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1. 落ちこぼれた生徒・ずば抜けた長所を持つ生徒への対応

加登谷:あまり授業についていけない生徒がいた場合、どのように対応されますか?
佐滝先生:はい。私は、小テストにこだわりを持っています。小テストって小さな成功体験だと思うんですよね。数学とか漢字とか英単語とか、小テストは範囲が決まっているし、ちゃんと準備すれば100点取れるじゃないですか。100点を取れたという嬉しさや自信をつけて、さらに定期テストや、それこそ大学受験などの将来に少しでも近づけるようになったらなと思っています。
加登谷:はい。
佐滝先生:残念ながら、私は理数系がすごく苦手なので、数学に関しては手出しはできないですが、漢字や英単語はとにかく頑張ってもらいたいんです。私は1年4組の担任なんですけど、ちょっとうるさいというか、やんちゃが多いクラスで。
加登谷:ふふふ。はい。
佐滝先生:でも、小テストだけはみんなで頑張ろうと「朝勉」をやってます。朝勉強ということで、できる限りこの時間までに来て、一緒に勉強しようっていう雰囲気づくりをしています。
加登谷:はい。
佐滝先生:当然その中でも落ちこぼれというか、なかなかできない生徒もいるんですけど、勉強はそういう生徒を中心に見ます。私は英語部の顧問をしているのですが、明星の文化部には兼部をしている生徒が多いんですね。
編集部:なるほど。
佐滝先生:他の部と掛け持ちしてるので、文化部の部活は週に1回しかないんですよ。だから私は比較的放課後の時間を取りやすいので、勉強をつきっきりで見ています。テレビ番組で「帰れま10」って知ってます?
link:「帰れま10」
加登谷:はい。
佐滝先生:私、「帰れま10」やってるんです。(笑)
加登谷:聞きました!
佐滝先生:今年度(平成28年度)から「MGS」(Meisei Global Science)という、難関国公立・私立大学を目指す生徒を対象にしたクラスが、1クラス設置されたんですね。それが1組で、2、3、4組が本科のクラスなんですね。
編集部:なるほど。
佐滝先生:私は4組の担任なんですが、英単語の小テストでは1年間全部首位でした。
編集部:1組に比べて、ということですね。
佐滝先生:はい。全て。
編集部:なるほどー!
加登谷:えー!そうなんですね!
佐滝先生:ズルはしてませんよ。(笑)毎回小テストの範囲は決まっていますが、ここが出るとも何にも言いません。ただ、一応大きい範囲をとことんやろうよって言って、何回もさせます。それが「帰れま10」なんです。
編集部:へー。
佐滝先生:水曜日が英語の小テストなので、火曜日の7時間目のあとにやるんですよ。「帰れま10」。みんなやるんですよね。最後の方になると、できない生徒には、できる生徒がすごく上手に教えるんです。私以上に。
編集部:なるほど。
佐滝先生:本当に点数が取れるんです。結果は、31人のクラスで27人が100点を取って、あともうちょっとだったんですけど、ミラクルはなかなか起こせませんね。全員100点を目指したんですが、残念ながら最終的には98パーセントぐらいにしかならなかったですけど。
加登谷:でも、それでもすごいですよね。
佐滝先生:そうですね。なので、落ちこぼれというか、できない生徒には、基本的につきっきりで指導しますが、できる生徒が見てくれるシステムを作っていますね。
加登谷:いいですねー。生徒同士で教え合うと教える方もまた勉強になりますしね。
佐滝先生:はい。
加登谷:逆に、長所がある生徒に対してはどのように対応されますか?
佐滝先生:小学生でも、英検準2級や2級を持っている生徒もいるんです。以前、そういうハイレベルな生徒たちの講座を持っていたこともあります。秀でてる生徒に関しては、もちろん声掛けをしたり、別な角度でこんな教材やってみたらと定期的にアドバイスしますが、つきっきりではやりません。なぜなら、できる生徒は自分で考えて勉強するので、進捗だけちょっと確認しながら、自主性で勉強させる方向にもっていきます。やたら質問してくる生徒も、本当にできないならしょうがないですが、できる生徒には自分である程度考えて、それでも分からないものだけを質問できるような生徒になってほしいです。なので、成績が上の生徒に対しては、自立してもらうように、少しアドバイスする程度ですかね。


