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わが子にあう中学校をえらぶサイト

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久保 彩
編集部


【イントロダクション】

「社会で50年輝き続ける女性」を育む大妻中学高等学校。この成島校長のビジョンを実現するために集まった “ツワモノファイブ”(左から長谷良一先生、関孝平先生、赤塚宏子先生、成島由美先生、加藤悦雄先生、森英人先生)にお話を伺いました。

今年110年目の節目を迎える大妻中学高等学校で、大きな改革がはじまっています。背景には、昨年4月に大妻中学高等学校に赴任した成島校長の強い思いがありました。

昨年に続きお話しを伺いました。


“22世紀まで通用する心と技”を身につけさせたいと語る成島由美校長

※成島校長の経歴や昨年のインタビューは、こちらからご覧ください。

人生はリベンジ!失敗してもそこから出直せばいいんです

成島校長「自分の強み・力・得意を世の中に還元して、人の役に立ったり、あるいはそれによってお金を得て、男性に頼るだけではなくて、自分の足で自立して、人生の50年ぐらい勤労・納税ができる女性を育てていきたいと思っています。

そのために、この大妻の6年間で22世紀の未来に必要な力を身に付けさせたいと考えています。

大妻は、元々は技芸学校で、校歌にも“ここは心と技を磨く場”(※注釈:大妻学院校歌には、「こころをわざをみがきゆくとき」という一節がある。)と歌われているのですが、22世紀まで通用する心と技とは何なのかということをとことん考えて、去年『大妻ビジョン50』(※注釈)を打ち出しました。」

※『大妻ビジョン50』とは:人生100年時代を生きる生徒たちにむけて「社会で50年輝き続ける女性」というビジョン。

成島校長「『大妻ビジョン50』を達成するために、横糸=創立以来大切にしてきた大妻らしさと、縦糸=大妻にはなかった新しい価値観・スキル・知見を紡ぎ合わせて、強い大妻を作っていきたいと考えています。」

成島校長の目指す“強い大妻”を作るために必要な5つの要素。

1. 世界で活躍するためのグローバル教育

2. 最新テクノロジー社会で生きていく素地

3. 心を太くする教育

4. トップ大学を目指す進路指導

5. 大妻らしい“バンカラ”を発信

この5つの要素についてお話を伺いました。


1.  世界で活躍するためのグローバル教育

関 孝平 先生

【プロフィール】

《氏名》 関 孝平 先生

《役割》 進路・グローバル部主任として、「変化の激しい未来、大きく動いている世界に出て、たくましく活躍する女性を育成すること」

《これまでの経歴》 実践女子学園でグローバル教育部長、かえつ有明で国際交流主任・英語科主任として、英語・国際教育、帰国生の指導。全国高校教育模擬国連大会 役員。

関先生が運営しているグローバル教育、英語教育サイト。

先生の留学体験記など、面白い読み物も必見!

関先生が行う一つ目の取り組みは、国際バカロレア(※注釈)など、海外の英語教育と同じレベルで授業を展開することです。2019年4月から始める帰国生だけで編成した特別授業プログラムを皮切りに、帰国生だけでなく海外の授業の方法・帰国生の持っている価値観を、学校全体に広げて活性化し、多方面の改革につなげるというのが狙いだそうです。

※国際バカロレアとは、国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラム。国際的な視野を持った人材を育成し、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)の授与等を実施。

もう一つの取り組みが、模擬国連(※注釈)です。

※模擬国連とは、生徒達が国連の大使に扮して国際会議をするという、世界中で行われているプログラム。日本の中学・高校でも活発に行われるようになっている。

関先生は模擬国連全国大会の役員を務め、また首都圏の有名校40校ほどのネットワークの中心となって活動しています。

その経歴を活かし、2018年12月、大妻中学高等学校を会場に首都圏の合同模擬国連を開催することになりました。これを機に、トップ校から300名ほど集まる国連模擬会議を大妻中学校が中心となって始めていくそうです。

関先生は、現実の国際問題を扱い、国連の会議と同じように議論、交渉し、決議を採択する模擬国連を、“探求活動(※注釈)”の一つと考えています。

※探究活動は【課題の設定】→【情報の収集】→【整理・分析】→【まとめ・表現】というような問題解決的な学習活動を指しますが,ここにある「探究的な学習」とは,この探究活動が発展的かつスパイラルに繰り返されていく,物事の本質を探って見極めようとする一連の知的営みのことを言います。

関先生「これからは“探究活動”がひとつのテーマになってきます。好き嫌いの関係なしに国内にいても世界と繋がる、未来と繋がる、そういう世界で自分の軸を持って判断できる素地を、中高の6年をかけて育てていきたいと思っています。そこで本校では“探究活動“にグローバルという要素をしっかり入れた、本校にしかない探求活動を作り上げていきたいと思っています。」


