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2016-11-21

インタビュイー:国語科 玉水洋匡先生

インタビュアー:教育図鑑編集部 田口亮太

イントロダクション:玉水先生の授業はでは「判じ絵」「漢字パズル」を解くことから始まります。生徒たちの頭を柔らかくすること、また、大人になってからもネタとして使っていける物を授けたいのだそうです。生徒が夢中に解いている様子を想像しながら授業の準備をするのは楽しいとのこと。その他、夏休みのフィールドワークや図書室で行う調べ学習など、ユニークな授業を展開しています。

授業の工夫や授業の様子、考え方などを、使用する教材や生徒の作品とともにお話いただきました。※授業で使う教材や生徒が作成したレポートの写真は一番下にあります。

1. 自己紹介

田口自己紹介をお願いします。

玉水先生:名前は玉水洋匡といいます。担当教科は国語で、今は中等科3年生を受け持っています。部活は主に古武道部の顧問をしています。教員歴は今9年目になります。私の経歴はちょっと変わっています。ここ最近、学習院の教員は、大学院を出られてから、あるいは中途採用と言う、一般の企業に勤められてからの方が多いんですが、私は、大学学部卒で入りました。ずっと現場でやって来て、今9年目の31歳です。

2. 先生になった一番の動機

田口:先生になった一番の動機を教えてください。

玉水先生:私自身が、これまでとてもいい先生にも会ったし、反面教師になるような先生にも会ったんですけれども、「先生」という存在との出会いっていうのは大きいと思います。小学校ぐらいから先生という職業には興味があって、小学校の先生がとてもよくしてくれたというか、面倒見のいい先生方ばかりだったので、そこで興味を持ちました。今、国語の教科を担当してるんですが、もともとの専門は系統が違っていまして、そういう道に引き込んでくれたのも、高校の先生でした。小、中、高と、それぞれの先生の影響を受けたかなと思います。

田口:国語の教師になろうと決めたのはいつですか?

玉水先生:はっきり決めたのは高校生ですかね。小、中ぐらいまでは社会の先生にも興味がありました。大学では副免という別の教科の免許も取れるので、私、地歴も持っていますが、国語の先生を選んだのは高校生ぐらいですね。

3. これまでに習った尊敬できる先生

田口:これまでに習った先生で、尊敬できる方を具体的に教えてください。

玉水先生:まず、小学校2年生の担任の先生です。給食の時間に、いつも本を朗読してくださったんです。毎日なんですけど。放課後も読書を勧めてくれて、今やっているような授業をする教師になったのは、やっぱりその時の本との出会いっていうのが大きいかなと思います。5、6年生の時の先生は、自分の興味のあることを長期休みの時に調べておいでっていう新聞作成のような課題を出して、それをすごくよく見てくれたんです。その時にやったことが、今、自分の血肉になってるかなと思います。中学校の時もやっぱり国語と社会の先生が好きで、いろいろ教わりに行ってましたね。その頃、自分で展覧会等を見に行くようになったんですけど、それを先生に紹介しに行ってました。私、大学が日本文学科と言いますか、国文科で民俗学という学問を勉強していて、その道に引き入れてくれたのが高校の先生でした。自分の知らない分野の勉強を教えてくれた先生がいて、その先生がいなければ、多分私が出た大学を選ばなかったですし、もしかしたらここにもいなかったかもしれません。

4. 好きな本・影響を受けた本

田口:好きな本・影響を受けた本を教えてください。

玉水先生:本当に純粋に好きな本と、この道に進んだきっかけみたいなのを、お話ししたいと思います。私が小中学生の頃一番好きだった本は、「サンタクロースの冒険」という童話、外国文学です。「オズの魔法使い」と聞くとお分かりになる方も多いと思うんですが、「オズの魔法使い」の原作者が書いた別の物語で、とても優しいタッチで書かれていてすごく引き込まれた覚えがあります。要はサンタクロースが主人公で、1人の人間としての人生が描かれています。サンタクロースは、子どもために何が出来るかとか、子どもを喜ばせたいとか、そういうことを考えている主人公なんです。なんかかっこつけてしまうと、その影響もあるのかなと思います。物語の中で、サンタクロースが何か子どもを喜ばせようと思って考えていたようなことに影響を受けて、今の私があるような、そんな気がします。純粋に、本当に好きな物語です。