2. 先生は人気あると思いますか。

加登谷:先生は、ご自身が人気があると思いますか?(笑)
佐滝先生:失笑ですね。えーと、正直それは分からないです。はい。
加登谷:それでは、人気のある先生というのは、どんな先生だと思われますか?
佐滝先生:先輩や同僚など、私が尊敬している先生方に共通しているのは、みなさん厳しい先生だということですね。
編集部・加登谷:うーん。
佐滝先生:駄目なものは駄目っていう叱れる先生ですね。なぜかと言うと、例えば、中学生はそうでもないですけど、高校生になると制服をだらしなく着崩したりしますよね。加登谷さんはご存知だと思いますけど。
加登谷:ふふふ。はい。
佐滝先生:ほかのことでも、注意しても「はーい」と返事をするだけで、直さない生徒もいるんですよ。そこで、すごく反抗されて喧嘩になっても嫌な思いをしますよね。かと言って、引いてしまって「じゃあいいよ。勝手にすれば」っていうのは、絶対嫌なんです。以前、伊藤清子先生というすごく厳しい先生がいたんです。とても素晴らしい先生だったんですが、もうとにかく厳しい。その先生のハイヒールの音を聞いただけで、生徒たちは怖いと思うぐらい。だけどすごく面倒見がいい先生でもあったんです。卒業後に生徒から「厳しく叱ってくれて、あれだけ厳しく叱ってくれたのは人生の中にない」と言われたそうです。親もそうですけど、なかなか今の大人って叱らないじゃないですか。逆に「いいよ、いいよ」って友達感覚の先生だと、そのときは楽だったけど生徒たちの記憶には残らないとも聞いたことがあるんです。自分で言うのも何なんですが、私も厳しいと思います。

加登谷:はい。
佐滝先生:本校では「エゴグラム」という性格診断テストを年2回やってるんですよ。自分のエネルギーというのが人間にはありまして、そのエネルギーが高かったり低かったりして・・・
加登谷:その心の状態が、その質問に答えることによって、5段階で、グラフで出てくる診断があって、例えば、元気があるとか・・・
佐滝先生:うん。消極的だとかね。
加登谷さん:消極的とか、我慢してるとか、自由で、奔放でとか、そういうのが5段階で出てくるものが・・・
佐滝先生:それで、やっぱりその、精神状態ってやはり変わるので、同じ質問なんですけれども、年間2回やってるんですよね。項目があって、その質問に答えてく。例えば人を1時間以上待たせないとかね。人が困っていたら助けてあげるみたいな。そんな、アンケート項目があって、その5つの自我っていうのが、NPというのがまずあって、NPというのは、「nurturing parent」ということで、いわゆる母性なんです。やさしさなんですね。次が、CP、「critical parent」、criticalだからこれは父権です。もう星飛雄馬のお父さんですね。その値が高いと厳しい、でも、人にも厳しく自分にも厳しく自己管理が出来ている。
次がA、「adult」のA。「大人」なので計画性があって、きちんと理性に基づいてやっているっていうのがAです。次にFというのが、「free child」で、フリー、というかいわゆる子どもらしさです。よく、いくつになっても少年の心を忘れない大人もいるけども、その「free child」っていうのは子どもらしさのほうですね。最後に、これが一番いけない、まずいんですけれども、ACというのがあって、これは「adopted child」、「適応された子ども」。だからいい子ちゃんなんですね。それが高いと、人に気を使ってしまって、もう、ストレスたまり放題なんですよ。それで、その5つのバランスで、AC以外はすべて高いと、エネルギーも高くて、例えば、上位大学とかに行かれる方は、CPとAが高いんです。非常に。自分に厳しく計画的。だから勉強もする。ということで、そういうところを伸ばしてあげようということも兼ねて、学校で、年に2回やってるんですね。それで教員もやるんですよ。たまに。

