がいるんですけど、その人の作品をテ呉:マにして卒論を書きました。当時、柄谷行人とかにハマっていたので、その影響がけっこう反映されていますね。

25. 入校直後と変わったこと

細井先生: やっぱりいろんなことが変わっていってる気はしますね。さっきのLINEの話とかもそうですけど、時代の変化が大きくなっているなと思っていて。この仕事を始めて20年近く経ってますからね。だから、生徒の感じもちょっとずつ変わってきてますし、保護者の方のニーズみたいなものも変わってきているなあっていうことは思いますし、そこに対応していかないと、と感じています。

26. 先生方の特徴はありますか?

細井先生: いろんなタイプの人がいるので、一口で言うのは難しいですね。ただ、やっぱり生徒のことが好きなんだなという先生が多いと思います。

27. 学校に対しての不満な点はありますか?

細井先生: 満足している点は、男子校だったり、優しい生徒が多かったりという点で、落ち着いて授業や生徒指導ができるというのは、いいところなのかなと思います。

呉:共学と男子校ではやはり違いますか?

細井先生: 共学の学校で働いたことはないですが、男子校というのは働く環境としてはやりやすいと思ってますね。ちょっと言い方は悪いですけど、余計なことを考えなくて済むというのがあります。ただその分、生徒もそうなんですけど、異性の目を気にしないから、精神的な成長が遅いんじゃないかっていうことは感じますね。

特に中学生くらいだと。そのくらいの年齢って、異性の目を気にして少し背伸びしたり、カッコつけたりするんだけど、そういうのがないから子供っぽいままでいっちゃうみたいな(笑)でもなんだかんだ言って、中学3年くらいになると「男子校イヤだ」とか「女子が欲しい」とかみんな言うんですけど、結果的には卒業生とかと話してると「男子校でよかった」って言ってますけどね。

あえて不満な点といえば、私立なので異動がないんですよね。だから学校の中にいろいろな視点が共存しにくいというか、画一的になってしまう面もあるのかなと思います。もう少し多様な視点を持ったり、外に目を向けていったりしなくちゃいけないのかなと感じるところではあるんですけどね。

28. 先生の1日のスケジュール

細井先生: 学校に来るのが7時半過ぎくらいで、朝の準備をして、8時半にホームルームに行きますよね。そのあとは、昼までは授業や教材研究ですね。あとは事務的なこと、提出物のチェックや出張費の請求書書きなど、細かい仕事もしていますね。これが意外と時間的には長いです。

呉:出張は多いんですか?

細井先生: 部活の引率や、研究会に行ったりといった感じです。その後、昼休みを挟んで3時で授業が終わるまでは午前中と同じです。放課後になると、部活の様子を見に行ったり、その日の小テストの採点をしたりといった感じですかね。仕事が終わるのが6時半とか7時くらいですね。土曜日は12時30分で授業が終わりになります。

29. 受験生へ向けてのメッセージ

細井先生: 中学、高校の6年間って人生の中ですごく大事な時期だと思うんです。やはり自分のことを振り返っても、ある種自分の核になる部分はそこで形成されたんじゃないかなって思うところがあるので、そういった意味でその6年間を楽しめるような学校選びをしてほしいです。

学校生活を楽しくするのも、つまらなくしちゃうのも、自分自身にかかってると思うんですね。もちろん環境の影響力もそれなりにあるとは思いますが。最終的には自分自身の捉え方だと思うので、別に勉強だけじゃなくて構わないので、ぜひいろんなことに対して好奇心のアンテナを張っていてほしいなって思います。

30. <Think&Shareについて>

Think&Shareというのは、うちの学校の題目的に言うならば、「天上天下唯我独尊」というお釈迦様の言葉を英訳したという形になっているんですけど。「天上天下唯我独尊」というのは、世間一般で言われるような、いわゆるネガティブな意味合いではなくて、お釈迦様が自分自身も悟れたんだから、それは他の人間にもできる可能性があるんだと、そういう感じで捉えていて。悟りとまではいかないまでも今言った個の自立ですよね、いろんなことを自分で考えられる人間になるっていうことがまず一つと、それを今度は分かち合っていける、そういう意味合いですね。それこそ日本だけにとどまらないで、世界の中でいろんな人たちとそういった部分を分け合っていく、Shareしていける人間になってほしいという願いが込められています。

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呉俊辰
慶應大学理工学部4年生(教育図鑑大学生インターン)
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