説明会レポート

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取材日:2017-08-26 ライター:教育図鑑編集部 田口亮太 説明会名:学校説明会 開催日:8月26日(土)、8月27日(日) 天気:晴れ アクセス:JR山手線 新大久保駅より 徒歩5分 地下鉄副都心線 西早稲田駅より 徒歩8分 JR中央総武線 大久保駅より 徒歩10分 JR山手線 地下鉄東西線 高田馬場駅より 徒歩12分 地下鉄副都心線 大江戸線 東新宿駅より 徒歩12分 予約:公式HPより 参加人数:26日2,022名 27日2,212名 合計4,234名

イントロダクション 8月26日(土)、27日(日)の学校説明会では大きく分けて①全体会、②各テーマごとの学校紹介、③部活動公開の3つが行われました。全体会では学校概説として、建学の精神・教育理念、学習指導、生活指導、入試問題についての説明が行われます。各テーマごとの学校紹介では、各教科ごとにミニ説明会や、授業で使用する教材や生徒のノート、生徒が作成した作品の展示が行われます。各教室にはその教科の先生や生徒がいて、質問することもできます。理科の紹介では、物理部の生徒による自作ドローンや自作3Dプリンタ、地学部の生徒による小さな竜巻を起す実験、生物部のコーナーではアオダイショウの抜け殻やハクビシンを解剖して作った剥製などの展示があり、参加した小学生たちと生徒が活発に会話をしている様子が印象的でした。

全体会・各テーマごとの学校紹介・部活動公開の全てを回るとほぼ1日かかります(※当日の詳細は海城中学高等学校公式HP掲載の学校説明会案内図もご確認ください)。 学校としての大きな方針、各教科ごとの方針・具体的な教育内容、部活動、設備、先生、生徒、学校の雰囲気など、参加した小学生や保護者の方たちは、海城中学高等学校のことを深く知ることができる1日になったことでしょう。

第1部では全体会の内容をレポートいたします。 第2部では数あるテーマ別学校紹介の中から、展示の一部を写真で紹介していきたいと思います。

1.第1部 全体会校長挨拶

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説明者:柴田澄雄校長 内容:校長挨拶

昨年より「チーム海城」として、教職員全員参加の学校説明会を実施しています。本年は2年目にあたります。昨年度は初めての取り組みということもあり、至らない点がありましたが、本年度は皆さんのご要望・ご意見を積極的に取り入れ、より充実した内容にすべく、教職員一丸となって、改善を進めて参りました。本日は、この全体会とは別に各テーマごとの学校紹介を用意し、本校の教育の取り組みについて色々な視点から広く深く、ご理解頂けるように企画しました。

私学の教育は学校があらかじめ建学の精神、教育の理念を提示させていただいて、それに共感していただいた保護者のご子息をお預かりして、学校と保護者が一体感を持ちながら教育するのがあるべき姿です。皆様には海城の教育の取り組みをご理解いただいて入学していただきたいと思います。

2. 建学の精神・教育理念

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説明者:校長特別補佐 中田大成先生

内容:建学の精神・教育理念

海城中学高等学校は今年で創立から126年目を迎えます。東大、京大、一橋大、東工大などに毎年80名から100名ほどの生徒が進学、ここ数年は国公立の医学部にも30名から40名の生徒が合格しています。私立大学では早稲田が150名前後、慶應は100名前後、私立大学医学部へも100名程度の合格を得ています。このように進学校として成果を上げていますが、進学実績だけでなく、教育理念、建学の精神に賛同していただいた方に入学していただくのが大前提です。

建学の精神・教育理念

本校の建学の精神は「国家・社会に有為な人材の育成」です。これは古賀喜三郎が開校式の演説で語った言葉です。それに対して教育理念は、戦後新制の中学・高校として再スタートを切ったとき以来、先生方の間で練られてきた価値観です。それは「公正基底的リベラリズム」という少し堅い言葉ですが、要は公正さを前提とした自由主義です。生徒各人の幸せ・善きことは生徒各々の自由意思に基づいて選択、実行、実現されるべきものであり、教員は彼ら生徒たちに寄り添って柔軟にそれを支援するという考え方です。ただし、何でもありの自由主義ではなくて、その前提に公正さを位置づけているのが特徴です。

