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母校取材
2016年11月22日

" 興味"をつなぐ工夫がいたるところに!

取材日:2016年11月22日
インタビュイー:川畑佳世先生
インタビュアー:慶応義塾大学薬学部 4年 山本理紗子 編集部

山本:蔵書数はいくつでしょう?

川畑先生:約43000冊です。

山本:43000冊。すごいですね。(笑)。知らなかった。

川畑先生:検索機があるから、蔵書数を調べられますよ。

山本:検索機があるんですね。

川畑先生:あります、あります。

山本:座席数はいくつでしょう?

川畑先生:座席数は大きなこの机に座れるのが36名、こちらの個別テーブルが14名、なので合わせると一応50席です。

山本:50席

川畑先生:あちらにコンピュータコーナーがあるので、コンピューターコーナーの座席数が6割。だから最大座れるのは56名です。

山本:学生の利用頻度、月に何冊くらい借りますか?

川畑先生:そうですね、多い少ないはあるんですけど、月にだいたい700から800冊ぐらい借りてます。

山本:そんなに借りてるんですね。(笑) 学生の頃は全然来なかったんですよ、図書室。(笑) 生徒からリクエストがあった本の発注サービスはありますか?

川畑先生:ありますよ。あのカウンター席のところにリクエスト用紙があるので、それに書いてくれれば、こちらで審査はありますが、買います。 1番高かった本が、江戸の大辞典だったかな。 「江戸時代語辞典」。

「江戸時代語辞典」 潁原退蔵著 尾形 仂編

山本:へー。

川畑先生:どうしても江戸時代のことが詳しく知りたいと言われたんで、22000円。

山本:え?高い。

川畑先生:私たちは、値段じゃなくて読みたい本で興味があって、どうしてもそれが欲しいというのであれば、買います。

山本:何年生くらい?

川畑先生:高校3年生。

山本:高校3年。なるほど。歴史とか。

川畑先生:そうそう、歴史とか、何でしょうね、明治時代から江戸時代にかけての言葉わかると、例えば「たけくらべ」とかでも、わからない言葉を調べるのにもいいかなあと。

山本:すごいですね。

編集部:ちなみに、リクエストの採択率ってどのくらいですか?

川畑先生:率ではないですが、リクエストは一応、芸能人関係本とか、あとノベライズ物、原作がマンガとか、映画を小説にしたものは買わないことにしてるんです。

編集部:そうなんですか。

川畑先生:図書室にないので逆にリクエストされることが多いです。それはリジェクトということになりますね。

編集部:じゃあ、それ以外の分野であれば

川畑先生:もちろん、買います。(笑)

山本:おお!

編集部:おお!

川畑先生:逆に、ドラマの原作で、ドラマがおもしろかったので原作を買ってくださっていうことだと、買います。

山本:なるほど。

川畑先生:採択数は比較的多い方なんじゃないかなとは思ってます。結構自由度があって。そのシリーズ物でも、これは北方謙三の文庫なんですけど「大水滸伝」19冊とか、結構その文庫のタイミングとかで買ったりしてます。

「大水滸伝」北方謙三著 

山本:じゃあ貸出ベスト3を教えてください。

川畑先生:去年のベスト3は1位が「王妃の帰還」と「図書館戦争」でした。「王妃の帰還」は現在貸し出し中で、3位が「探偵の探偵」という本でした。これは図書委員会の買い出し本で、生徒と一緒に買いに行った本なんですけど、実際生徒が読みたい感じの本というのは、みなさん借りていってくれるので 貸し出し中。ちなみに先月10月はですね、やっぱり映画化とかドラマ化の影響が大きかったのか、インフェルノと水族館ガールがともに1位になっています。 それから、京都の調べ学習が始まったので、3位に食い込んでいるということですね。やっぱり時期に合わせて図書館も貸し出しが変わっていく感じですね。

