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わが子にあう中学校をえらぶサイト

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小嶋春香
中村中学校・高等学校卒業生

取材日:2018年8月17日

インタビュイー:長野裕樹先生 1年生担任・学年副主任、理科

インタビュアー:小嶋春香 明治大学国際日本学部2年



1.先生になった一番の動機

小嶋:先生になった一番の動機はなんですか?

長野先生:一番の動機は中学高校時代…自分も中高一貫だったのですが、その時の恩師の先生との出会いがきっかけです。小学校の時から、年下の子に何か教えたりするのがすごく好きだったんですよね。だから学校の先生っていいなと思っていたのですが、引っ込み思案だったり人見知りだったりして、先生には向いていないなって、小学生ながら諦めていました。

小嶋:はい。

長野先生:でも中学校で生物化学部という部活に入って、出会った顧問がその恩師の先生。引っ込み思案な自分にも「これやってごらん」とか「これお願いね」といろいろな役割を与えて任せてくれる。頑張るとすごく褒めてくれるし支えてくれるので、徐々に自信がついてきたんです。それでまた、先生を目指してもいいかなと思い始めたんですね。

小嶋:うん。

長野先生:でも途中でやっぱり無理かなとか別の夢を追いたいなとか迷っている時、別の夢でもいいんだよって言ってくれて。自分でしたいことを見つけたんだったら先生はどんな夢でも嬉しいって。ああ先生ってどんな時にも支えてくれるいい存在だなって思ったんです。だから、じゃあ今度は自分が誰かに自信をつけたり支えたりする番だと、学校の先生になろうと決心しました。

2.これまでに習った尊敬できる先生

小嶋:他に尊敬できる先生っていらっしゃいますか?

長野先生:大学時代に出会った教授です。高校の教員経験があるすごく優秀な方で、自分の失敗談をたくさん話してくれる先生。自分の失敗談を話すことを嫌がる人もいるだろうけど、あえていろんな失敗を話してくれる。それでいろんなことへのハードルが下がるというか、自信をつけさせてくれました。

プレッシャーがかかる場面、例えば研究発表とか就活とかの場面でも絶対に勇気づけてくれる。「いけるいける。余裕余裕!」って。あえて軽い感じで、優しいことを言ってくれる先生でした。

小嶋:へえー。

長野先生:大学教授だし、すごく格上の存在なんだけど、そういう人がそうやって寄り添ってくれるのは、ほんとにすごいなと。こういう先生ってすごく安心するなと。だから今はその先生を目指している部分もあります。


3.教師になった直後と現在の変化

小嶋:教師になった直後と今とで大きく変わったところはありますか?

長野先生:生徒主体で考えられるようになったことですね。先生になった当初は、この子たちに失敗させたくないっていう思いが先行していて、なんでもやってあげなきゃと思っていたんです。でも初年度の学年主任の先生からこう教わったんです。

「やってあげたい気持ちはわかる。でも、何でもやってあげると何もできない子になってしまう。大学や社会に出た時に困ってしまう。だからこの中学高校時代はいろんなことに挑戦させる。成功したら褒めてあげるし、失敗したら理由を一緒に振り返って考えさせる。それが先生の役割なんだよって。」

小嶋:うんうん。

長野先生:なるほどって。その一言で、あえて生徒と距離を取ることの必要性に気付かされました。

君たちの代もそうだけど、どの生徒も何かを作っていこうというエネルギーがあってすごいと思ったし、失敗した時も何とか挽回しようと頑張る姿を見て、ほんとうに自分たちでできるんだと思った。だから学年主任から教わった部分もあるけど、生徒たちから教わったっていう部分もあります。

4.好きな本・影響を受けた本

小嶋:好きな本とか影響を受けた本はありますか?