新しい人間力と新しい学力

社会で有為な人材とは人間力と学力がバランスよく備わった人です。ここでいう人間力・学力とはその時代が要請する新しい人間力・新しい学力を含み持っていなくてはなりません。

【新しい人間力としてわれわれが考えている能力】

● グローバル化した国際社会の中で国籍や文化背景が異なる人々とも、その異質さを乗り越えて共生するために必要な対話的なコミュニケーション能力

● 異質な者同士が互いのいいところを引き出し合って、高いパフォーマンスを達成するコラボレーション能力

【新しい学力として考えている能力】

● 従来の知識獲得型の能力ではなく、課題設定・解決型の能力

システムが非常に複雑化している日本の社会では解決困難なさまざまな問題があります。そういったものをわれわれは一つひとつ解決していかなければなりません。そこで必要とされるのは、まずは課題を設定する。それを解くために必要な情報を集める。それらを分析し、熟考して何らかの価値判断を加えてソリューションを導き出す。そしてそれを周りにわかりやすく伝える。そうした力のことを課題設定・解決能力としています。

2つの体験学習

新しい人間力を養成するには徳目主義的な座学ではなく、身をもって学ぶ体験学習が重要であると考え、二つの体験学習プログラムを用意しています。

1.プロジェクトアドベンチャー

・・・グループで何らかの課題に取り組み、それをみんなでクリアしていく。この活動を通してコミュニケーション能力を養っていきます。中学1・2年生を中心に行っていきます。

2.ドラマエデュケーション

・・・演劇の手法を使いながら人間関係力や創造力を養うものです。イギリスやヨーロッパを中心に行われていますが、これは中学2年生・3年生を中心に行います。

探究型の総合学習

課題設定・解決能力については、早くから探究型の総合学習がふさわしいと言われていました。海城では92年の改革元年から社会科がそうした取り組みを始めました。中1、中2、中3の3年間、社会に配当される週4時間ないし5時間の授業の内、半分の2時間は系統学習ではなく、与えられたり、選んだ課題の解決に取り組みます。そしてその成果を毎学期末にレポートにまとめます。中3になると、1・2学期かけて一人一人が最低30枚の卒業論文をまとめます。

総合的な学習の話をしますと誤解されがちなんですが、やはり教科活動においては従来型の系統学習と総合的学習、これをバランスよくやることが重要です。

3. 生活指導

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説明者:生活指導部長 八塚憲郎先生

内容:生活指導部の基本的な考え方と教育方針

ニュージェントルマン教育

海城が学校として生徒たちに託す方針は、高い知性と豊かな感性を持つ新しい紳士、ニュージェントルマン教育です。それを目指すための生活指導部のキーワードを『共生と自立』においています。 イギリスのジェントルマン教育は、例えばイートン校を始めとするパブリックスクールの「スモールジェントルマン教育」が有名ですが、海城があえて新しい紳士としてのニュージェントルマン教育を掲げているのは、昔ながらの特権的なジェントルマン教育を目的としているからではありません。それは自分とは全く質の異なる他者と長く共に生き、活動できるようなパーソナリティと知的教養を備えていく意味での紳士であり、特に「共生」の観点から下記の4点を大切にしています。