2.最新テクノロジー社会で生きていく素地

加藤 悦雄 先生

【プロフィール】

《氏名》 加藤 悦雄 先生

《役割》 ICTコーディネーター(※注釈)として、主に先生方への授業のアドバイスや、ICT活用授業がしやすい校内環境作り、高校の情報の授業をアシスト。

《これまでの経歴》 38年間、小学校の教員として、ICT機器、情報教育、コンピューターを使った授業を担当。長年、文科省の研究指定校に勤務経験があり、学校教育でのICT活用教育に関する研究現場で活躍。

※「ICT」とは、Information and Communication Technologyの略で、一般的に「情報通信技術」のことを指す。

成島校長「大妻中学高等学校はもともと技芸学校で、創立者の大妻コタカ先生は女性が手に職をつけるということを意識しておりました。これからの社会で必要な“手に職”が何なのかと言った時に、ICTのスキルというのは大切になってきます。インターネット上で情報にリーチして、その情報の正誤を見極めて、それをまとめて他人に向けてプレゼンテーションをするといったスキルを訓練させていきたいと思っています。」

この役割を中心で担うのがICTコーディネーターをしてきた加藤先生。

加藤先生の取り組みの一つは、タブレットバソコンの導入です。2018年の9月から一人一台のタブレットパソコンを使った授業が始まるそうです。これまでノートと鉛筆でやっていた勉強の仕方が変化し、ネットワークの使い方が広がり、生徒たちにとってプラスになると、加藤先生は言います。

また近年、CBT(※注釈)やeポートフォリオ(※注釈)など、ICTスキルが大学入試に大きく関わっています。こうした時代の変化に適応できるよう、単にタブレットを使うだけでなく、表現力・思考力・プログラミング的思考なども身につけていく授業を目指しているそうです。

※「CBT」とは、Computer Based Testingの略で、コンピューターを利用した試験の総称。

※「eポートフォリオ」とは、レポートや授業のプリント、課外活動など、学生の「学び」に関わるあらゆる記録をデジタル化して残すシステム。今後、大学入試ではeポートフォリオの提出を求められるケースが増えると言われている。

加藤先生「近年、特に高等学校の現場で、とりあえずタブレットやiPadを導入し、機械(タブレットなど)を使うことを優先するような授業をしている学校が全国に散見されます。しかし本来のICT授業は、単にエクセル・ワードを教えるだけでなく、生徒自らが、ネットワークの先に何があり誰と繋がるのかを意識し、あらゆる世界、外国までネットワークを広げていくことだと思います。その経験が積み重なることによって、生徒の世界観が広がると考えています。今後、現在ある職業の4割がなくなり、新しい職業が生まれます。そういう時代に社会に出て行く生徒だからこそ、最新テクノロジーと時代に合った考え方を身につけ、ICTやAIを活用した社会(Society5.0)(※注釈)になった時に生きていける素地を6年間で身に付けさせる、それが私の役割です。」

※:Society5.0とは、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、以下のような新たな経済社会をいう。

① サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させることにより、

② 地域、年齢、性別、言語等による格差なく、多様なニーズ、潜在的なニーズにきめ細かに対応したモノやサービスを提供することで経済的発展と社会的課題の解決を両立し、

③ 人々が快適で活力に満ちた質の高い生活を送ることのできる、人間中心の社会

3.強い心を育てる教育

赤塚 宏子 先生

【プロフィール】

《氏名》 赤塚 宏子 先生

《役割》 昔から続く大妻中学高等学校の良いところや、“心を太くする教育”を伝承。

《これまでの経歴》長年、大妻中学高等学校の教員として勤務。進路指導部主任などを経て、現職は教頭。

冒頭の成島校長のインタビューの中で、こんなお話がありました。

成島校長「大妻の生徒たちに伝えていきたいのが“心を太くする教育”です。

今がピークではなくてもいいよ、でも今の自分で満足してはだめだよって。

いつかそこ(自らのなりたい夢、ビジョン)に行ってやろうという野心・たくましさが必要なんです。」

その“心を太くする教育=強い心を育てる教育”を続けてきたのが、赤塚先生をはじめとした、以前から大妻にいた先生たちです。

社会に役立つ女性を育てるために、赤塚先生が大切にしていることが2点あると言います。

1点目は、行事と部活動を通じて生徒を育てること。

赤塚先生「体育祭などの行事では、高校生が自分たちで様々なアイディアを出し、下級生を引っ張っていきます。そうした中で、集団の中でどう動くか、すなわちリーダーとして集団をまとめるのか、裏方としてみんなを支えるのかなどを学び、責任感、創造性を身に付けていきます。と同時に、自分たちが中学生の時に、先輩が引っ張ってくれたことに気付き、あらためて人への感謝の気持ちが芽生えていく。そんな風に6年間を通して、思いやりがあり、たくましい女性へと成長していきます。