「王妃の帰還」柚木麻子著

「図書館戦争」有川浩著

「探偵の探偵」松岡圭祐著

山本:生徒に読んでほしい本を教えてください。

川畑先生:生徒に読んでほしいのは、図書館に大妻の100冊のコーナーがあるので、100冊のコーナーをぜひ活用してほしいですね。 生徒に読んでほしい本では、中学校一年生に読んでほしい本と高校3年生に読んでほしい 本は違うわけです。そのために図書館に中学校1年生から高校3年生まで活用できる大妻の100冊をぜひ読んでほしいなと思います。 中学100冊、高校100冊あります。

編集部:100冊はどういうかたちで選定されたんですか?

川畑先生:中高の国語科の教員がみなさんで相談して選びました。

山本:へー。

川畑先生:学年の中学校1年生の担任の国語の先生が中心になって、中学1年生向けの本を25冊選びました。同じように、2年生、3年生の先生方が同じように選んで、3学年で計75冊。中学生の先生方が集まって、プラス25冊という形で、100冊にしました。それをさらに優しいものから25冊ずつ分類してAレベルからDレベルまで。高校の方はEレベルからHレベルまでそちらに難しさ順に並んでいます。高校生だったら勉強してほしい内容も含まれています。生徒は、入学時に読書の手引きという大妻の100冊が入っている冊子をもらっています。どんな本があるかのチェックリストもついています。 新書バージョンもあります。大妻の新書200冊。例えば経済学とか勉強したいな、と思ったときにどこから勉強すればいいかがわからない。経済の考え方がわかる本とかゼロからわかる経済学の本というところから入門編的に入ることができるわけです。興味関心のあると思われる分野の基本書がそろっているので、まあこういうところを見てくれれば、とまあいろいろわかることもあるんじゃないかなと思って。これは社会科の先生を中心に、あといろんな先生に伺っていろいろ決めました。(笑)

編集部:難しい本もありますね。

川畑先生:そうそう、だから世界史の先生が教えてくださるから、こういう世界史の本が充実、とか。英語の先生が教えて下さった国際関係とか、こういうことによって自分の進路にについて考えている人たちの基本書として利用できるようになっています。新書の200冊には難しさとか、読む順番とか、経済学だったらこれこの順、社会学だったらこれこの順っていう風に分類分けしてあるので、それを見てくれればわかるようになってます。

編集部:なるほど。興味を持った本を読んだ後、次に興味をつなぐ工夫がすごいですね。

山本:(笑)

編集部:東京大学の教養学部の「教養のためのブックガイド」みたいですね。

川畑先生:あ、そうですか。そんなお褒めをいただき、ありがとうございます。。

山本:(笑) 編集部:(笑)

新着図書の書棚
新着本のディスプレイ
図書委員さんの買い出し本ディスプレイ

編集部:それにしても楽しいディスプレイですね。こちらも興味をつなぐ工夫が・・・

川畑先生:これは中学生が青い鳥文庫ばかり読んでいるので、次の1歩、もうちょっと難しい本を読んでほしいです。自分が好きなジャンルから、どこに進めばいいのかなっていうのを紹介してるんですよね。

編集部:青い鳥をキッカケにして。

川畑先生:そこから一歩進んでほしい。

山本:なるほど。

編集部:なるほど。

川畑先生:はい。(笑)

編集部:この棚は・・・

川畑先生:はい、これが“新着の棚”です。新しい本は全て紹介が出ているので、例えば図書館が閉まっている時間っていうのは、どんな新しい本が入っているのかなっていうのは、ここで見ることができます。 例えば貸し出ししてても、新しく入ったんだっていうのがわかるようになってます。

山本:はい。よく見てました、ここは。

川畑先生:そうでしょ?暇つぶしに最適。

山本:(笑) 編集部:(笑)

川畑先生:あとこちらは、今年の夏に図書委員さんのみなさんで本屋さんに買い出しに行ったときの“図書委員さんの買い出し本”です。これは生徒自身が選んだ本で、結構その今時な本。このときはちょっとゆるく、買ってあげるよっていうことでこういうシリーズになっています。はい。

山本:図書委員で買いに行ったんですね。

川畑先生:図書委員で。図書委員が中学と高校で併せて10人で、あの希望者を募って夏休みにね。図書委員はボランティアで交通費も自腹で払ってちゃんと買いに行ってくれる。

山本:中学生も高校生もいるんですか?