●フェアな精神・・・ものごとを判断するときは、相手と自分の立場を入れ替えてもなお同じ判断ができるかどうかを常に自らに課すフェア(公正)な視点を持っていること。

●思いやりの心・・・学校生活の集団の中で自分だけでなく誰もが居場所を確保され、承認され、安心して生活できる権利があることをともに確認し合えること。

●民主主義を守る意思・・・学校生活のあらゆる場面で、自分と考えの異なるさまざまな人たちと意見を交流させて愉快に議論ができ、合意づくりをしていくのが民主主義というシステムです。そういう言ってみれば「面倒くさい」システムを大切にできるタフな人格を形成していくこと。 ●明確に意志を伝える能力・・・コミュニケーションの力を鍛え、自分と異なる人たちとの距離感を実感しながら、柔軟な関係を培う力。学校という場所は、クラス分けが機械的にされるのが普通ですが、そこでもしかしたら自分と合わない人がいるかもしれない。そのときに、朝8時から夕方16時半まで少なくともお互いに不愉快な思いをしないような関係を作れるコミュニケーションの技を鍛えることにポイントを置いています。また、こうした力と共に、他者とのコミュニケーションが不調に陥ったときこそ、その場の事情に対応し、最も適切なやり方でその不調から抜け出せる力をつけること。

※注釈:イートン校・・・1440年に創設された男子全寮制パブリックスクール。ウィリアム王子、ヘンリー王子の母校。過去19人の英首相を始めとする多くの著名人を輩出しているイギリス一の名門校。 自立

本校のもう一つのキーワードが「自立」です。人生90年時代の現在、本校を卒業したあとも生徒たちは、70年以上の長い人生を自分の足で生きていかなければなりません。彼らが自前の頭と足で生きていくこと、その力をつけさせることがとても大事だと思います。そのためにこそ、保護者の理解と協力を得ながら、「子の親離れ」「親の子離れ」を、意識的に援助したいと考えています。また、「プロジェクトアドベンチャー」や「ドラマエデュケーション」はそういったことを実践的に体得していく大切なプログラムの一つだと考えています。

問題行動を前向きに捉える

思春期に生きる生徒たちは、発達の過程の中で問題行動を起こすこともあると思います。しかし、長い目でみるとそれは現在の保護者との関係、あるいは教員との関係、友達との関係を変えたがっている大切なシグナルと捉える必要があるのではないでしょうか。そのような観点から私たちは、問題行動を前向きに捉えて、保護者と教員とでスクラムを組みながら、思春期で発展途上な生徒たちをどうやって成長させるかということについて向き合います。三百数十名の生徒たちがこの中高の6年間の中で、自分自身と相手との関係を全存在をかけて築いていこうとするわけですから、当然さまざまなトラブルや問題が起こるでしょう。海城の全教職員はそうしたことから決して逃げずに前向きに取り組み、思春期の生徒たちを周囲にいて支えるサポーターとしての「発達援助者」であり続けたいと願っています。

4. 学習指導

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説明者:学習指導部長 森 昭大先生

内容:授業、講習とKSプロジェクト、卒業生の声

授業

6年間を2年ずつ三つに区切り、中3、高1は基礎学力を確立する時期。そして高2、高3は大学入試にも対応できる力を身につける時期。そして、中1、中2は、それらの基盤となる、基本的な生活習慣を身につける重要な時期と考えています。この6年間を通して、授業が中心であるということを生徒には言い続けています。それと同時に、われわれ教員も中1から高3まで、授業が中心であることを意識し続けています。特に、中1から高1までは基礎学力の底上げに注力しており、ここ数年の進学希望の達成度の上昇に寄与していると考えています。

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講習とKSプロジェクト

講習は、授業の補習のような講座、授業では伝えきれない発展的内容の講座、授業とは直接関係のない教養的な講座など、さまざまなものが用意されています。その一方で、KSプロジェクト講座は、テーマを絞って研究したり、対外的な場で発表したり、コンテストにチームで出場したりと、いろいろなものがあります。 講習は、高3になると年間で130ほどの講座が開かれます。高学年になると希望進路にバラつきが表れ、ニーズも分かれてきますのでそれに柔軟に対応した形になっています。他方、今夏のKSプロジェクトは、中1から高1までが対象になりました。高3生では延べ1,500件の登録がありました。高3の87%の生徒が何らかの講座を受けています。