長野先生:これは生物の先生というところに近づくんだけど、「百年法」っていう本です。

小嶋:あっ!知っています。読んではいないんですけど。

長野先生:ぜひ読んで欲しい(笑)。不老不死になる技術が発展した、少し未来の日本の話。ちゃんと申請すれば誰でも不老不死になれるんだけど、例えば会社のトップにいつまでも同じ人がいるとずっと何も変わらないから、世代交代のために、不老不死になって100年経ったら強制的に死んでしまう。絶命処置みたいなのを受けなきゃいけない、というのが百年法の法律。

小嶋:うん。

長野先生:不老不死って老いないし、病気にもならないし死なないし、死ぬことによる辛い別れもない。すごくいいじゃん!と思っていたけど、この本を読んでみると、けっこう大変だなって。だから生物って老いるんだな、死ぬんだなって、なんかこう心くすぐられる部分があって。そういう部分ですごく面白い本だと思います。

ちなみに中学生の授業で、「不老不死になりたい人、なりたくない人、理由は?」って聞いたんです。なりたい人は半分ぐらいだったかな。じゃあなりたくない理由は何かっていうと、「誕生日が楽しみじゃなくなる」とか。

小嶋:かわいらしい(笑)。

長野先生:「貫禄が出ない」とか。なかなか可愛い意見が出てきたんだけど、その本はぜひ読んでみてもらいたいです。


5.大学に行くとどんな良いことがあるか

小嶋:じゃあ次の質問です。大学に行くと、どんないいことありますか?って生徒に聞かれたらどうしますか?

長野先生:自由にいろんなことにチャレンジできるのが大学のいいところだと思います。高校よりも深く専門的な勉強ができるのは当たり前のことだから。それ以外の部分は人によって差が出るよね。バイトをする・しない、サークルや部活に入る・入らない。そういったところで、ぜひいろんなことにチャレンジして欲しい。個人的にはコミュニケーション能力を伸ばす、そこに一番チャレンジしてもらいたいです。それで、一番のおすすめは居酒屋のバイト。

一同:ははは。

小嶋:やっていらっしゃったんですか?

長野先生:ホールのバイトをしていました。特に忙しい居酒屋がいいと思うんだけど。なぜかというと忙しい時ってやることいっぱい増えちゃうから、どうすれば仕事がスムーズにこなせるかと考える。それからお客様の対応の仕方、ミスをした時や怒らせてしまった時の対応も学べるし、よっぱらいの対応もわかる(笑)。まあ客観的にこういう大人にはなりたくないなっていうのも学べるし。そういった経験ができるのがいいと個人的には思っています。

小嶋:勉強だけじゃなく。

長野先生:うん。サークルとか部活もぜひ入って、青春を味わってもらいたい。今のこの6年間の青春の、さらにその先の青春もやっぱり味わってもらいたいし、まあ人に迷惑をかけないレベルのおバカなこともやってほしいし。

小嶋:(笑)。

長野先生:存分に楽しんでもらいたいです。大学っていろんな地域、いろんな学校から集まって来るから、価値観がすごくバラバラなんだよね。中村の中では、校訓とかをもとに6年間歩んできているからある程度わかりあえる部分はあるけど、価値観が違う人たちが集った中でも、うまく人間関係を作れるようになってほしい。それができれば、社会に出たときにどんな場面でもうまく人と接することができる。すばらしい女性になれると思います。

6.中高一貫にあって一般の中学校にないもの

小嶋:中高一貫校にあって一般の中学校にないもの、何だと思いますか?