「サンタクロースの冒険」 ライマン・F・ボーム 著 田村隆一 訳

田口:なるほど。

玉水先生:もう1つはちょっと聞くと眉をひそめられるかもしれませんが、「学校の怪談」という本があります。映画やドラマになった児童書もあるんですが、実は専門書、大人がまじめに研究した本でも、「学校の怪談」というのが角川書店さんから文庫で出ています。これが、私が大学で民俗学を勉強したいと思ったきっかけで、実際に私が行った大学に「学校の怪談」の作家の先生がいました。タイトルはちょっと、ん?と思いますけど、その本に書かれているのは結構大切なことで、話すと1週間以上経ってしまうのもあるので割愛しますが、それが今も続けてる専門研究のきっかけになったものです。

田口:「学校の怪談」の作者の方が大学の教授をやられてたのですか?

玉水先生:はい。常光徹(つねみつとおる)さんといって、この人に憧れて、大学にも入ったんです。映画にもなった、子供たちが読むような「学校の怪談」も書かれた人で、ずっと学校の先生をしながら研究をされています。今は大学の名誉教授なんですけど。

田口:好きな本の作者がいる大学に入学して、そこで教えてもらうっていうのは、なかなかないですよね?

玉水先生:なかなかないですね。知ってたのかって言われたら、実は知らなかったんです。高校の文化祭がきっかけでこの本を読んだのですが、こういう勉強をしたいんだって高校の先生に尋ねたら、その研究ができる大学がいくつかあると教えてくれました。そして、自分なりに調べてみて、一番合うと思ったところが自分の出身の大学でした。そしたらたまたま常光先生が教えに来てらっしゃったんです。

田口:なるほど。

「学校の怪談 口承文芸の研究Ⅰ」 常光徹 著

玉水先生:最後はちょっと真面目に国語の話しをしますね。先ほど、小6の時に新聞を作ったっていうお話しをしました。「おくのほそ道」という松尾芭蕉が書いた作品があります。これ実は小学校の時にも訪ね歩いて新聞にしていたんです。その時から興味があったようですね。私は福島県出身で、すごく東北が好きと言うか、関心がありました。「おくのほそ道」を読んで、興味をもって、俳句が詠まれた現場を訪ねたりしてます。小学生の時も東北の何県かを見て回ったりしまして、教師になった今でも松尾芭蕉が亡くなった場所とか、東京でも、当時は江戸ですけど、住んでた場所などを訪ねて歩いてます。句碑っていうのがあるんですけど、そういうのを調べて歩いています。

【編集部注釈:「おくのほそ道」・・・江戸時代に活躍した俳人・松尾芭蕉による約150日間かけて東北と北陸をめぐった紀行文と俳句集。】

【編集部注釈:「句碑」・・・俳句を彫りつけた石碑。】

5. 授業の準備はどんなことをしていますか?

田口:先生は、授業の準備でどんなことをしていますか?