川畑先生:はい、います。

山本:ふーん。

川畑先生:普段、中学生が読む本もあれば、高校生が読む本もあるっていう形になってます。

編集部:買いに行くっていうことはどんな意味があるんですか?

川畑先生:はい、図書委員は、本が好きだから特権ですよね。1人予算だいたい2万円くらいなので、自分の好き放題買える、これもそれもあれも買えるっていう。図書委員が本屋さんで爆買いっていう。

山本:楽しそうですよね。(笑)

川畑先生:楽しそう。すごい、毎年絶対行きたいって言う図書委員もいます。あれもこれもそれもって、持ってきて。

山本:そうだったんですか、知らなかった。(笑)

川畑先生:季節の変わり目で、クリスマスって言っても、ただクリスマスの本を置くんじゃなくって、やっぱりクリスマスから、初めての聖書とか、あとクリスマス関係の小説とか、お菓子の作り方、いろんなことをそのそろえているんで、ここから一歩踏み出して色んな事に興味持ってほしいな、みたいな感じでいろいろそろえています。英語の本とかもありますし、あとキルト、そういうのも特集して。こういう風にいろいろやってます。

編集部:こういうおしゃれなディスプレイって、ずいぶん前からされてるんですか?

川畑先生:そうですね。ここ開館してからすぐ始めました。

編集部:開館はいつくらい?

川畑先生:11年か2年前ですね。例えば今年だったらオリンピックがありましたよね。そしたら例えば夏前にブラジル特集とかやってオリンピックだけじゃなくって、ブラジルってどんな所だろう?みたいなことは特集したりとか。なので年に10回程度はやっています。学期に2,3回は変えるように、はい、してます。

編集部:すごいなあ。本が繋がっているわけですね。

川畑先生:はい、そうですね。なんかこう、こうやって出すと今まで、この本いい本なんだけど借りられないなーという本もやっぱり借りていってくれるんですよ。これ、こういう本あったんだ、面白いって感じで。

川畑先生:ありがとうございます。

山本: (笑)

川畑先生:という感じです。あ、でももうオススメの本まで行ったんだもんね。あとは私の好きな本。

山本: そう、好きな本ですね。

川畑先生:私の好きな本は。

山本:出ますか?

川畑先生:そうですね。 文学系とかも好きですけど、美術関係の本が好きですね。

編集部:1冊っていうのはありますか?例えば、無人島に持っていきたい・・・

川畑先生:無人島ですか?無人島に持っていきたい1冊は「モンテ・クリスト伯」ですよね。

山本:(笑)

川畑先生:絶対どうにかなるだろうっていう。

「モンテ・クリスト伯」アレクサンドル デュマ (著)

これから大妻に入るっていう子に1冊推薦するとしたら何ですか?

川畑先生:そうですね、いろんなところで推薦してるんですけど、あの大妻だとやっぱりその入試、国語を勉強して超えていかないといけない、結構難しいんですよ。そうすると『しろばんば』くらいは読めないとちょっと厳しいかなって、『いろばんば』を読みこえられる力がないと入ってきてからも結構きついかなって思いますね。

「しろばんば」井上靖著

編集部:「しろばんば」の他にもう1つ、どうでしょう。

川畑先生:『しろばんば』の他にですか?いろいろ読んでほしいんで、例えば「銀河鉄道の夜」とか読んでくれたら、その宮沢賢治という人に興味を持って、詩とかにもいってくれるんじゃないかと、やっぱり詩とかも読んでくれる人は少なくなってきてるので。詩とか俳句とかそういうものを読んでくれるとありがたいなっていうのを思ってます。

「銀河鉄道の夜」宮沢賢治著

スイーツの書棚
クリスマスのデイスプレイ

山本:話がガラッと変わるんですけど、川畑先生から見てこの学校はどんな生徒が多いですか?