加登谷:そうなんですね。
佐滝先生:私は、自慢じゃないんですけど、CPとNPが同じぐらいトップなんです。(笑)すっごい厳しいんですけど「、一方で、「アイスクリームおごっちゃおうかな?」みたいなご褒美もあげたくなります。ねだられるのは嫌なので、ねだられたらあげませんが、頑張った生徒にだけは、ご褒美や最大のハグをしたくなっちゃうんです。人気があるかどうかはわかりませんが、本当に厳しくてもいろいろ考えてくれて、だめなものはだめって言ってくれる先生が、生徒の心に残るんじゃないかなと私は思ってます。すいません長くなりました。
【※編集部注釈:「エゴグラム」アメリカの心理学者エリック・バーン博士が創始した、人間関係の心理学理論に基づいた性格診断テスト。人の性格を5つの領域に分けて分析。
①CP(Critical Parent)「理念力」正義感、道徳心、責任感、良心など②NP(Nuturing Parent)「支援力」優しさ、思いやり、寛容性、共感性など③A(Adult ego state)「論理力」知性、理性、冷静さ、判断力、情緒安定性など④FC(Free Child)「活発力」直感力、創造性、自由奔放さ、好奇心、愉快さなど⑤AC(Adapted Child)「協同力」素直さ、協調性、忍耐力、礼儀正しさなどlink:エゴグラムについて


3. 学校の好きな点

加登谷:この学校の好きな点を教えてください。
佐滝先生:うーん、なんでしょうね?総合的に良い学校だと思います。うまく言えないんですけど、先生方が本当熱心で子ども好きってこと、なぜか入学してくる生徒たちも穏やかで素直な、伸びしろの高い生徒が来ます。そして、このキャンパスが広くて緑豊かで、建物や施設はきれいになりましたが、それこそキャンパス内の風景や全体の雰囲気は、30年前から全然変わっていません。もう「明星」っていう感じです。
加登谷:はい。なんか一言では言い表せないんですよね。なんかいいっていう。(笑)
佐滝先生:うーん、なんか不思議ですよね。明星独特の空気感があるのかな。
編集部:なんですかね?
加登谷:緑に囲まれてるっていうのも、1つの理由かもしれないですね。
編集部:そうですね。今日、僕らも国分寺側のバス停に近い入口から歩いて来たんですけど、多分この景色を6年見続けて登校するんだろうなって。緑をくぐって6年間、人格形成にもいい影響があるのかもしれないなあ、と思いました。
加登谷:そうですね。「国分寺側のバス停に近い入り口から中学校舎まで」

4. もっとこうしたらいいのにという点

加登谷:もっとこうしたらいいのにという点はありますか?
佐滝先生:あ、はい。時間と心の余裕を持つためには、経営的なこともあるんでしょうけれど、もう少しすみ分けができたらもっといいと思いますね。
加登谷:はい。
編集部:すみ分けとはどういうことですか?
佐滝先生:主要教科の先生は、小テストが週3回と多い。そこに英検対策や夏期講習、今度も勉強合宿に河口湖に3泊で行くんですけど、そういった授業以外の行事が集中するんですね。だから、例えば主要教科(の担当)は勉強だけに特化するとか・・・放課後だけはこうとか、部活はこうみたいな・・・。
編集部:なるほど。
佐滝先生:本校にはそんなにないと思うんですけど、公立校だと「No」と言えなくて全部引き受けてしまって、結果的にうつや病気で体を壊してしまうという話も聞くので。本当は担任も教科もやって、部活も全部やるのが一番いいんでしょうけど、それには限界があるし無理なので・・・。そこはすみ分けというか、適した人がやった方が生徒を更に伸ばせるのかななんて思ってしまいますね。
編集部:なるほど。先ほど、生徒同士で教えるような仕組みとおっしゃったんですが、多分生徒たちができるようになるまでの間に、先生が仕組みを作る助走期間が必要ですよね。明星学苑の先生って、朝勉もそうですし、0時間目の朝7時半からの授業もそうですし、エクストラスタディもあったりして、先生の負担がかなり大きいと思うんです。先生方は、そのあたりはどのようにお考えになられていますか?
佐滝先生:とにかく生徒たちとコミュニケーションは取りたいし、勉強もたくさん見てあげたいと思っているんですが、時間がなかなか取れないのが現状なんです。自分にも時間と心に余裕があったら、もっと違うことができるのになと思っています。今はやはり、結構厳しいですね。
編集部:先生はご自身で「朝勉」や「帰れま10」もされていて、先生方はみなさんPHSを持ってらっしゃいますよね。もうほとんど学校と生徒から離れられないじゃないですか。
佐滝先生:はい。
編集部:だから、ほかの学校よりも、先生への負担が多いと思うんです。先生方はみなさん納得されてやってるんですか?
佐滝先生:明星学苑の先生は、本当に生徒が好きだと思うんです。生徒も素直で誠実な生徒、慕ってくれる生徒が多いので、生徒の願いを叶えるじゃないですが、何かしなきゃという気持ちの方が強いと思います。朝だってゆっくり来ようと思えば、8時20分までに来ればいいし、帰りも4時半には終わるんでね。でも絶対その時間では終われなし・・・。朝早くから夜遅くまでいらっしゃる先生がいたり、テキパキやってさっと切り上げる先生がいたり。ただ、時間がかかるのがまずいのか、テキパキやるから優秀なのか、そういう賛否両論もやっぱり学校内ではあるんですけどね。ただ、全般的に先生方は本当に熱心です。変な話、残業とかも
つきませんからね。(笑)