長野先生:やっぱり6年間の絆かなと思いますね。

小嶋:確かにそうですね。

長野先生:絆を作るためには、お互いを理解していることが大事だと思う。じゃあ理解するには何が必要かって言うと、お互いがある程度、素を出していること。素を出せる環境が大事だと思います。そういった意味では女子校ってすごい出しやすいよね。

小嶋:はい。

長野先生:共学だと男子がいるから、思春期だしどうしても異性の目を気にしちゃう部分があるけど、同性しかいない環境だから。ただ素を出すとやっぱり喧嘩したりする。そういう時に仲直りしようって言っても、思春期の中2、中3の女子同士だとスッと仲直りはなかなか難しい。

小嶋:そうですね。

長野先生:でも6年間あると、その間に気づけば仲直りできているとか、自然にしゃべれているっていうことがあると思うんだよね。そういう長い時間を与えられているのが中高一貫校の一番の利点かなと思います。そこから絆につながっていく。

小嶋:うん。

長野先生:ただデメリットみたいな部分もある。公立の中学3年生だと例えば最後の体育祭の時、自分たちが一番上の代だからプレッシャーも感じながらトップとして頑張っていくけれど、うちの中3は上に先輩がいるからどうしても、甘えのような部分は出てしまうと思います。一生懸命やっている子もいるけど、その気持ちをキープするのはなかなか難しい。そういった部分が中高一貫の弱点かもしれないです。

ただ学年ごとの行事もあるので、その中でこれを自分たちで作り上げるっていう時は、一人一人がうまく責任、役割を持ってのぞんでいる。甘えにならないようにできていると思います。

7.中村中学校にあって他の私立にないもの

小嶋:じゃあ中村にあって、他の学校にないものは何だと思いますか?

長野先生:やっぱり圧倒的な手厚さだと思います。自分の母校と比べてみてもそうなんだけど、先生と生徒の距離がいい意味で近い。一学年の定員が120名程度だから目も行き届きやすいし、職員室もアットホーム。

小嶋:そうですね。

長野先生:休み時間になると必ず笑い声や話し声が聞こえる職員室だから。そういったところで生徒と先生のコミュニケーションも取れているし、相談事もそこから出てきたりする。

職員室


長野先生あとは高3のキャリアサポーター制度ね。受験生一人につき教員が一人つく制度もなかなかない。少人数の学校特有だと思う。担任の先生ももちろん受験指導は一生懸命していくけど、何十人もの生徒を同時に見るのは大変だから。先生が一人必ずつくという制度はすごく手厚いと思います。

あとは夜20時まで自習環境を用意している「20時残留」という制度も。

小嶋:「ハチザン」ですね。

長野先生:20時残留もなかなかないと思うんだよね。20時残留の日は必ず20時まで残る先生がいるんだけど、先生も積極的に「私やりますよ」って言ってくれる。生徒の自習のために教員自ら進んで20時まで学校に残るって、なかなかないんじゃないかな(笑)?

そういった手厚い部分をみんなどんどん活用してほしいです。

8.勉強以外で一生懸命取り組んでほしいこと

小嶋:中村に合格した生徒に勉強以外でやってほしいこと、一生懸命取り組んでほしいことは何ですか?

長野先生:校友会活動も、部活動も、委員会活動も、学級活動も、行事ももう全部やってもらいたいけど。

小嶋:(笑)。

長野先生:全部っていうのは贅沢な話かなと思いますけど、少人数の学校だから、一人一人への役割分担ってけっこうあるんだよね。その与えられた役割を全うしてほしいです。しっかり頑張った先に、ちゃんと出来たっていう達成感があって自信につながるし、その自信が今後の自分を支えてくれる。だから与えられたものは一生懸命やる。部活動も積極的に頑張って欲しいです。



9.生徒からの印象的な相談

小嶋:今まで生徒から受けた相談で印象的なお話があれば教えてください。

長野先生:とにかく人間関係の相談が多いです。思春期の女の子でも相談に来るんだなっていうぐらい中村の子たちって素直で、特に中2、中3は揉めたりする時期だからそういう悩みは絶対あって、必ず相談に来てくれる。

でも印象に残った相談を具体的に話しちゃうと、ちょっとね(笑)。相談した子が、「え~、私のこと言ってる・・・・。」ってショックを受けちゃうから秘密で。

小嶋:そうですね。

10.授業で使う教材

小嶋:次は授業のお話なんですけど、オリジナルプリントなどあれば見せていただけますか?

