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中川結絵
卒業生

取材日:11月26日
インタビュイー:理科 入英樹先生 

インタビュアー:横浜市立大学国際総合科学部理学系物質科学コース2年中川結絵

1. 先生になった一番の動機


二人ともいい笑顔です。


中川:入先生が、どうして学校の先生になったかっていうか、一番の動機って何ですか。
入先生:はい、やはり社会に出ようと思った時に、世の中の仕組みを知る必要があるというふうに思ってました。で、そのときに高校で、物理を勉強したときに、やはり世の中の仕組みをいろいろ説明するうえで、物理現象というのが大きく関わっている。こういうことを知れたら、社会に出た時に、活躍できるかなというふうに思いまして、物理の先生になろうと思いました・・・というのが、表向きの答えで。
中川:えええ?(笑)
入先生:実際は、小学校からずっとバスケットボールをやっていまして、将来もずっとバスケットに携わりたいと思いました。で、当時はプロリーグもなかったので、じゃあ、どうすればずっとバスケットボールに携わることができるかなと考えたときに、「あ、学校の先生でクラブを見れば」ということで。
一同:(笑)
入先生:ずっとバスケットに携わることができるかなと思いました。それで、数学や理科は割と得意だったので、じゃあちょうど理科か数学の先生になるのが、一番いいかなというのが本心です。
中川:へえー。先生、背はどのくらい?
入先生:あ、背はちょうど180センチ。
中川:え?ふふふ。
入先生:1、2ミリ盛ってんだけどね。(笑)
入先生:まあ登録上は180センチ。
中川:誤差の範囲。
入先生:はい。
中川:じゃあ大学までずっとやられてたんですか?
入先生:えっとそうですね。
中川:へえー。(笑)
中川:すごく意外って言えば今の先生の動機を聞いて、「あ、そうだったの」っていう。
入先生:言ったことなかったっけ?
中川:ないです。いや、人の噂とかで聞くことがあっても、先生の口から聞くのは初めてで。子どもたちに物理を教えたいとか、なんか人にものを教えたいっていう気持ちで、先生になったわけではなかった?
入先生:まあ自分が、いろんな物理現象に感動はしてたんだけども、この感動をいろんな子ども達に伝えたいというのは当時の自分には正直ないですね。だけれども、まあ、さっきの理由も含めて、いろいろやってくうちに、確かにこういう感動をいろんな人に伝えられたらいいなというのが後から湧いてきたというのが事実ですね。
中川:へえー。でも確かに。先生の授業聞いてる時に、「先生この公式で感動したんだな」みたいな。
入先生:たまに出るよね。
中川:たまに出ますね。この公式すごくない?って。ま、確かにすごいなって思って。それで結局私もすごいなって思って、今、理系で物理学んでるんだなって思うと、うん。先生の教えが私の中に入ってるんだなってほんと。
入先生:いやいやいやいや。
中川:不思議な感じがしました、今。
入先生:でも最初その物理を学んだときに、「あ、これを子ども達に教えたい」なんて思って勉強しないもんね。
中川:しないですね。
入先生:たぶん同じ感覚だと思う。
中川:たぶん、したとたんに物理が楽しい。
入先生:そうそうそうそう。そういう感じですね。