玉水先生:いろいろですね。国語なので極端なことを言えば、全てが授業の準備って感じる時があります。具体的には、国語なので当然本を読みます。まず教科書を読んで、作者について調べ、出来ればその作者の他の本を読んだりもします。ただ、それだけではありきたりというか、授業として面白くならないので、テレビを見たり、音楽を聴いたり、いろいろな角度からも吸収して、生徒たちに伝えられるような材料探しをしています。

田口:生活の中であらゆるところから授業に使える材料が出てくるわけですね。

玉水先生:そうですね。今すぐに使えなくても将来使えるかもしれないので、面白いなと思った新聞記事を取っておいたり、面白いなと思った本は買って読んでストックしたりしますね。あと、テレビもよく見るようにしていて、実は、この後お見せするプリントを作ったのも、今話題の林修先生が出演していたある番組がきっかけです。いろいろアンテナを張るようにして、今の授業形態ができています。

6. 授業で使っている教材

読書デザインノート:多様化する興味関心に対応し、みんなが興味を持って学ぶことができる仕掛けの一つです


田口:どんな教材を使って授業をしていますか?

玉水先生:メインは教科書ですが、それだけでは物足りないので、プラスアルファを行っています。ちょっと授業形態が不思議なんですが、教室で教科書をみんなで読むという授業もしつつ、週1回は図書室で勉強をする時間も設けています。その時はみんなで一斉に同じ作品を読むのではなくて、テーマを決めて自分の関心のある本を選んだり、あるいは作品を作ったりします。実際に授業で使っているものを、いろいろ持ってきました。教室で行う授業の時は、いきなり作品を読もうとすると、授業に入るスイッチが入ってないんですね。休み時間のモードになっているので、まずはこういったプリントを使っています。授業の導入なんですが、「判じ絵」と「漢字パズル」を毎回必ずやっています。「判じ絵」は、江戸時代に流行った、絵を読み解くというものですね。例えばこれだと、ご飯を炊く釜を切っているので、これをカマキリと読みます。


判じ絵 赤枠で囲ったものは「かまきり」を表しています


田口:おー。

玉水先生:林修先生がやってた「THE 博学」という番組で判じ絵が載った本が取り上げられたんです。ちなみに、その判じ絵を研究されてるのも、私の大学の先輩なんですけど。(笑)

注:「THE 博学」テレビ朝日系列で放送されたクイズ番組。全5回。

田口:(笑)

授業の最初に配るプリント 右上は”判じ絵”、左上は”漢字パズル”、右下は本の紹介。



玉水先生:番組には当時都知事だった舛添さんや、林真理子さんなど、いろんな著名人の方が出演されてたんですけど、誰も分からなかったんですね。江戸時代に流行った、ただのなぞなぞではあるんですが、何か知恵のようなもの、当時の文化や考え方がつまっているんですよね。これ、当時の人たちは解けていたんですもんね。最近江戸時代のことを学ぶのが流行ってますが、そういう世の中の動きにも合っていていいかなと思ったので、授業でやってます。1年間、1個ずつ解いた後で、実際に江戸時代に出された絵を渡して、みんなで最後に解いて卒業ということをしています。

図書館を使った調べ学習:この時は「絶滅危惧種」について」本で調べ、最後に自分の考察をまとめたそうです



田口:これは授業が始まって何分ぐらいで行うんですか?

玉水先生:5分から10分ぐらいでやってます。

田口:答えまでたどり着くんですか?

玉水先生:はい。これが面白いところで、パッと答えられる生徒もいれば、ちょっと時間がかかりながらも、ヒントを与えてあげると解ける生徒もいますね。でも、これはみんな食いつきますね。分かった生徒は大体顔を見れば分かるんですけど、答えを黙っててねって言って2、3分時間をおいてから、分かった生徒に答えてもらいます。今、中等科3年生を教えてるんですが、小学生みたいにみんな手が挙がります。恥ずかしがらずに答えてくれるので、まあいいかなと思いますね。また、熟語の知識もつけてほしいので、市販のパズル雑誌の中から先に自分で実際に解いてみて、生徒たちにも解けそうな、まだ知らない熟語を出しています。他の雑誌もあるんですけど、これは全部解ける物なのでこういうのも解かせてます。これも5分ぐらいで、早いと1、2分で解く生徒もいます。