長野先生:はい。今は中1の理科と、あとは高校の生物を教えています。自分のプリントですごく特徴あるなと思うのが、プリントって簡略化して要点をまとめたものが多いですけど、私のプリントはもう見ての通り、図も文章もみっちり入っているんですよね。プリントの文章は教科書をほぼそのまま載せています。

このプリントがあれば復習・受験勉強を全てできるように、要点をまとめるのではなく、教科書にある要素を網羅している


長野先生このプリントで授業を始めると生徒が「何でもっと簡単にまとめてくれないんですか?」とか言ってくる。「何で教科書通りなんですか?」とか「手抜きだ!」とか(笑)。

小嶋:(笑)。

長野先生:でもそれは狙いがあるんです。大学受験の試験範囲って教科書じゃないですか。特に生物とかはそう。だから教科書が出来れば100点が取れるんです。逆に教科書が出来ないと点は取れない。教科書は大事なんだよって意識付けのために、こういうプリントを作っています。

小嶋:うんうん。

長野先生:それで、生徒はこのプリントにどんどんメモをするから自分だけのプリントが出来上がるし、言ってしまえば教科書に書き込んでいるようなものだから。生徒たちはプリント見ながらやっていると思ってるけど、実際は教科書一冊だけ持って受験勉強にのぞんでいるっていう形。要点をまとめたプリントを作ってくださいっていう子もいたけど、要点をまとめたプリントがあったら、教科書を見るかっていうと…

小嶋:要点を見ちゃいますね。

長野先生:そうだよね。だからあえてこういうプリントを作って、活用しています。

小嶋:はい。

長野先生:それから今年から始めた取り組みとして、ベネッセさんの「クラッシー・ノート(Classi note)」を使っています。ウェブ上でいろんなことを書き込んでいけるサービス。


長野先生例えばアブラナの花のつくりの画像を授業中に先生がポンと送ります。そして黒板に書いたり話したりして説明していくと、あとは生徒が自分でこれにいろいろと書き込んでいく。

小嶋:授業中に生徒がタブレットでやるっていうことですか?

長野先生:うん。だから話したことをみんなどんどんメモしていく。色分けしている子もいれば、文章をいっぱい書く子もかわいくデコレーションしている子もいて、おもしろいですね。例えばこの子なんて、自分でこの画像をウェブから持ってきて貼り付けているんだよね。わかりやすく理解するために自分で工夫している。自分で主体的に勉強ができるツールになっています。

小嶋:これけっこう授業で使われているんですか?

長野先生:うん。あとは自分で画像をどんどんダウンロードしてやりなさいって。どこに線を引きなさいとか、何を書きなさいといった指示はほぼ出さないです。自分だけの資料集を作ろうっていうことなので。ウェブ上で作成するので、スマホでも見られるし、どこでも見ることができる。iPadがオリジナルの資料集になって勉強できるっていう部分で役立っています。



11.生徒の観察

小嶋:生徒の観察を日々どのようにされていますか?

長野先生:小嶋さんが在学中に気づいていたかわからないけど、担任の先生って朝のホームルームや10分間の読書時間の時に、生徒の表情をすごく見ている。

小嶋:へえー。

長野先生:「今日すごく疲れているな、なんか顔が曇っているな、何かあったのかな?」って推測したりします。「これはまずそうだぞ」っていう場合には、ホームルームが終わった後に「どうした?今日」みたいな感じで軽く声を掛ける。まあ大体は朝、親と喧嘩したとか、友達とちょっとうまくいってないとか。あとは好きなアイドルが結婚したとか(笑)。

小嶋:(笑)。

長野先生:あとは授業中とかでも、いつもはよく発言する子が今日はなんかおとなしいなとか、やる気ないなとか。教科担当の先生も、気になる場合には授業が終わった後に担任の先生のところに来て、○○さん元気なかったですけど大丈夫ですか?って情報を共有したりします。

小嶋:先生同士で?