2. これまでに習った尊敬できる先生

中川:これまでに習った、尊敬できる先生って具体的に教えてもらえますか。
入先生:はい。中学校の時の英語の先生なんですけども。
中川:はい。
入先生:今まで、私が関わってきた先生は、この先生は「この運動が得意」とか、「この先生は数学が得意」とか。
中川:うん。
入先生:その、特定のものは得意なんだという先生ばかりに出会っていたんだけども、その先生は英語の授業が非常に楽しくって、しかもいろいろ本質も教えてくれるので、まあ自分の中で英語は伸びたような印象はあると思う。ただそれだけじゃなくって、バスケット部の顧問の先生だったんですけど、バスケットに対する気持ちも、ものすごい持ってらして、いろいろ手をかけてくれて。だからこう、一つのことじゃなくって、いろんなことを、割と上のレベルでやれる人が、世の中にいるんだなというふうに思って、その先生は今でも尊敬してますね。
中川:ふーん。え、じゃあ、その先生にちょっとあこがれもあります?今自分がその先生になりたいっていうか。
入先生:えーとそうですね、よく考えてみると、頭の片隅にはその先生はあるのかもしれないっていう感じですね。はい。確かに教科がちょっと違うので、なんとも言えないところですけど。
中川:先生、英語の本質って何ですか?
入先生:私、今まで英語に対して、なにか単語を覚えたりとか、文を覚えたりっていう、そんなような印象を科目で持ってたんですけれども、じゃあ「なんでこういう単語が生まれてきてるんだ」とか、その、ニュアンスとしてはこの場所ではこういうふうに使われるんだけども、実は違う国だとこういうニュアンスだとか、その、あまり授業では教えてくれないような、教科書にないようなことをいろいろ言ってくださったんですね。だから、やっぱり教科書だけ見ると、我々の中ではもうそれが全部正しいというような状況で頭に、ある種、指導要領から入れられるっていうような印象があるんですけど、それから抜け出したようなことをいろいろ教えてくれてたというのが。そのあたりは私は本質かなと思っていて、今でも印象に残ってますね。
中川:言語って文化ですもんね。
入先生:そうですよね。はい。そういうその、世界とのつながりの部分も含めて、非常に良かったなというふうに思っています。
中川:ありがとうございます。なんか、今の話聞いてて、そういえば、入先生って割と、なんか中3の授業なのに高校でも教えそうな内容とかもちょいちょい挟んできますよね。そういうのって、じゃあそういうとこから来てるんですかね。
入先生:そうですね。結局、中3だからじゃあここまででいいやっていうのも、あんまりどうかなっていう。だからこの先にはこういうことがあるんだよってちょっと小出しにしとくと、2年後聞いたときに、
中川:ああ、あれ。
入先生:ああ、あれかなっていうのも一つ大事かなって。
中川:そうですね、なんか、伏線張られて、あとからちゃんと回収できたなって。
入先生:そうそうそう、はい。
中川:いつも思います。

3. 教師になった直後と現在とで先生ご自身で大きく変わったこと 


中川:教師になった直後と今とで先生自身で大きく変わったことってありますか?
入先生:細かくなったと思います。
一同:(笑)
中川:え?え?え?とか言っちゃった。え?とか言っちゃいけないか。
入先生:まあそうでもないか。
中川:や、分かんないです。いや、昔の先生を知らないから。なんとも言えないですけど。
入先生:昔は割とズボラで、割とテキトーで、今でもテキトーなところはあるんですけど、掃除なんかもテキトーで、家なんかも非常に汚かったんですけど
一同:(笑)
入先生:やっぱりいろんなことをきっちりやらないと、生徒からの信頼も失うと思いますし。例えば、生徒に提出物を出しなさいなんて言っても、こっちから何かこう返却するものが遅れてたりだとか、要するに先生がやってないじゃないのっていうのが信頼関係をなくす一番の要因になると思うので。やることはきっちり、ほんとにきっちりやるというようになったと自分でも思ってます。掃除なんかも、やっぱり教室がいろいろ汚いと、クラス運営の上ではあまりいい方向にはいかないなっていうふうに私は思っているので、教室も、掃除も、割と言ってたつもりではあるので。え?そうでもないかな。
中川:や、いや。いやとか言っちゃって。いや。普通だったんじゃないですか。
入先生:別に手抜いてるわけでもないしね。うん。
中川:全然手抜いてはいないですね。ちゃんと、先生も一緒に掃除してるじゃないですか。
入先生:あっ、そうでしたね。
中川:個人的にそういうとこ生徒は見てて、あの先生「掃除だよー」って言って、でも「先生はどこ行っちゃったの」って感じじゃなくて、先生も一緒にやってるから私達と同じだなと思うと自分も掃除する。っていうか、しなきゃなって思います。
入先生:だからこう、いろんなことをきちっとやろうというふうに、ちょっと変わったような気はします。
一同:(笑)
中川:そんなに先生、ふふ、ズボラだったんですか。
入先生:ズボラ、ズボラ、ズボラですよ。
中川:なんか、想像できない。
入先生:テキトーで。
中川:えー。なんか意外だなあ。