編集部:うーん。なるほど。
佐滝先生:お金の話になっちゃいますが、部活は何時間やっても、一回数百円くらいしか手当がつかなくて、でもそれ以上のことを顧問の先生は頑張っているんです。、それは結果的に生徒の目標とか将来なりたいものに近づいてくれればという願いでやっている先生が多いからだと思います。すいません、きれいごとじゃなくて。
編集部:いえいえ。伝わってきます。


5. 6年後の生徒の姿

加登谷:明星中学・高等学校に進学した生徒は、どのように成長しているでしょうか?また、どんな成長を望みますか?
佐滝先生:そうですね。中高は「自律心を持った自立した人の育成」というを目標にしています。協調性を持って他人に配慮しながらも、自分の足で立って自分の意見が言えるような人になってほしいです。そうすると、やっぱりプレゼン能力ですかね。これからはね。あとは「健康、真面目、努力」に尽きます。
加登谷:はい。
佐滝先生:そこをちゃんと実践してもらう。当たり前のことを当たり前にやるってこととか、人に感謝するとか、迷惑かけないとか、そういうことが本当に身についていけば、絶対苦労はしないと思いますね。ますますいい友達ができるとか、人生の財産が増えると思います。
加登谷:はい。
佐滝先生:あと、やっぱり2020年に東京オリンピックがありますが、どうしても英語は使いますよね。だから英語をツールとして、グローバル化に伴った、大きな世界に貢献して活躍してほしいです。私もそういう何かに携われればいいなと思ってます。
加登谷:そうですね。英語力を伸ばすプログラムが多い学校だと思います。明星での6年間で学んだ英語力は、すごく活かせると自分が実際に体験して実感していますね。

佐滝先生:あ、よかった。(笑)


6. 自分の子供も勤務されている学校に入れたいか。

加登谷:先生のお子様を、明星中学校または高等学校に入れたいと思いますか?
佐滝先生:はい。実は、娘が在籍しておりました。
編集部:おお!
加登谷:ははは!
佐滝先生:明星小学校から高等学校まで、12年間お世話になりました。理由や背景はいろいろあるんですけれど・・・。まずは、学校が私の職場がなので、面談や保護者会にもすぐに行けますし、娘の様子も見れますよね。何よりも勤務していて実感していた、明星学苑の師弟同行というか、手塩にかけたきめ細やかな教育というところですね。ただ正直、娘は出来も悪かったですし、在学中は娘も私もプレッシャーで緊張感はあったと思います。大学を卒業した今になって、いろいろ明星のことを語ってくれたんです。在学中は親子といえども、遠慮をしたり言いたいことも言えなかったですね。
加登谷:はい。
佐滝先生:私は担任の先生や学年の先生を信じて、一切口出しはしませんでしたし、ご迷惑かけて申し訳ございません的な感じで(笑)、陰ながら見ておりました。ただ、ここは中高が一緒なので、娘が中学在学中は私は高校で教えていましたし、娘が高校に入ったら私は中学、というように逆になりました。苗字が「佐滝」で変わってるので、バレバレだったかもしれませんが。娘に「明星ってどうだった?」って聞いてみたんです。大学は外部に進学したんですが、そこでいろんな学生たちと話をして感じたことは、明星の生徒は、大人というか、礼儀や気づかい、誠実さの面で全然違うんですって。大学では「この子、子どもだな」とか「えー?そんなことも知らないの?」ということが結構あるらしく、「やっぱり明星ってすごいんだね、お母さん」と言われて、「えーそうでしょう?」なんて。(笑)