長野先生:うん。だからさりげなく先生たちは見ている。やっぱり中学生、高校生の時期って毎回毎回「どうしたのー?」って言われたくはないだろうから、干渉はしないように。でも放っているわけではない。そこはすごく気にかけて様子を見ています。

12.いじめの対応

小嶋:もし、いじめがあったとして、初期段階でどうしますか?

長野先生:まずは必ずチームで対応します。初期段階から。担任のほかに学年主任、学年教員、管理職の先生、校長先生とか副校長先生、それからいじめ対策委員会。スクールカウンセラー、養護教諭。そういった先生たちで連携して対応をします。部活の中であればもちろん顧問の先生も。

小嶋:いじめ対策委員会は中村の中にあるのですか?

長野先生:そう。残念ではあるけど、どこの学校にもいじめは絶対あるから、そうなった時にきちんと対応してその子が安心して通えるように、そういう委員会もきちんと設けています。

まあ、基本的には担任の先生が話を聞きます。必要であれば何時間でも聞きます。聞いた内容は必ず先生たちと共有します。ただし、これは他の先生には言ってほしくないという本人の思いもあるから、そこは確認する。必ず本人の意思も尊重しながら対応していきます。

小嶋:うん。

長野先生: それから保護者の方とも必ず、毎日のように情報共有をします。今日はこういう話をしましたとか、学校ではこういう様子でしたって。少しでも安心してもらえるように。ただしやっぱり「これはお母さんに伝えていい?」って確認して、まだ言って欲しくないですって本人が言うのであれば言わないです。小学校だったら先生たちが全部間に入って対処していくけど、中学生、高校生になってくると自分で何とかしたいって思いもあるから。そこも尊重しつつ。

でももう、どうしようもできないですってなった時にはもちろん、教員が間に入って対応します。

小嶋:うんうん。

長野先生:常に教員、ご家庭、ご両親がチームとなって、必ず連携を取りながら対応をしていくようにしています。とにかく生徒が安心して通えるようにと考えています。



13.落ちこぼれた生徒・ずば抜けた長所がある生徒への対応

小嶋:では落ちこぼれた生徒にはどのように対応しますか?

長野先生:教科の先生と学年の先生とで、何をしてあげればこの子は助かるのだろう、今は何が足りないんだろう?という相談をしていきます。何が必要かを分析して、必要であれば居残りとかもやってもらう。集中力が続かない子もいるから、そういった場合には先生が教室について、勉強出来る空間をつくる。そういった対応をしていきます。

編集部:そういう対応に該当してしまう生徒って、どれくらいの割合でいらっしゃいますか?

長野先生:そんなに大勢いるわけではないですね。1割もいないと思います。

編集部:生徒・卒業生・保護者からは小テストが多いと聞きました。だから大きな問題になる前に手を打っているのかな?と思います。

長野先生:特に数学や英語で小テストをよくやるのは、細かいステップで習熟度を本人に確認させていくためです。それがないとわからない状態に気づかないまま時間が過ぎていくので。そういった取り組みがあるからこそ、数学が苦手でもそのラインを何とか越えられる子が多いんじゃないかなと思います。それで結果が出た後に、その該当の生徒に対しては担任から声をかけて、ちょっとずつ対応を相談していく。

編集部:なるほど。

長野先生:交換ノートみたいなことをしたことあるんですよ。まっさらなノートを渡して、今日はどこまで勉強してくる?って。国語はこれをする、数学はこれをする、化学はこれって約束をして、翌朝ノートを持ってくる。それで、ここまでやったんだねって印をつけてまた返す。それを繰り返して、少しずつ勉強時間を増やしていく。

小嶋:うん。

長野先生:ご両親がお忙しいご家庭もあって、常に勉強しているか見られるわけでもないんですよね。自分の娘が勉強しているのかよくわからない方もいらっしゃるので、そういう形に残していくことによって、勉強時間を確保していく。少しずつですけどやっぱり伸びますね。やればできるんだなって感じがあります。

編集部:司書の岡田先生も言っていました。みんな自分からは言わないけども意外とやればできると。

長野先生:うん。実はやれる子が多いんですよね。やればいいのにとか、もったいないなって思うんですけど、そこをうまく引き出してあげられるかどうかが、こっちの腕次第なのかなと思っています。


小嶋:じゃあ逆に、ある部分において長所がある生徒にはどう対応しますか?