4. 好きな本・影響を受けた本

中川:好きな本とか、影響を受けた本ってありますか。
入先生:好きな本は、赤本です。
一同:(笑)
中川:だめだ。だめだとか言っちゃった。
入先生:影響を受けた本は、青本です。
中川:青本ってなんですか?
入先生:青本は駿大さんなんかの予備校でも出してるんだけども、
中川:出版社が違うってことですか。
入先生:過去問が載ってるのが赤本だと思うんだけど、青本っていうのは、模試の問題が載ってたりちょっと対策の問題になってるっていうのが。
中川:えっ(笑)。ちょっと待ってください。
入先生:影響を受けた本。これ結構真面目な、真面目な・・・
中川:真面目な話なんですか?じゃあ笑っちゃいけないんだ。ちょっと待ってください。
入先生:やっぱり大学の入試問題っていうのは、その裏には、作っている大学の先生達が、
中川:はい。
入先生:いる訳で、ある程度そういう問題が解けるようになってくると、その先生達がどういう思いで、どういう出題でっていう、よく出題の意図を考えろっていうことよく言ってたような気もするんだけども。
中川:あー。
入先生:そういうところが分かってくると、非常に物理においても楽しくなってくるし、本質が分かってくるので、今でもほんとに、影響を受けた本って言ったら赤本と青本でいいと思います。
中川:ええ?
入先生:駄目かな?
一同:(笑)
中川:ええ?想像してた答えと違かった。例えば、太宰治読んでーとか。
入先生:あー。
中川:そういうのが来るかと思ったら赤本・青本って言われて。がっくし、ていうか。いや、がっくしっていうのもちょっと違うな。いつごろ好きになったんですか。それは。
入先生:やっぱり高校のころですね。
中川:先生が高校生のときに、
入先生:はい。
中川:大学受験の勉強で赤本?青本解いてるときに。
入先生:はい。
中川:好きになった。
入先生:なりましたね。
中川:へー、面白い。私は全然、赤本解いていてもなにも嬉しくなかったですけど。
入先生:まあ、じゃあまだまだだね。
中川:まだまだ甘いんですか。
入先生:まだまだだね。
中川:まだ赤本を楽しめてない。
入先生:楽しめてない。
中川:あ、でも、入試問題解くのは好きでした。
入先生:あっそれはね、非常にいいことだよね。


「赤本」教学社
「青本シリーズ」駿台文庫
中川:だからたぶん先生が補習?補習って言って、お金を払うんですけれども、授業とはプラスアルファで、やる授業がありますよね?
入先生:受験補習?
中川:受験補習っていうのがあって、点数が悪いから受けるとかいう補習ではなく、ちょっと予備校的な授業を先生がやってくれるのがあるんですけど、そのときに先生がやってくれてた問題って、結局先生が面白いと思ってチョイスしてきた問題なんですよね。
入先生:そうですね。
中川:だからそれは、確かに解くのが楽しかったです。グラフとか描いて、今でも印象的に残ってる問題があの東大の問題で。
入先生:あー、今思い出した。あれね。
中川:あの問題がすごい私、印象に残ってて、中3とか高1、高2のときの単振動とか、バネやったときに、「いやー、この問題は面白いんだよ」ってずっと先生が東大の問題面白いって言ってて。
入先生:中3で?
中川:中3とかなんかのときにたぶん。
入先生:まあ言ったのかもしれない。
中川:先生言ってて、なんなんだろうこの問題は、と思ってたら実際その受験補習でその問題が出てきて、あ、これかと。で、確かに楽しかった。
入先生:あれは名作だよね。
中川:名作でしたね。
一同:(笑)
中川:もう、楽しい。楽しかった。
入先生:あれね、はい。あれはいい。名作ですよ。
中川:いい問題ありますよね。
入先生:あれ以来、”バネ”で名作には出会ってないですね。
一同:(笑)
編集部:大変難しい質問になるんですけど、この問題のおもしろさを小学生にも分かるように伝えていただくことは可能ですか。
一同:(笑)
中川:え、難しいね。なんだろう。最後この問題って確かグラフを描く問題があるんですよ。
入先生:軌跡をね。
中川:軌跡を描くんですよね、その横軸、時間で、物体の位置で描くんですけど、それがすごく個人的に、きれいだなあって。
入先生:簡単に言うと、バネがあって、物体が二つあるんですね。最初衝突させたかな。で、二つの物体がバネを一緒に縮めると。それがこうまた上がってバネが伸びていくと、上の物体だけは、連結から離れるわけですね。で、別々の運動を始める。で・・・