加登谷:えへへへ。
佐滝先生:今だから言えるんですけども、嬉しかったですね。あとは、とにかく先生方の面倒見が良くて温かいということ。単なる勉強の知識だけでなく、生活的な知識というか、社会に出るにはこうあるべきみたいなことも教えてくれました。あと1個エピソードがありました。娘の最後の担任の先生が、渡辺直子先生だったんです。
加登谷:はい。私もそうでした。
佐滝先生:その先生は「明星の母」って言われてるくらい、本当に感じのいい、厳しいんですけど優しいんですよね。
加登谷:はい。
佐滝先生:ご褒美か何かで、クラス全員に唐揚げを揚げてきてくれたんですって。すごくおいしかったんだけど、次の時間は唐揚げ臭がひどくて「みんな、窓開けて!」という感じだったらしいです。何十人分の唐揚げ揚げてきてくれて、食べさせてくれたことは忘れないって言っていました。唐揚げでつられたわけじゃないと思うんですが。(笑)
加登谷:はい。(笑)
佐滝先生:そのくらい温かくて思いやりがあって、面倒見が良くて、でも厳しくて・・・とっても大好きな先生だと娘が言っていたので、やっぱり明星に入学させてよかったなと感じております。
加登谷:はい。
編集部:「明星の母」っていうのは、知ってました?
加登谷:そういう名前なのは知りませんでしたが、でも雰囲気はそのものですよね。
佐滝先生:そうですね。
加登谷:渡辺先生は私の高2と高3の担任先生だったんですけど、本当に「お母さん」という感じでした。先生にも私と同じ年の息子さんがいらっしゃるということもあって、本当のお母さんみたいで、いろんな相談もしました。なので「明星の母」って言われてすごく納得します。


7. この学校に合う生徒・合わない生徒

編集部:明星学苑に合わない生徒って、どういうタイプでしょうか?
佐滝先生:合わない生徒・・・?
編集部:ええ。こういったタイプの生徒は、入学してきても、あまりよくないというような。
佐滝先生:うーん。中学受験ですと、どうしても自分の意志というより親御さんの思いが強いですよね。でも、高校生になると自分の意志で部活がやりたいとか、ここの学校に行きたいというのを自分で決断しなきゃいけなくなりますよね。人のせいにしないというか、例えば「親が言ったから」とかではなくて、実際に自分の目で確かめたほうが良いと思います。私は広報をずっとやっていたので、説明会等で「まずは生徒を見てください」って言うんですよ。生徒を見ると分かるじゃないですか。付け焼き刃で、中には、がさつな生徒や、ちょっと駄目な生徒もいるかもいるもしれませんけど、基本的に明星の生徒は、よく挨拶をして明るく朗らかなので、そこを見てもらえば自分の子どももこういう生徒にさせたいなと思うんですよね。そういう方に入学してほしいです。