田口:すごいですね。

玉水先生:そういった生徒には挙手をさせて、先に丸付けをしてあげて、待ってる間に次に進めるようにしています。生徒によって能力が違うので、先に見てあげると素直に喜びますね。そういうところでコミュニケーションの時間を取ったりしてます。

田口:ここからはじめると授業が活発になりそうですね。

玉水先生:ええ。どうしても最初から教科書を読むとか、今日は何々の読み取りするよって言うと、眠たくなると言いますか、頭が重くなって、聞く態勢にならない場合もありますよね。それはどの学校も一緒だと思うんですけど。まずは国語を楽しんでほしいなと思います。ただついつい盛り上がりすぎて、時間が過ぎてしまうこともあるんです。長引くこともありますが、毎回こうやって導入をしています。同時に、必ず新聞記事や紹介したい本なんかを持ってきますね。先ほど授業の準備として常に本を読むっていうお話しをしたんですけれども、生徒たちに勧めたくなるような本を常に探していて、その時々に応じて紹介しています。

田口:なるほどですね。

玉水先生:ただ本を紹介するのではなくて、必ず授業に本を持って行きます。すると、その場で借りていく生徒もいます。

田口:なるほど。授業の準備っていうと、ちょっと狭いですけど、1つの授業の前にかなりやることがあるっていう感じですよね。(笑)

玉水先生:そうですね。いろいろ考えてるので、ほんと楽しいですよね。例えば、今日は2分で解かれたから、次はどうしようとか。あるいは、すごく分かりづらくて、すごい時間かかった時は、じゃあ今日はあの簡単なのにしようかとか、生徒たちの顔を思い浮かべながらできるので、そういう意味では楽しいですかね。このプリントは、すぐに捨ててしまってはもったいないので、ノートに貼らせるようにしています。ノート集めをする時に、板書の部分だけを見る先生もいますけど、私の場合はプリントも同時に見て、ちゃんとやっているかを点検するようにしています。

田口:なるほどですね。

玉水先生:これをやってる目的をよく聞かれるんですけど、もちろん今言った、授業の導入として生徒たちの頭を柔らかくするのと同時に、大人になってからもネタとして使える物を授けたいなと思ってるんですね。後で紹介しますけど、田口さんは国語の授業で何を勉強されたかって覚えてますか?

田口:うーん。なんか、みんなで一緒に読んでたっていう記憶はありますけど。(笑)

玉水先生:生徒たちにアンケートを取ると、小学校時代に宮沢賢治のこれを読んだとか、何々をしたっていうのは出てくるんですね。私自身が大人になってよく考えてみたら、読んだ本や作品は覚えてるんですけど、どんな内容だったかとか、どんな授業だったかって、意外と覚えてないなと。今は特に留学する生徒も多いので、こういうネタも提供すると海外でも多分喜ばれると思うんですよね。実際に留学した生徒にも聞いたんですけど、こういう考え方は、外国人にはないので、やっぱり話の種になりますし、日本の文化を紹介する上でも有効かなと考えながらやってます。

田口:ありがとうございます。これが授業の導入ですね。

玉水先生:はい。教室での授業では、生徒たちの頭と体が温まってきたところで、物語を読んでいくようにしてるんです。市販テキストや教員用の指導書にとらわれないようにしています。せっかく学習院に来てもらったので、学習院でしか学べないような学び方を目指していろいろな工夫をしています。一方で、図書室での授業もあるので、そのプリントをいくつか持ってきました。

田口:ありがとうございます。

玉水先生:例えば、教室で絶滅危惧種について勉強する時には、時間的にもそれ以上詳しくやることはできないんですね。教室では、あくまで説明文を理解できるように読み解きます。図書室では、絶滅危惧種にはどんなものがあるかを図鑑などを使って調べさせて、必ず最後に考察を入れる、ということをしています。また、いろんなテーマに別れて、教室での学びとリンクさせるような授業もしています。

田口:なるほどですね。このプリントの答えっていうのは、模範解答がないと思うんですが、最後はどうされるんですか?先生がこれでいいよって区切りをつけるのか、調べたことだからそれが正解だよってなるのでしょうか?