川畑先生:そうですね。図書館に来てくれる子は本当にすごく真面目でいい子ばかりがほとんどですね。本も熱心に読みますし。あとそうですね、単純にいろんな飾りとかも、「なんかダサい」とか、「わー、うれしい」とか反応してくれるので張り合いが出ますね。じゃあがんばろうかなって感じになるんで、やっぱり素直に図書館を楽しんでくれる生徒が多くてその点はすごくありがたいことだなと思ってます。はい。(笑)

編集部:図書の貸し出しで大妻ならではの特徴ってありますか?

川畑先生:大妻ならではの特徴、うーん。興味持ってくれる人が多いんでお菓子作りのコーナーとかがとんでもなく充実しています。

編集部:ほう。

川畑先生:お菓子作りコーナーがですね、これだけ全部そうなんですよ。で、ものすごく借りられます。例えば自分が読みたい小説とかと一緒にお菓子の本。あの、こういう本は、作るためだけじゃなくて、眺めることが多いんじゃないかなと思うんですけど。結構やっぱりこういうお菓子とか、フェルト系とか色々と新しいものを取り揃えて入れているので、生徒に「何だこんなのあるんじゃん」って言ってもらえると、よし!と。(笑)

山本:アハハハ。

川畑先生:この、今流行りのスイーツデコとかね。

山本:へー。

川畑先生:この、クッキーとか。

山本:えー、あーすごい。これ作るの?

川畑先生:作るの。

山本:すごーい。

山本:あそこ、季節で変わりますよね。

川畑先生:あ、そうそう。クリスマスはああいう感じですけど、ハロウィンはまた違うのにしました。

山本:なんか、あそこが変わるのが割と楽しみでした。 アハハハ。すごい可愛い。季節感が出てすごい好きです。

川畑先生:そう言っていただけるとやっぱりこっちも張り合いがある感じですね。

編集部:図書館の事務室って何名くらいいらっしゃるんですか? 川畑先生:うちですか。3人で。

3人で。

川畑先生:はい、私とあと2人。

編集部:全部それでやられるんですか?

川畑先生:はい。だから、結構忙しい。 だからもう色んなことをもう、あのもう毎日毎日ひー、みたいな感じ。(笑)

編集部:すごいな、3名とは。忙しそうだなあ。

川畑先生:うちはほんとに3人でやって、しかも自分たちで首を絞めていくんですよ。今回の首絞めはあの、スタンプラリーをやろうみたいになって、今スタンプラリーをやってます。

山本:へー。

スタンプキャンペーンは期間中は毎日実施中
手作りの栞 可愛らしいですね

編集部:どのようなスタンプラリーですか?

川畑先生:1回本を借りてくれるごとにハンコを押していって5回借りてくれると、栞をプレゼント。

山本:(笑)

川畑先生:それをやってます。高校生とか呆れるんじゃないかなとか思ってたら、「こういうのもらえるんですか」と案外喜んでくれてます。(笑)こんな栞です。

山本:可愛い。

川畑先生:よかった。作りながらうーん、 “いらない”って言われたらどうしようって、なんかみんなこんなんでいいんですか?って、作ってよかったって。(笑)

編集部: 素晴らしいですね。

川畑先生:ありがとうございます。ということで、こんな風にして自分の首を絞めながら。

山本:(笑) 編集部:(笑)

川畑先生:まあまあまあ。そんな感じです。ありがとうございます。

山本:ありがとうございました。 編集部:ありがとうございました。

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