長野先生:そういう生徒がいるんですよね。理科の授業では目が死んでいるのに、この教科では目がキラキラしているみたいな子(笑)。そういう子については、その教科担当の先生が報告に来てくれるんです。この子すごくこれが上手に出来ましたよとか、一番早く解けましたよとか。

例えば自分の担任のクラスでも、基本的にはやっぱり理科の授業しか見られない。だけど国語の授業ではこれができた、英語ではすごく英会話が上手だっていう情報が、教科担当の先生から私の耳に入ってくるんです。こんな才能があるんだなって気づけるんですよね。

それを放課後とかに話してあげるとやっぱり嬉しそうにしている。「そうなんですよー、出来たんですよー!」とか「私、上手なんですよー」とか言って、すごくニコニコしてて。

小嶋:ふふふ。

長野先生:そういった声かけってすごく嬉しいみたいです。やはり第三者から褒められるって嬉しいんですよね。例えば「よく頑張ってるね」って言われるのと、別の先生から「長野先生が頑張ってるって言ってたよ」って言われるのとでは…。

小嶋:ああー!確かにそうですね。

長野先生:やっぱり感じ方が違う。じゃあ他のことももっと頑張ろうって思ってくれる。そういった声掛けも、長所を持っている子の他の部分も伸ばすためには必要かなと思います。



14.先生は人気あると思いますか。

小嶋:先生は、自分で人気があると思いますか?(笑)

長野先生:ははは。この質問はですね、答え方によってはちょっと物議をかもすなっていう(笑)。

小嶋:でも私、人気あると思います。

長野先生:とても優しいお気遣い、ありがとうございます(笑)。

小嶋:(笑)。

長野先生:人気がある先生って、やっぱり教え方が上手な先生だと思います。例えばこの先生の授業は絶対受けたほうがいいって言ってもらえるような先生って、すごくいいと思うんですよね。江藤先生の日本史とかはけっこうそういう生徒がいるみたいで。

小嶋:そうですね。

長野先生:そういう先生ってやっぱり一目置かれるなと思っていて、自分もそういう先生を目指して頑張っています。まあ夏期講習の希望制の講座に参加してくれたりとか、過去問の解き方を聞きに来てくれたりとか、補習をやって欲しいと言ってくれる子がいるから、多少なりとも(笑)…

小嶋:(笑)。

長野先生:自分のやり方、教え方に満足してくれる子もいるんだなっていうのは、ちょっと感じる部分があって嬉しいです。もっともっと頑張っていきたいし、理科、特に生物は長野に教わりたいと思ってもらえるような先生になりたいなと思っています。ちょっとまあ、この考え方はね、すごく生意気で傲慢なんだけど。

小嶋:すごい謙遜しますね。

長野先生:(笑)。それぐらいの意気込みで頑張ってはいます。教科だけじゃなくて、ダメなことはダメっていうことをうまく教えることも必要だと思います。要は生活指導だけど、長野先生は何をやっても怒らないし、許してくれるから好きって言われたらもう教師失格だなって個人的には思っていて。

ダメなことはダメって教えてあげないと、その子がいずれ後悔することになるし、苦しむことになるから。何がダメだったのかをちゃんと考えさせて、振り返らせて反省させる、そういう教え方ができる先生にもなりたいです。