加登谷:はい。
佐滝先生:ただただ「いいから行きなさい」「じゃあ入る」「でも本当は嫌だった・・・」みたいな。中学生は、そういう部分が難しいですよね。なので、自分で学校を訪れて、生徒や施設を見て、それこそ明星の空気感が自分にも合ってるなと思える生徒に来てほしいなということです。
編集部:なるほど。私から少し質問させていただいてもよろしいでしょうか。
佐滝先生:そうですね。はい。
編集部:なぜ明星にはまじめな生徒が集まるんでしょうか?あるいはまじめになっていくのでしょうか?
佐滝先生:うーん。加登谷さん、どうだろうね?(笑)
加登谷:(笑)
編集部:・・・中学から入学した生徒の場合でも、同様にまじめですか?
佐滝先生:そうですね。高校から入学した生徒よりも中学からの生徒の方がより直接的な体験をたくさんさせてあげられるんですね。一貫の教育っていうよりは、深めるというか、情操教育を含めてしているので、やはり中学から入った生徒の方が成績も優秀ですし、良い生徒が多いですね。もちろん高入生でも受験して入学してきたので優秀な生徒もいるんですけれど、やっぱり中学からの入学生はいいなって思います。さらに、トップクラスの生徒は、小学校や幼稚園からが多いですね。明星好きというか、保護者の方が信頼して入れてくださっているので、そういう生徒のほうが目立ちますね。
加登谷:こういうこと言ってしまってはなんですが、小学校も中学校もそこまで偏差値が高いところではないので、偏差値ではない学校の良さに気づいた親御さんが明星を選んで入学させるということは、そういう考えを持った親御さんに育てられた子どもということですよね。だから、もともとそういうまじめな生徒が入学してくるのかもしれません。
編集部:なるほど。
加登谷:小学校や中学校から入った生徒も、中学から高校に上がるときは、明星に染まるというか、まじめになっていくのはすごく感じますね。
編集部:なるほど。
佐滝先生:あとは、卒業生の兄弟とか、明星に関係がある方がやっぱり入学してくださるんですよね。今年になって私のクラスにも、それこそ最初に教えた生徒のお子さんがいるので、まるで孫かと思うぐらいです。
編集部:ははは。
佐滝先生:本当に何人もいるんです。私の年齢もバレバレで恥ずかしいんですけれど。そのぐらい、親御さんはそういう厳しさやまじめな部分など、明星の良さをわかって入学させてくださってるから、ありがたいなあと私は思いますね。
編集部:大変不遜ではありますが学校の教育をあえて「商品」として捉えた場合、リピーターがつく良い商品ということですね。
佐滝先生:はい。
編集部:一番大切なコンセプトにあたる「真面目さ」が購買者に支持されていて、つながりを生んでいる。真面目さを生むシステムがあるのだと思います。途中から生産ラインに乗った、中入生や高入生もクオリティ・コントロールされていて「真面目」になるのですから、非常に強力なシステムですよね。
ところで先生は広報を担当されていて、外部に情報を出すときに、まじめさや明星らしさをどう伝えるべきだと思いますか?たとえば「真面目」に染まっていく仕組みというのが、どういうものなのかなど。

佐滝先生:結果的に目に見えるもので判断することが多いと考えると、やはり「出口」ということで、やっぱりいい大学に入るかどうかでしょうね。ただ、明星のコンセプトは、本当に生徒がやりたいことを実現させることにあるので、例えばこの生徒はすごく頭いいから、いろんな大学受けさせて、「合格実績を稼げよ」みたいなことは絶対させないし、やっぱりこれをやりたいのでここしか受けませんという生徒には「じゃあ、頑張って」というように、キャリア教育も含めて行っています。だから、売りというのは難しいですね。ただ、加登谷さんが言ってくださったように、やっぱり英語に関しては結構頑張ってるなというのはありますね。ええ。

編集部:なるほど。卒業生の方々はよく学校に来られますか?

加登谷:よく来ます。

佐滝先生:来ます。学校にいる先生が変わらないんでね。

編集部:なるほど。

佐滝先生:「明星祭」という、文化祭に一番来ますね。自分のお子さん連れて来たり、もう同窓会ですよ。本当に。よく来てくれるよね?みんなね。

加登谷:はい。後輩たちを教えるために、部活に顔を出す卒業生が多いです。私もそうなんですけど。

佐滝先生:ああそう。OB、OGがね。

加登谷:ただ単に担任の先生に会いたくて、というのもありますね。(笑)

編集部:そうか。いろんな学校を見てると、いくつかのパターンがあるんです。なかでも伝統校、こちらもそうですけども、一言では言い表せないさまざまな取り組みが組み合わさって出来ている強固な仕組みがあります。それが伝統校の強みなのかなと思います。でも一方で非常にたくさんの要素の組み合わせで出来ているので、人に伝えるのはなかなか大変という・・・。漠然としてるままのほうがいいかもしれないですが。

佐滝先生:あー。そうですよ。でも、(そのままだと)よくないかも。そうですよね。

加登谷:はい。不思議ですよね。まじめな生徒が集まったのか、まじめになっていくのかわからないですね。

編集部:そうですね。明星の卒業生で、座談会とか開いてもらいたいですね。

佐滝先生:あー!そうですね。

加登谷:なんかもう、不思議と戻って遊びに来たくなるというか。

佐滝先生:懐かしくなるよね。

加登谷:その、高校の友達と話してると「久しぶりに学校行く?」みたいな話になります。

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