こちらから問題全文を見ることができます。→2009年度東京大学前期[1]
【動画】「入先生、2009年度東京大学前期[1]の面白さを語る。」



入先生:あとは「スラムダンク勝利学」。知ってる?
中川:え?
入先生:うん、これは名作です。これもね。
中川:『スラムダンク勝利学』って、それはスラムダンクの単行本とは違うんですか?
入先生:スラムダンクを分析した本っていうのかな。
一同:(笑)
入先生:物理まったく関係ないよ。
中川:ああ。
入先生:関係ないんですけど。
一同:(笑)
入先生:こう考え方が非常に共感できるし。
中川:それはバスケのことが書いてある?
入先生:まあ、プレーのことというよりも、この言葉にはこういう意味があって、これ世の中でこれだけ大事なんだとか、そういったような。
中川:へえー。
入先生:分析の本があって、ぜひ貸してあげます。
一同:(笑)
入先生:メッセージ性もあるし、教科とは関係ないですけども割と好きです。
中川:分かりました。ちょっと面白い。
『スラムダンクの勝利学』辻 秀一著

5. 大学に行くとどんな良いことがあるか

中川:じゃ、大学に行くとどんないいことがあるかって、生徒から質問されたら、先生はどう答えますか。
入先生:やっぱり二つの面があると思うんだけども、
中川:二つ?
入先生:はい。まず一つは、やっぱりいろんな人と出会えるというところだと思います。中高は当然、本校での活動になるし、他校とのつながりもあると思うんですけれども、それが一つの大学、またその大学を出て、ということを考えると、非常に多くの人と関わることができると思いますよね。
中川:確かに。
入先生:はい。そういうふうに、いろんな人と出会える場としては、非常に大学はいい場所だというふうに思ってます。
中川:うん。
入先生:あとは、やっぱり教科の面からですけども、高校でもいろいろわからなかったような世の中の現象というのが、もっともっと深いところで楽しめる、自分の好きなものをもっともっと、追求できるということを考えた時に、大学というのはいい場だと思いますね。当然なにかを研究しようと思ったときにも、一人ではできないものもあるので。あとお金の部分もあったり。そうすると、非常に大学というのはいい場所かなと。この二つの面が一番大きいかなというふうに思ってますね。
中川:でも今の先生の話聞いた感じだと、たとえば、割ともう自分は物理学びたいって、そういう意志があった子に関しては、たしかに大学って、自分よりも物理詳しい人もいるし、研究設備も整ってて、もっと深い、ほんとの物理の真理に近づける、良い場所かなって思うんですけど。でも例えばあんまり将来の夢決まってない子たちってじゃあ大学ってなんのために行くのって言われたら、私もわからないんですよ。先生どう思います?