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卒業生の声

●「授業中に覚えるつもりで授業を受けていたら、案外何とかなる」(理系)

解説:この生徒は初めから数学は得意だったようですが、すべての教科で成績がよかったわけではありません。学校の授業を大事にした結果、全体的にバランスが取れてきた生徒です。

●「見返してみると、学校のプリントはよくできたプリントだった」(文系)

解説:そのときには気づかなかったけど、後々気づいてくれたということです。授業はまじめに聞かなきゃいけないという後輩へのメッセージです。

●「海城の授業はちゃんと受ければ大学入試に十分対応できる」(文系)

解説:この生徒は6年間ずっとまじめな生徒でした。何か疑問を感じた場合に自分でとことん考えて、解決しないものだけ教員に質問するタイプです。成績も良好、推薦入試で進学しています。海城は塾・予備校の誘惑が多い環境にありながらも、授業は大切である、授業が中心であるというメッセージがだんだんと浸透してきていると思います。

中学受験を考えている小学生の皆さんへ

中学受験を考えている小学生の皆さんのほとんどは、今まさに塾などで一生懸命勉強されていると思いますが、中学に入ると、塾中心の勉強から学校の授業を中心とする生活習慣へ切り替えなければなりません。これが非常に大事で、これがうまくいけば6年間の学校生活の充実が保障されます。

5. 入試全般

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説明者:橘 正之先生

内容:入試全般

入試日程・募集定員・出願方法

詳細は海城中学高等学校公式HPでご確認ください。 https://www.kaijo.ed.jp/admission/general

足切り点について

入試4科目のうち一つでも極端に低い点数がある場合には、総合点が基準点だったとしても不合格になる場合があります。いわゆる足切り点です。足切り点のベースになる考え方は、入学後授業についていけるかどうか。足切り自体を心配するというよりは、苦手科目をつくらない、または苦手科目をあきらめずに頑張って勉強していただきたい。

2017年度入試結果

今年の入試では2月1日は不合格だったが、2月3日で合格したという受験生が31名いました。

海城中学校の入試問題は特徴的なため、過去問をしっかり解いて準備してきた受験生は、仮に2月1日に実力を出せなくて不合格になったとしても、2月3日にもう一度受験するとそこでは実力を発揮して、2月1日に他校を受験した生徒よりもよい結果になりやすいのかもしれません。

6. 国語科入試

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説明者:本間純一先生

内容:入試問題の形式、対策

問題形式

1、問題は大きく分けて、文章読解の問題と漢字・語句の2つ。

2、文章読解の問題は大問2題。文学的文章と説明的文章それぞれ1題ずつ。

文学的文章は主に小説を出題。登場人物の内面・心情・気持ちや各登場人物同士の関係性をていねいに描写した文章を選ぶように心がけている。

説明的文章では主に評論文、随筆を出題。自分たちが今生きているこの社会、世の中に対する関わり方に大きな変化を及ぼすような文章を選ぶように心がけている。文章から得られた知見により、世の中の見え方が一変する。そんな醍醐味を味わうことにこそ読書をすることの意味があると授業でも常々話しています。質・量ともになかなか読みごたえのある文章になっていため、文章を読むことに対するアレルギーをできるだけ本番までに取り除けるよう、普段から読書を心がけることが大切です。

3、 漢字・語句の問題。出題の意図は、受験生が日常生活においてどの程度の言葉を運用できるのか、つまり語彙力を測るためという意識で出題しています。 対策

1、文章読解

●文学的文章・説明的文章に限らず、読解を要求されている文章の大意・おおまかな内容を正確かつ早くつかむ訓練をしてください。小説であれば登場人物の内面、登場人物同士の関係性が手掛かりとなります。評論文・随筆は筆者の主張したいことをいち早くつかむことというのが大切です。

●読解問題の形式は選択形式の問題と記述形式の問題とがあります。選択形式の問題では、各選択肢の一文自体が長く、それ自体が読みごたえのあるものが少なくありません。各選択肢自体の読解についても、ていねいに行い、その上で○×の根拠を本文に求めてください。