小嶋:好かれるだけではなくて、というとこですね。

長野先生:そうそう。好かれるだけではないと思っていますね。



15.学校の好きな点、もっとこうしたらいいのにという点

小嶋:中村の好きなところと、もっとこうした方がいいと思うところを教えてください。

長野先生:好きなところは、生徒がすごく明るくて素直なところです。ほんとうにそれは私自身助けられますし。まあ生意気な時期はもちろんあるし(笑)、それはもちろん自然なことだからいいのですが。そういった生徒がいっぱいいるっていうところがいいところ。

それから保護者の方もすごく積極的に協力してくれる方が多くてほんとに助けられています。

あとは先生たちもすごく仲がいいですし、会話もすごく多くて…。

小嶋:そんな感じしますよね。

長野先生:やっぱりそうですか?(笑) 僕は1年目すごく緊張していたんですが、とてもやりやすかったです。学年、教科問わずいろんな先生が助けてくれる、支え合える職員室だなと思います

あとはまあ、駅から近いというところもいいところです(笑)。

小嶋:もっとこうしたらいいのに、っていうのはありますか。

長野先生:知名度がもうちょっと上がってほしいなっていうのはあります。中村って言われたときに、あぁ!あの学校ね、って。

小嶋:うん。ならないですね。

長野先生:(笑)。もったいないなって思うんだよね。こんなに都心にあって駅近くで、自然もあってグラウンドもあって。さっき言ったキャリアサポーターもそうだし、国際科もそうだし、ほんとにいろんな設備が整っているから、もっといろんな人に知ってもらいたいです。

16.6年間でどんな成長をするのか

小嶋:中村に進学してきた生徒が6年後、中村を経てどのような成長をしていると思いますか?

長野先生:入学当初に比べて自信がついていたり、人前に立つことへの抵抗がなくなっている。そういう子が多いのではと思います。

小嶋:入学した時よりも積極性がつくということですか?

長野先生:そうです。共学だとどうしても男子がいて、体育祭でも男子が目立ったり団長を男子がやったりしてしまうんだけど、女子校だから常に女子が団長であり、副団長であり、いろんな部分でメインで活躍出来る。常に女子がメインなんですよね。それに人数が少ないからクラスでの役割とか委員会とか部活動でも、いろんな役割が回ってくるよね。そういった部分で自信をつける子が多いと思います。

授業中のプレゼンも多いと思うし、学校行事や宿泊行事の前後の、事前学習の発表会とかもやっているので、他校さんより発表する頻度は多いと思う。そういうところで人前に立つことへの恐怖心がなくなっている、薄くなっている子はいると思います。

小嶋:うんうん。

長野先生:人前に立つのが大好きとか、活躍したいっていう子もぜひ中村に来てほしいですし。逆に人前に立つのが苦手とか、発表するのがすごく嫌っていう子も…だからこそ中村に来て、頑張ってそれを克服してほしいなと思いますね。やっぱり苦手な子はいるし、普通のことなんだけど。

小嶋:私もかなり積極性がなかったんですけど、もう6年間もいたらみんな知っている人ですし、だからこそ人前に立つのが怖くなくなるのもあるし、大学に入ってから前に立てるようになりました。

長野先生:おおー! 6年っていう時間も影響してくるよね。自分の苦手な事を緊張する空間でやるのはすごく難しいけど、安心できる空間でやると克服につながったりするから。小嶋さん、すばらしいですね。

小嶋:ありがとうございます(笑)。

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小嶋春香
中村中学校・高等学校卒業生
明治大学国際日本学部2年
所属:明治大学国際日本学部2年生。日本のおもしろい点、優れた点を“ 世界の視点” から見つめ直し、その魅力を再発見して、世界に向けて発信。漫画など日本のカルチャーのことも勉強中。
趣味:食べること。アイスが好きで毎日1つ食べるのが習慣。
中高時代の部活動:中高6年間剣道部
将来の夢:児童教育、小学生などの教育に携わる仕事をしたい
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