入先生:確かによく面談でそういう話にもなることはあるんですよね、やっぱりそういうときにそれを見つけるために行くっていう、考え方が一番かな。社会に出る前に、自分はこれをやってきたんだとか、これに対しては他人に負けないとか、そういうものを持ってるっていうのは大事だと思うし、それを持とうという姿勢は社会に出てからも大事だとは思うので、
中川:うん。
入先生:そういう何かというものを、高校で見つからなければ大学で探せばいいし、当然高校よりも、いろんなところに視野は向けられるはずなので、いろんな人との出会いもあるわけなので、そういったものを見つけるために大学に行くのは一つかなと思いますね。就職してしまうとなかなか、それを見つけるっていうのも、逆に狭くなることもあったりするので。
中川:ふーん。じゃあ、あんまりまだ、高校生のときには、なんか進路決まってないし、やりたいこと分からない、自分が将来何になりたいかも良く分からないみたいな子も、一応大学に行って、まず自分の得意なこと、好きなこと、なにか集中できることを探そうというその姿勢自体が大事だと。
入先生:大事ですね。
中川:そっか。大学に行くとどんないいことがあるか、今私でも大学に行って、いいことは確かにあったって言えばあるんですよ。部活に入って、今、田園調布のときの部活、オーケストラ管弦楽部じゃできなかったような、大きい曲ができるし、まわりも上手い人がいっぱいいるから、レベルの高い音楽ができてるっていうのは実感するんですよ。で、たしかに理系も、高校じゃ範囲外で教えてもらえなかったこととかも教わって。あ、こうなってたんだなとか。とくに物理とか、今まで、微分とか積分を使って解いたことがなかったので、大学に入ってからそれ使うと、あ、もっと一般的なこと表せるんだとか、個人的にいっぱい感動することはあったんですけれど、
入先生:うんうん。
中川:でも結局自分のやりたいことってまだ全然よくわからないっていうか決まってなくて、どうしたらいいのかなあって、模索してる途中なんですけど、模索する姿勢が大事なんですよね。きっと。
入先生:いろんなことに目を向けてね。
中川:はい。じゃあがんばります。
入先生:がんばってください。
中川:がんばります。
一同:(笑)
中川:あー、どうしよう。でも大学、ちょっとイメージ違かったんですよね。
入先生:あ、そう?
中川:高校のときに思い描いてた、大学生活とちょっと今違うかもしれない。たぶん私が相当ドラマとかの見すぎで、キラキラしたのを想像してたのが原因なのかもしれないんですけど。
入先生:大丈夫、今もキラキラしてるよ。
中川:キラキラしてます?輝いてます?
入先生:輝いてる輝いてる。
中川:あー輝いてる?よかったよかった。