●記述形式の問題について。普段から必ず答えを言語化するということをおすすめします。「よくわからない、だから書かない」ということで戦わずして記述問題を空欄にしてしまう人がいますが、言葉にしなければ何も始まりません。完璧でなくてもかまわないので、形にして、その上で、自分以外の人に見てもらうことも併せておすすめします。

●その問いを作った出題者の意図を推理し、意図に沿った解答をしてください。問題集の解答・解説には必ず出題者の意図が書かれているはずです。場合によっては先にその部分を見てから問を解いてみるという勉強も効果的ではないでしょうか。

2、漢字・語句の問題

漢字や語句を覚える際には、機械的に記号として覚えるのではなくて、意味や使われ方を意識して覚えるようにすることが大切です。漢字に関しては間違った字を覚えてひたすらそれを繰り返すということにならないよう、その字を覚える最初に一番時間を使って集中してください。

アドバイス

答案は出題者と受験生をつなぐコミュニケーションツールです。採点者に伝わるようにわかりやすい表現、読みやすい字を心がけてください。普段の勉強から「伝えたい相手」を絶えず想定した上で答えを書くことが大切です。

7. 算数入試

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説明者:川崎真澄先生

内容:算数入試の対策・出題理念

出題の前提としていること

将来に向けて深く数学を学習するための頑健な計算力

出題理念

一般入試・・・計算力を基盤とした解ききる力、そして受験のために学習してきたであろう事柄を幅広く見るため、いろいろな分野から出題されます。

帰国入試・・・一般入試の出題理念に加え、海外での自分の意見を述べる訓練を多く積んできたことが予想されるため、記述させる問題を出題します。ただし、数学的な表現法を要求するものではありません。

※一般入試、帰国入試とも、特に、

1.「計算力を基盤とした解ききる」力

2.「書き上げる、数えあげる」力

3. 「観察→実験→予想→予想の裏付けをする」力の3つを見たいと考えております。

注意点として、頻出するテーマであっても、多少設定を変えた場合に、たじろがず、素直に取り組んでほしいと考えております。

一般入試に記述式がない理由

出題の前提となっているのは頑健な計算力です。記述力は入学後に養うことができます。そして理念は二つです。①解ききる力と②受験のために学習してきた事柄を幅広く見たいということです。記述式の問題で完全解答とまではいかないものの、部分点をかき集めて合格点に達するということになれば、①の点で問題があるのではないかと考えます。②に関して、天秤とか面積図などの問題を記述式で出題した場合、その図が意味するところをきちんと書いてもらわないといけなくなります。そういったことに時間を使うよりも受験のために学んできたことを十分に発揮できるような問題を多くしたいと考えています。

8. 社会科入試

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説明者:岡部睦史先生

内容:入試の特徴と理念について/昨年度の問題を見ながら解説

特徴

①複数の分野が複合的・融合的に一つの問題文から派生的に出題されている

②文章で答える論述問題を重視している

③論述問題では、複数の資料から何らかの情報を読み取り、学んだ知識をそこにプラスして文章にしていく力が求められている

注意点

海城の論述問題は自由論述ではありません。論述問題では資料を提示します。資料の中から論理的に読み取れる情報は限られているので、問いの要求に応じて根拠をもって論理的に文章化していくということが求められています。自分の感想や意見・思いを書いても点数にはなりません。

出題理念

海城が入試問題で問おうとしているのは知識量ではありません。社会は単なる暗記科目ではありません。もちろん基礎的な知識は必要です。しかし、いくら量を覚えていても、それを生かすことができなければ学習した意味はありません。どれくらい知識量を持っているのかではなく、培ってきた知識をどれくらい生かして考えられるのかという力を見たいと考えています。そしてこのような考え方のもとで、入試問題だけでなく入学後のカリキュラムも構成しています。