部活動も同じです。先輩になれば、後輩を指導したり、時には同級生に嫌なことを言わなくてはならないこともあります。様々な人間関係の中で、社会に出てもやっていける力を身につけていきます。」

赤塚先生が大切にされているもう1点は、勉強をしっかりとする生徒を育てることです。

赤塚先生「私は世界史を教えていますが、基礎からしっかりと学ぶことで、事実が明らかになり、他人に対して論理的に説明する力がついてきます。物事を追及する勉強をしたことが、自信につながり、自己肯定感が芽生えてくる。そうした生徒たちをたくさん見てきました。生徒たちが大人になっていくお手伝いができる場にいられる幸せを日々感じています。」

4.トップ大学を目指す進路指導

森 英人 先生

【プロフィール】

《氏名》 森 英人 先生

《役割》東大をはじめとするトップ大学への進学実績向上を目指すために、エグゼクティブアドバイザーとして主に教員へのアドバイスを行う。

《これまでの経歴》 教員人生40年間。最初の32年間を聖光学院中学校・高等学校で数学教員として教鞭を取る。後の8年間は中央大学附属横浜中学校・高等学校の教頭職に就く。聖光では、高1~高3まで初めて学年主任を務めた28期生において創立以来初の東大合格者数30人を記録。聖光最後の6年間は進路指導責任者として6年連続東大合格者数40人以上という目標を達成し、最終年に65人という神奈川トップの結果を残してその後の右肩上がりの進学実績向上の礎を築いた。

成島校長「自分の好きな仕事を軸に、長くお金を稼ぐことが出来る。生き方の選択肢を広げる意味でも、納得いく人生を送る意味でも、高度な学力を身につけ、海外大も含めた上位校への合格が必須です。生徒達が社会に出る時の選択肢を増やしてあげたい、あるいは自分のなりたい将来像により近づけてあげたい。そのために、進学実績にこだわっていきたいと考えています。」

その役割を主に担うのがこれまでさまざまな中高一貫校で実績を出されてきた 森英人 先生。

今年、大妻中学高等学校では現役で東大文IIIに合格した生徒がいましたが、そういったチャレンジャーをもっと増やして、東大・京大・一橋・東工大などのトップ大学にどんどん輩出していきたい、と森先生は話します。

森先生「文科省が大学入試改革で重視している3つの能力は、思考力、判断力、そして表現力。すでに、東大は昔から、今後の日本を支える子供達にどんな力が必要かを入試問題のコンセプトとして発信してきました。だからこそ、(大妻の)先生方も東大の入試問題に真摯に取り組んで、どんな力が必要なのか(先生方自身が)実感する必要があります。そういったことを私から現場の先生に伝え、先生が生徒たちに伝えていく、そういう学校組織を目指しています。」

5.大妻らしい“バンカラ”を

長谷 良一 先生

【プロフィール】

《氏名》 長谷 良一 先生

《役割》 これまでに複数の私立学校で改革のサポートを中心となり行ってきた。”広報のプロ”として成島校長に招かれ、大妻中学高等学校の姿を正しく伝える役割を担っている。

「真面目で大人しい生徒が集まるお嬢さん学校」というイメージを持たれる受験生や保護者の方が多い大妻中学高等学校ですが、実は“バンカラ”な女子校なんだそうです。このバンカラさ・タフネスというのがこれからの社会を乗り切るのに大切なとこで、踏まれても起き上がってくるような強い女性を育てられる女子校は大妻中学高等学校しか残っていないと思っているとのこと。

長谷先生「大妻中学高等学校がどういう学校なのか、広報担当として正しく伝えていきたいです。“バンカラ”な部分を伝えることで、他の伝統校との差別化を計り、入学した生徒がイメージ通りの学校だったと思えるよう、少しずつ変えていきます。」


【編集後記】

お話を伺った先生方は、皆さん魅力的な個性を持っていてお話も面白かったです。その道のプロフェッショナルとして深い経験をされているせいでしょうか。今後のビジョンを聞きながら、自分が生徒だったらどんなにワクワクするだろうと想像してしまいました。

また、先生方と話していて感じたのは、この先生たちのもとで学んだら、一本芯の通った強くてかっこいい大人になれそうだな、ということ。

めまぐるしく変わっていく世の中で、数年後、数十年後は想像もしなかったスキルが求められるかもしれません。そんな時にも“臨機応変に対応して活躍できる女性”、大妻中学高等学校の6年間でそんな風に成長できるのかもしれない、と感じました。

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久保 彩
編集部
教育図鑑
教育図鑑読者の親御さんと世代が近い?アラフォー。
小学校から高校まで、一貫して苦手だったのは数学(算数)と理科。
難解なだけで、面白みのない科目だと信じたまま、大人になり今に至る。
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