6. 中高一貫校にあって一般の中学校にないもの

中川:中高一貫、私立、いわゆる中学受験で受けるような学校、私立の中高一貫校にあって、公立とかの、普通の受験しなかった小学生が行く地元の中学にないものって何がありますか。
入先生:やっぱり中高一貫は6年間あるので、勉強させるカリキュラムは自由に組めると。要するに、高校受験がないので、そこをある程度目指さなくてもいいというか、その6年という長いスパンのなかで、カリキュラムを組めるというのが一番かと思います。それぞれ具体的にどういうことかといいますと、例えば、高校3年生だったかなあ、土曜プログラムなんかでも、わりと実験をするんですけど、その実験のやり方なんて一切言わないで、物理室にあるもの何使ってもいいから、この値を出しなさいっていうような。
一同:(笑)
入先生:割とこう不躾な、実験なんかやったりもするんですけど。
中川:懐かしい。やりました。
入先生:それがもし、受験というのがすぐあって、時間にとらわれてるようなカリキュラムだとすると、もう、実験方法はこうだと、この通りやってくれと。で、そのやり方覚えてくれと。で、結果はこういうふうに出るから、っていうある程度のアプローチがあると思うんですよね。でもそういう部分っていうのが、割と時間的な、自分で考えることは非常に大事だと思うんで、そういったことに時間が使えるのも非常に大きなメリットかなとも思いますし。
中川:懐かしい。
編集部:実験は何年生の時にやられるんですか?
入先生:今のは高校3年生なんですけども、中学生でもそういったようなこともやりますし、例えば中学生だと、よく自由研究をiPad を使って、「ロイロノート」というところで、発表させたりなんかしてるんですね。自分で「ロイロノート」というソフトを使って、自分で実験をした結果を写真で撮り、動画で撮り、ある種プレゼンをするようなかたちで、自分はこういう研究をしたんだ、というようなものもやったりするんですよね。そういうような、表現力っていうのは付くと思うんですけど、そういった時間というのも、高校受験があると、そんなこといいから、例えば予備校みたいにやってくれとか、そういう話になりそうなところですね。そういうことができるというところも非常に大きいとこだと思いますね。
中川:確かに、実験多かったですよね。
入先生:そうね。
中川:まあまあ多いし。
入先生:特に中学校多いよね。
中川:たぶん公立の中学だったら、部活をやってても、高校受験でとりあえず部活辞めて、もう受験勉強専念しなきゃいけないときに、私達はそういうことを気にせずに、部活も今まで通り続けられるし、勉強も、別に受験勉強とかじゃなくて、もっと時間のゆとりのある勉強をできる。それが実験の回数が増えたりとか、内容が濃くなったりしたっていうのは、たしかにそこが中高一貫の強みっていうか、一番のメリットなのかなって私も思います。
入先生:あとはね、さっきもちょっと出てたけど、やっぱりずっと6年間みれるので、中3のときにちょっと”伏線”をはらしておいて、それが高校3年生で分かったりするとかっていう。
一同:(笑)
入先生:そういったものもね、中3で卒業しちゃうとそれでお別れになってしまうんですけど、そういった少し深いところまで授業でも扱えるっていうのも大きなメリットだと思いますね。
編集部:こちらの学校はそうするとずっと持ちあがりみたいなかたちで、6年間いけるんですか?
入先生:必ずしもそういうわけではなくてですね、特に、担任の先生は6年間持たれる先生もいれば、そうじゃない先生もいらっしゃいます。ただ私個人の場合は、一応理科で、専門が物理ってことになると、物理の先生自体がそんなに人数多くはないので、だいたい高校では担当することになるので、学年に入って担当すれば、当然高2、高3ではまたお会いすることになる。
一同:(笑)
入先生:そういうかたちになりますね。
中川:ずっと、物理は入先生にしか教わったことないですよね。
入先生:えっとそうね。
中川:中2で始まった理科Ⅰで先生が担当になって、中3の物理基礎で先生に会って、高1は化学と、
入先生:生物。
中川:生物やるので物理と一回おさらばしちゃうんですけど、高2高3でまたずっと入先生、入先生、ってずっと”入尽くし”でしたね。
入先生:そうね。
一同:(笑)
入先生:大丈夫?顔引きつってない?
中川:いや大丈夫ですよ。ははは。ははとか言っちゃった。大丈夫です。じゃあ逆に、先生からみたメリットってあります?やっぱり6年間ずっと一緒なわけじゃないですか。授業の担当しやすいわけだから、先生から見て、ずっと6年間同じ生徒を継続してみられるとかってメリットってあります?
入先生:そうですね、いろんな生徒もいるので、ほんとに高校2年生でガラっと雰囲気が変わったりとか、何かに目を向け始めるような子もいたりするよね。そうすると、やっぱり3年間より、6年間というスパンで見れたほうが、その子の歴史もわかっているし、そういう面では、非常に6年間はありがたいなっていうとこありますね。
中川:先生からも、やっぱり6年間長いスパンで見てた方がその子の変化にも気づきやすいし、その変化がいいのか悪いのかとかも含めて、見やすいかなと。
入先生:そうですね。
中川:指導しやすいかなという感じですかね。はあ。分かりました。