9. 理科入試

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説明者:橘 正之先生

内容:出題形式、特徴

出題形式

化学・物理・生物・地学それぞれを幅広く出題する形式となっています。単純に知識を問うもの、計算して答えるもの、図を書かせたりグラフを書かせるものから文章で書かせるものもあります。

特徴

初めて見るような出題であったり、身近なものでも考え方が少し違ったりするような出題で、戸惑うこともあるかもしれません。しかし、まずは前提として基本的な選択の知識や法則みたいなものが必ず出題されます。加えて、背景を少し変えてみたり、問題文や設問を変えたり、図やグラフからから情報を読み取ったり、応用力を問うような問題も出題されます。

注意点

①幅広い分野から出題されるので、特定の分野に偏らず、あきらめないで覚えられることはしっかり覚えておきましょう

② 覚えたことが大前提ではあるが、初めて見るような問題であっても今まで学習したことをベースに考えていけるような問題になっています。問題にも考えるためのヒントが書かれています。

③自分が得た知識を実際に起きている現象と照らし合わせてみたり、ニュースなどで取り上げられている自然現象に関心を持つ、あとは普段の生活の中でも自然科学は常にあるので、それらを体験しておくことが大切です。

10.第2部 テーマごとの学校紹介

ここからは、数あるテーマ別学校紹介の中から一部を写真および動画で紹介していきたいと思います。

11. 【社会科】中学1年 はじめての対面取材

海城中学校の社会科では、独自の総合学習科目として「社会Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ」という科目があります。生徒それぞれが自分の関心のある社会問題について、文献・取材・フィールドワークを行いながら、情報収集し、レポートにまとめていきます。 中1・中2・中3の具体的な取り組みを紹介します。

中学1年の1学期は、文献の探し方・読み方・まとめ方を中心に授業が展開され、2学期になると、対面取材を実施します。取材先の選定・アポイントメンなどすべての過程を生徒自身で行います。 下記に、実際に取材をして感じたこと、むずかしかったことなどをまとめた感想文を一部紹介します。

アポイントメントを取るための電話をする際の生徒たちの緊張している様子が伝わってきます。

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12. 【社会科】中学2年 フィールドワーク

中学1年では、レポート作成のための調査・研究手法として文献調査とインタビュー取材の2つを学びます。中学2年ではフィールドワークの手法について学びます。実際に現場を訪れ、観察することの大切さを授業で学んでいきます。現場を訪れることで、机上の文献調査では見えていなかった新しい情報が見つかるのです。

下記に、フィールドワークの授業で「なぜ自転車は放置されるのか?」という問題について千歳船橋駅と千歳烏山駅周辺を調査し作成したレポートと戸越4丁目の自動販売機の数と配置を調べ、そこから見えてくる日本社会の特徴についてまとめたレポートです。

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13. 【社会科】中学3年 卒業論文

中学3年では今まで培ってきた論文作成の手法を駆使し卒業論文を執筆します。1学期、夏休み、2学期を使い、1つのテーマを長期的に調査・研究し、その結果を400字詰め原稿用紙30枚〜50枚にまとめ提出します。中には原稿用紙100枚以上の論文を書く生徒がいたり、体裁上でも内容上でも大学生の論文に引けを取らないものも少なくないとのこと。特に優れた論文は、3月に行われる「卒業論文発表会」にて、生徒、保護者、教員の前で発表します。

テーマ:「東京都における訪日外国人~日本のホテル業界の構造と形態の視点から客室不足の原因をひも解く〜」

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14. 【国語科】物語を身体を使った挿絵で表現

宮澤賢治「オッベルと象」を読んで、班ごとに身体を使ってつくった挿絵。※2016年度中学1年実施。挿絵をつくる際に絵本は見ていません。

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15. 【国語科】言葉系外部コンテストにチャレンジ

KSプロジェクト講座の一つ「言葉系外部コンテストにチャレンジ」ということで受講者18名が「俳句甲子園全国大会」を目指し活動している様子です。6月に行われた俳句甲子園関東地区大会では全校大会の出場をかけ、3チームがエントリー。その中の1チームが見事優勝して全国大会の切符を手にしました。