玉水先生:すべてが正解とは言いません。間違っていることも時にはあるので、これは合っているのか、合っていないのかは、きちんと教えるようにしています。具体的に何が間違いかと言うと、調べ方が間違っていたり、テーマからずれている場合は、方向修正をさせます。時には私が思いもよらなかった角度から学んでいる場合は、大いに褒めてるようにしています。積極的に調べられたか、人の真似をするのではなくて、自分なりの考え方で出来たかという点ですね。最後には自分の考察も書かせるんですが、そういったところを評価するようにしています。

田口:ありがとうございます。これが図書室で行う授業ですね。

玉水先生:そうですね。図書室を身近にさせているのはなぜかと言うと、生徒たちに本を読んでほしいと思うんですね。読書指導はあまりやりすぎると、思想統制だとか言われてしまうんですが、9年やってわかったのは、紹介しないと生徒たちが手にできない作品もあるということ。個人の好みに偏ってしまうと言いますか。こちらとしてはいろんな分野の本、例えば小説も読むし、星についても知ってほしいし、音楽についても学んでほしい。本ってジャンルがたくさんあるのに、生徒たちは知ってる物しか手に取らないので、この授業を通してなるべく自分たちで読んでもらえるように教えています。こういった課題・宿題用のノートを使っています。

田口:読書生活デザインノート。

玉水先生:はい。市販のノートなんですが、最低でも月に1冊は読むようにという指導をしています。ただし、1冊以上という言い方をしていて、何冊でもいいんですね。なので、多い生徒は月に5冊、長期休みで10冊読んでくる生徒もいて、たくさん書けば書くほど評価するようにしています。

田口:なるほど。

玉水先生:どうしても読解が上手くいかないとか、漢字が苦手だと、国語がどんなに好きでも落ちこぼれてしまうんですよね。なので、自分は本が好きなんだってアピールできる機会を設けています。逆にこれは苦手だけど、こっちが得意という生徒もいるので、いろんな興味に応じて学んでもらえたらいいかなと。強制でやらせる部分は少なくして、生徒たち自身の興味に応じて増やすようにしてるんです。

田口:ちなみにこの読書生活デザインノートの生徒が書いた感想に対して、先生はコメントを返しますか?

玉水先生:いつも書いてます。交換日記みたいになってる生徒もいます。5冊分書いてあったりすると、正直読むのが大変なんですけどね。(笑)でも、1冊1冊丁寧に書いてくれたのに、見て判子を押してABC評価を付けて終わりじゃ、あまりにひどいなと。生徒たちも時間を割いて書いているので、せめて、読んで私なりに思ったことを書くようにしています。例えば、既に読んでいる本であれば、僕はこう思ったよとか、ここはどうだった?とか。まだ読んだことない本では、実際私も読んでみて感想を書いたり、あるいはこういう作者もいるよと紹介することもありますね。なので、いろんなやり取りをしていますね。無視する生徒もいますし、乗ってきてコメントを書いてくれる生徒もいますね。

田口:普通の交換日記よりもすごく濃いコミュニケーションが取れそうですね。

玉水先生:そうですね。教室には生徒が40人いるので、授業の時だけでは見きれないですね、正直。その時どんなことしてるかは見えますが、1人1人がどう考えているかまではわからないので、いろんな機会を通じて、生徒たちを見たいなと思ってるんですね。ただ、やっぱりいろんな考え方があると思うんですよ。私にももちろんいろんなことに対して意見があるので、時には対立する生徒もいます。でも、それはそれとして私はこう思う、相手はこう思うというのを対話するようにしてます。

田口:なるほど。ありがとうございます。

玉水先生:これらのプリントの結果をまとめたのがこちら(一番下に生徒の作品の写真があります)です。例えば、平成24年には、自然科学、理科の本を読む機会が少ないので、理科系の本を生徒たちが選んで読んで、新聞にまとめるという授業をしたことがあります。

田口:これは大体、何時間ぐらい使うんですか?