7. 貴校にあって他の私立にないもの 

中川:私の学校、田園調布学園にあって、他の私立、中高一貫とか、公立の学校にないもの。田園調布にあって、ほかにはない特色とか、いいところとか、ありますか。
入先生:やっぱり、素晴らしい教師陣ですね。
中川:ん?ん?とか言っちゃった。はは。
入先生:”かっこ笑い。”
中川:”かっこ笑い”なんですか。
入先生:ま、そこは置いといて、ほんとならカリキュラムとかそういうとこ言わなきゃいけないとは思うんですけれども、やっぱり一番は生徒かなというふうに思いますね。
中川:ふーん。
入先生:はい。たとえばクラブの試合なんか行ったときも、非常にあいさつなんかもしっかりできるし、うちの生徒たち、困っている人がいれば手を差し伸べたりとか、中でしか見れない部分が、外に行った時に、「ああ、この子たちすごいんだな」っていうふうに思うこともあります。やっぱり授業なんか見てましても、寝てる子ってほとんどいなくって、こつこつまじめに努力をして授業中に理解しようっていうふうに思ってる子たちも多いですし、例えば小学6年生が、学校説明会か何かで来るときにも、在校生に、「ちょっと手伝ってください」っていうような呼びかけがあったときにも、一緒に快く手伝ってくれる子が多いんですね。そうすると、勉強だけじゃなくって、そういった部分も含めて、他の学校にない、いい部分っていうのは生徒たちなのかなっていうふうに。これはほんとに真面目に思ってます。
中川:なるほど。へえー。そうなんです?
入先生:そう、君みたいなね、卒業生も入ってますよ。
中川:ほんと?やったー。
入先生:こういうねえ、企画があったときにも、快く引き受けてね、お忙しい中。
中川:いえいえ。
入先生:また学校に戻っていろいろやってくれるっていうのは、我々も非常にうれしいですし、「ああ、こういうふうに育ってくれてたんだな」って思うと、非常に嬉しいですね。
中川:ふふふ、なんかちょっと泣きそう。
入先生:早い早い、早いよ。早いよ。
一同:(笑)
中川:やばい、ほんとに涙でてきた。
入先生:うん、ふふ。
中川:いや、なんかめっちゃうれしい。そう言われると。
中川:やばい、ほんとに涙がでてきた、なんでだろう。
一同:(笑)
中川:やばい、なんで涙出てくんだろう。
入先生:うん。うっそお?お前、まじめに?お前ちょ・・・
一同:(笑)
編集部:こうやって結構泣くんですか?
一同:(笑)
入先生:えー、割とクラブ引退するときだとか、卒業式だとか。
中川:ああ、卒業式はだめだよ。あれは。
入先生:そういう節目節目ではよくこういう姿はみますね、はい。
中川:あー、私先生に怒られて泣いたこと何回かありますよね。
入先生:あるね。
一同:(笑)
入先生:ただ卒業生が泣いたのは初めてです。
一同:(笑)
編集部:泣いたときにはどうやって対応されてるんですか。
一同:(笑)
入先生:えーと、まずは見守る?
一同:(笑)
入先生:まずは見守る。
細野先生:入っていくとめんどくさい。
一同:(笑)
中川:こら、こらって感じ。人の涙をめんどくさい扱いしないでくださいよ。
細野先生:空気があるよね。
入先生:空気がある。まずは見守る。
一同:(笑)
中川:少し落ち着きました。いやー、いい学校ですね。なんか。
一同:(笑)
中川:卒業してから泣くなんて思わなかった、学校で。

8. 勉強以外で一生懸命取り組んでほしいこと

中川:中学に、合格した子どもに、勉強以外で一生懸命取り組んでほしいことって何がありますか?
入先生:難しいな。一生懸命取り組んでほしいのは、何かというのは特にないですけども、何でもいいので、それが勉強でもいいですし、たとえばクラブ活動でもいいですし、何か自分は、これを中学時代頑張ってたんだということが語れる何かというのは、持ってほしいなと思うので、何か一つでもいいので、他人に負けないような、自分で頑張ったというものを、持ってほしいとは思います。
中川:ほう。
入先生:別に何でもいいですよ。
中川:何でもいいんですか?
入先生:毎回、英語の小テスト満点をとったとかでもいいし。
中川:うわ、意外とそれきついですよ。
入先生:きついよね。だからまあ、何でもいいと思う。理科の実験の時は、毎回実験室に一番に来るとか。
一同:(笑)
中川:誰もやってないっていう、誰にも負けない何かが身についてたらいいかなって思います。
入先生:でね、そうすると全部が一番になんなきゃいけないんだって感じにもなりかねないので、まあ一番にならなくてもね、自分がこれに関して、がんばってきましたっていうのがね、語れる自分があればいいかと思います。
中川:えー。私何かあります?
一同:(笑)
入先生:君はもう、そのキャラクターだよ。
一同:(笑)
中川:キャラクターで?OKですか?
入先生:キャラクターは誰にも負けない。
中川:あー、負けてない。
入先生:キャラクターの中にはいろいろあるからね。
中川:ああ。
入先生:いろいろ話ができるとか、明るいとか、それひっくるめてキャラクターなので。
中川:キャラクターですか。
入先生:君は誰にも負けないと思いますよそこは。
一同:(笑)
中川:褒め言葉として、受け取っておきます。
入先生:褒め言葉としてね。
一同:(笑)

