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教育図鑑
編集部

2016-11-21

インタビュイー:司書 竹内さん

インタビュアー:教育図鑑編集部 田口亮太

イントロダクション:学習院中等科の図書室には授業が終わるとたくさんの生徒たちが集まってきます。一人ソファーで本を読む生徒、自習をする生徒、仲良く集まって映画を見る生徒など、図書室の使い方は様々。「授業が終わったらとりあえず図書室」という生徒も多いようで、とてもいい感じの雰囲気を醸し出している空間です。

1. 在庫書籍数

田口:在庫書籍数を教えてください。

竹内さん:学習院の中高図書室全て合わせると約11万冊です。それは図書室の会館内にある冊数が大体8万冊で、あと集密書庫に入っている分で2万冊近くあって、あとは先生方の各教科の準備室にも本があるので、それを全部合わせると中高図書室に登録されている冊数としては11万冊です。

田口:その集密書庫?っていうのは、ここと別のとこにあるんですか?

竹内さん:はい。奥の方にあるんですけど、扉の中に電動書架があって、その中に本が入っていますね。

2. 同一書籍で一クラス分揃っているもの

田口:同一書目で、1クラス分の本が用意されている本はありますか?

竹内さん:ありますね。

田口:どんな本でしょうか?

竹内さん:うちは今、漢字辞典と「明鏡国語辞典」が、45冊ずつ入ってると思います。中等科の国語で使われることが多くて購入したんですが、今、「漢字源」は高等科でもたまに選択授業で使ったりしてますね。

田口:授業で図書室に来た時に使ってるのですか?

竹内さん:図書室だけではなくて、ワゴンに乗せて、教室に先生が持って行って使う場合もあります。

田口:例えば、英語の辞書でもそういう使い方をするんですか?

竹内さん:英語の辞書は1クラス分は入れてないです。中等科の英語は、習熟度でクラスが分かれるので、みんなで同じことをしてないからなのか、辞書を40冊そろえてくださいって言われたことはないですね。

「明鏡国語辞典」第二版 北原保雄 編「漢字源」改訂第五版 藤堂明保、松本昭、竹田晃、加納喜光 編

3. 座席数

田口:座席数を教えてください。

竹内さん:今、閲覧席は全部で69席あります。あと中等科と高等科に、それぞれ共同研究室という部屋があるんです。そこは授業で使うことが多いので、35名から40名は座ることが出来るんですが、いつでも自由に使える席は69席です。

田口:中等科と高等科の利用時間は区別されてるんですか?

竹内さん:いえ、同じ時間です。朝も使えるんですけれども、主には、昼休みと放課後になります。

4. 生徒の利用頻度

田口:生徒の利用頻度として、月に何冊ぐらい借りているか、教えてください。

竹内さん:やっぱり中等科1年生が一番借りて、だんだん少なくなってしまいますね。全く借りないという生徒も当然いますし、借りる生徒は毎日でも借りに来てるので、1人ずつの利用冊数は、数字としては出しにくいですね。すみません。

田口:わかりました。中等科1年生が多くて、だんだん減っていくというお話しでしたが、何か理由はありますか?

竹内さん:見ていて思うのは、学年が上がるにつれ、好みがだんだんはっきりしてきて、図書室に読みたい本がなくなってきてるのかもしれません。あと、自分で好きな本を買うようになるのかなと思います。よく本を読んでいる生徒の話を聞いていると、高等科生になると、本を借りるよりも自分で買いに行くみたいです。中等科1年生のうちは小説とかが多いので、借りて読んでる生徒が多いように思います。

5. リクエストがあった本の購入

田口:生徒からリクエストがあった本の購入はありますか?

竹内さん:あります。「購入希望」という用紙があるので、それに書いて提出すると、図書主任の先生方で判断していただいて、OKが出れば購入ということになります。

田口:そのリクエストは、どれぐらいの割合で採用されますか?

竹内さん:本校の図書室はライトノベルは購入していないんです。すでに入ってるタイトルについては続きを買うんですけど、新たにはなるべく買わないようにしているので、通りにくいのもありますね。それ以外の本は割と採用されている気がします。すごく高い本とかじゃなければ。

田口:じゃあ、世間で流行ってるような小説とかはちょっと採用されにくいっていう感じですか?