玉水先生:この時は、3時間使いましたかね。

田口:3時間で書けちゃうんですか?本を読んで、この新聞を作るっていうのに。

玉水先生:ええ。まず本を読む時間を1時間、たっぷりとってあげます。2、3時間目は、読み切れなかったところをゆっくり読んだり、下書きをして書きたいことを書かせてから清書するという流れです。これは中等科1年生の時なので、私がテーマを決めるんですけど、3年生になると、自分でテーマを決めさせます。例えば、学習院出身の三島由紀夫について書いたり、その時流行ってた「ハリー・ポッター」について書いたり、あるいは絵本の作り方だったり、生徒1人1人がどんなテーマでやりたいかを事前に言って、それについて書くようにしています。(一番下に、生徒の作品の写真があります)

田口:よりレベルの高いことをやるんですね。1年生の時と出てくる作品は同じであっても、そこに至るプロセスは明らかにレベルが高いというか、ステップアップしてますね。

玉水先生:はい。卒業論文を書かせるまでの時間はどうしても取れないので、それに似たようなことをしたいなと思っています。1、2年生はいろんなテーマを読ませた上で、生徒たちの興味に応じて書かせています。また、別の試みとしては、せっかくこの読書生活デザインノートがあるので、アンソロジーのような、1つのテーマに沿ったいろんなお話しを集めて、1冊の本を作らせることもあります。何でもいいんですけど、例えば数学というテーマだったら、数学について書いた人の本を集めて、1冊の数学・数という本を作るというイメージです。実際に作らせるわけではないんですが、いろんな人の作品を集めた作品集を模擬で作ってみるんです。よく本屋さんに「ご自由にお持ちください」っていうチラシがあると思うんですけど、ああいうのを作らせるという感じですね。実際、生徒たちに許可をもらった上で、学校説明会で配ることもあります。

田口:これも卒論のプロセスを体験してもらうということとつながりますね?

玉水先生:そうですね。つながりをちょっと意識させたいなということと、あとは自分の興味のあるものが一体何なのか?っていうのを具現化させることで、今後、高校や大学での勉強にもつながるかなと思いながらやってますね。

田口:なるほど。

玉水先生:最後になりますが、先ほどお話しした「句碑」と言うのがこれ(一番下に写真があります)です。夏休みの宿題では、作文を書かせるのが定番ですよね。でも、生徒たちには、どこか外に出てほしいなとずっと思っていました。私自身もずっと追いかけているので、この石に結構魅力があるなと思っているんです。そこで、今やらせているのが、夏休みに句碑を調べる、「句碑調査」というものです。1人につき、2つずつ調べてきて、渡したテンプレートに調べて書くんです。そうすると、自分の家の近所にこれがありましたとか、家族旅行で行った先で見てきましたとか。写真も付けるんですが、友達同士で行ったり、いろんなズルが出来ないように、ちゃんと自分が写っているようにしました。自撮りもできますし、誰かに撮ってもらうために声をかけたりしますよね。あるいはお寺とかの方に撮っていただいたり、句碑の場所を聞いたり、何で句碑がそこにあるのかをお聞きしたりとか、地元の人とのコミュニケーションにもなりますよね。歴史、あるいは文学の勉強にもなります。これは定かではないんですが、句碑は日本にしかない文化かなと。

田口:なるほど、授業でいろいろ調べてまとめたものは、発表する機会はあるんですか?

玉水先生:発表をさせることもありますし、時間に応じて冊子にまとめさせることもあります。冊子は文化祭で展示をしたり、必ずアウトプットさせるようにしています。



図書館を使った調べ学習:この時は「絶滅危惧種」について」本で調べ、最後に自分の考察をまとめたそうです




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