9. 生徒からの相談で印象的な内容 


中川:生徒からの相談で、印象的な内容があったらぜひそのエピソードを教えてください。
入先生:「どうすれば物理ってできるようになりますか」っていうのが今でもよく聞かれるんですけども、
中川:え、何人もの生徒にってことですか。
入先生:1年間でも持てば、最低でも2~3人には言われたりすることもありますけども、
中川:ええ、そんなに言われるんだ。
入先生:正直これに対する答えは、ぱっと出ればみんな大得意になるので、そんなものはないというふうに思っています。だから、この質問はいつも困ります。だけれども何も答えないっていうのも、ちょっと責任逃れになってしまうので、一般的には授業の大切さや問題集の紹介、時には個人的に添削指導なんかはします。その生徒その生徒で分析はして、ああ、こういうところができてないなとか、逆にいうと割と小テストなんかができてなければ、まずそういう取り組みからやってみたら、何かが見えてくるかもしれないね、とか、そういった話はしようと思いますけど、何をすれば物理ができるようになりますかとかっていう質問は、非常に毎回困ります。
中川:人によって、その子がなんでつまずいているかとかが違うから。
入先生:そうですね。
中川:答え方を生徒によって変えてるっていう感じですか。
入先生:そうですね。答えが一つじゃないものの質問っていうのはやっぱりね、非常にこまります。はい。
一同:(笑)
中川:へー。ちゃんと返すんですね、そういう質問も。
入先生:そうですね、返すようにはします。もちろんそれは。
一同:(笑)
中川:返してくれないと困るんですけれど、ほかにもありますか、印象的だったこととか、部活とかでも相談されたりしないんですか。
入先生:部活はですね、なんだか分からないんですけど、みんな私のことを怖がっているので、
中川:だ、だって、だって。
入先生:あんまり相談はされません。
一同:(笑)
中川:いやー、ねえ?だって身長も大きくて、その雰囲気とか、
入先生:ね、この熱い思いがね、そういうふうに出ちゃうんですかね。
中川:はは。そういうことにしときます。
一同:(笑)
編集部:部活の時には厳しいんですか先生は。
中川:厳しいんですよ。
編集部:あ、そうなんですか。
中川:厳しいんですよ。
入先生:そうは思わないんですけどね。
中川:いやいやいやいや、私は管弦楽部と剣道部どっちも部活に入ってたときに、剣道部は、バスケ部と活動曜日が一緒なんですよ、月曜日・木曜日・土曜日で。バスケ部は体育館、剣道部は講堂でやるので隣なんですね。サブコートっていう空間があるんですけど、窓とかドアを開ければ、もうお互いの様子が見えるっていう状態で部活を週3でやってたんですけど、その時に、何か雰囲気を感じるんですよ、バスケ部の何かの雰囲気を。
一同:(笑)
入先生:何かを感じる。
中川:何かを感じますね、よく私の学年の子とか怒られてましたよね。
入先生:まあ、愛のあるね、愛のある。
中川:愛のある叱り。
入先生:そうですね。
中川:叱り、それ怒ってはないんですよね、叱ってる?
入先生:愛のある指導。
中川:愛のある指導。はー。
編集部:どういうときには、そういう指導されるんですか?
入先生:何ですかね、たとえば一回言ったことを二回目やったりとか。
編集部:うん。
入先生:うん。
編集部:バスケットの場合だと、どういう具体的に。
入先生:基本的にはプレーにおいてはそれぞれできるできないっていうのはあるので。
編集部:はい。
入先生:できないものを何で出来ないんだっていうことは、言わないようにはしています。ただ、バスケット以外の部分というところでは割と厳しくはやっているつもりです。
中川:生活指導とかも含めてですか。
入先生:それも含めて。はい。
編集部:なるほど、分かりました。
中川:はー。よく怒られてましたね。
入先生:愛のあるね。
中川:愛のある、はい愛のある叱り。ははっ。分かりました。


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中川結絵
卒業生
横浜市立大学国際総合科学部理学系物質科学コース2年
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