竹内さん:いや、中等科の先生方は、何でも読んで欲しいという気持ちがありますので、あんまり厳しくはないような気がします。ただ、小説はこちらでも選んで結構な冊数を買ってるので、あんまり希望は出ませんね。年によって希望の傾向がだいぶ違いますが、鉄道とか戦車のカタログ本の希望が出ることがありますね。そういうのは、2、3回に1回は採用されてるんじゃないかな。

田口:結構マニアックなところついてくる感じですかね?

竹内さん:そうですね。(笑)

6. 貸出ベスト3

田口:貸出のベスト3を教えてください。

竹内さん:これがすごく難しいんですけど、小説で人気があるのは、東野圭吾さんとか、星新一さん。中等科生だと「ぼくら」シリーズがよく借りられるかなと思います。あと、青い鳥文庫も少しあるので、はやみねかおるさんの「怪盗クイーン」シリーズが人気です。あとは「ジュニア空想科学読本」シリーズですかね。あとは鉄道や、戦艦、戦車は、人気があります。なので、この1冊がすごく人気があって、いつもいつもみんなが読んでるっていう感じではなく、シリーズやジャンルで括ると、そこから自分の好きなものを読み進めていく生徒が多いのかなと思います。

「ぼくら」シリーズ 宗田理 著

「怪盗クイーン」シリーズ はやみねかおる 著

「ジュニア空想科学読本」シリーズ 柳田理科雄 著、きっか 絵

田口:学年ごとに傾向はありますか?

竹内さん:1年生のうちは、読みやすい本、それこそ鉄道とか借りていく生徒が多いんですけど、2年生、3年生になるとだんだん読み物が増えますね。

7. 生徒に読んでほしい本

田口:生徒に読んで欲しい本はありますか?

竹内さん:私は何でも読んでもらいたいと思ってるので、ただ文字が書いてあるものばかりではなくて、写真集とか、それこそ図鑑や、画集なども読んで欲しいなと思ってます。なるべくそういうものを、書棚にずっと展示をして、目に触れるようにしたいなと思ってるんです。

8. 先生が好きな本

田口:先生が好きな本を教えてください。

竹内さん:それこそ読み物ではないんですけど、私、小学館の図鑑「NEO(ネオ)」シリーズの「水の生物」っていうのが好きです。(笑)

「図鑑NEO 水の生物」白山義久ほか 指導・執筆、松沢陽士 楚山いさむほか 撮影

田口:いつ頃から興味があったんですか?

竹内さん:私、もともと文系なんですけど、社会に出てから国立科学博物館でちょっとお手伝いする機会があったんです。棘皮動物(きょくひどうぶつ)っていう、棘(とげ)と皮って書く動物で、ヒトデやナマコ、ウニ、ウミシダなどの仲間を研究してる部屋によく行ってました。そこにある本は、自分の知らない世界だったのでよく見てて、そのあたりから好きになりました。

国立科学博物館

田口:司書になったきっかけはなんですか?

竹内さん:きっかけは、もともと母校で図書館のお手伝いをする機会があって、それで司書という仕事を知ったので、資格を取って、働いてみようかなと思いました。

9. 生徒の特徴

田口:この学校の生徒は、どんな生徒ですか?

竹内さん:男の子ってよくお話しするんだなって思いました。あんまり静かじゃないんだなっていうか、私たちに対しても、おしゃべりをしてくる生徒も多いですし。そういう意味だと、この図書室はあまり静かな図書室ではなくて、ちょっと賑やかなぐらいかもしれません。昼休みも、少しお話ししながらっていうのは、注意はしないので、私に相談してくる生徒もいますね。なので、割とのんびりというか、この部屋の中の雰囲気は、いいんじゃないかなと思ってます。生徒も少しのんびりした生徒が多いですかね。

田口:相談されるっていうのは、こういう本探してるんだけどっていう相談ですか? じゃなくて特に関係ない相談?

竹内さん:関係ない相談も。(笑)関係ない相談というか、普通のおしゃべりも多いですね。部活の話しだったり、お休みにどこ行ったとか、何を食べたとか、そんな話しもしますよ。

 

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