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ビブリオバトル

俳句甲子園に続く「言葉系外部コンテストにチャレンジ」で、ビブリオバトルの活動の様です。ビブリオバトルは、自分のお気に入りの本を聴衆に向かって紹介し、その日一番の支持を得るという、知的な競技です。

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16. 【国語科】ココロと身体で古文を読む

身体を伴った創作活動を通じて古文の世界に近づこうとする取り組みです。この時の題材は『平家物語』。当時にタイムスリップすることで平家の失望や戦いの緊張感、登場人物の感情などをリアルに感じることができたようです。

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19. 【国語科】国語リレー講座

国語科の教員6人それぞれが興味のあるテーマについてリレー方式で講義していく講習です。普段の授業では扱うことができないけれど、“実はおもしろい話”や専門分野の話などをテーマに全6回開催されました。興味を持ってもらい、生徒たちの自発的な学習のきっかけをあたえてくれる講座です。

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18. 【国語科】1学期末定期考査問題(中1〜高3)

定期考査の問題には学校の教育方針がよく顕れるものです。国語科の展示では中1〜中3までの学期末考査の問題を見ることができます。6年間で国語の力がどれだけ伸びるのかも想像できるのではないでしょうか。

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19. 【国語科】海城オリジナル古典教材

見開き半分に原文が印字され、もう片方のページには現代語訳や板書を書き込んでいけるようになっています。

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20. 【国語科】生徒のノート

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ノートには、生徒が学んだことや先生の授業に対する工夫がよく顕れるものです。

※下記は上記写真の詳細です。文字まで読むことができますので拡大しててご覧ください。

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21. 【国語科】海城中学校入試で使用された作品

小説は登場人物の内面・心情・気持ちや各登場人物同士の関係性をていねいに描写した文章、評論文は自分たちが今現在生きている社会、世の中に対するかかわり方に大きな変化を及ぼすような文章が選ばれる傾向にあるようです。

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22. 【理科】カリキュラム、講習および施設見学

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中学1年生から高校3年生までの理科カリキュラムなど

23. 【理科】物理

中学1年生から高校3年生までの物理のカリキュラムを<第1期>・<第2期>・<第3期>に区切り説明

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「講習(物理)」・・・中学では自然科学に興味関心を抱かせる、高校では入試問題を扱い受験を意識した演習中心

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「6年間の実験(物理)」・・・各学年の実験内容と実験を通して学んでほしいことなど

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「工作実習」・・・ 主に中1を対象に電子工作を通して、作る楽しさや苦労、そして完成して動く喜びを体験してもらう講座です。

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24. 【理科】化学オリジナル教材

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25. 理科 生徒説明

物理部、地学部、生物部、化学部の生徒たちが自分たちの活動や、制作物について説明するコーナーです。自作のドローンや解剖して作ったハクビシンの剥製、ペットボトルを使った液状化についての実験、エンターテイメントの要素も入った化学部の実験など。訪れた人たちに一生懸命説明したり、質問に答えたり、実験で楽しませたりしている様子が印象的でした。

1、 物理部 「自作3Dプリンタ」

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「自作ドローン」・・・実際に飛ばすこともできるそうです。

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「LEGOを用いたロボット制作」

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「Arduinoを用いたロボット制作」

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2、 地学部 「立体星図①」

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「立体星図②」

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「液状化についてペットボトルを使った実験」

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3、生物部

「ハクビシンの剥製」・・・解剖から最後まで生徒が作ったそうです。

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「へびの抜け殻」・・・飼育していたアオダイショウの抜け殻だそうです。

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「メバチマグロの頭蓋骨」

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4、化学部

化学部の生徒が紫キャベツの実験とユニークな語呂合わせ暗記法を披露してくれました。動画でご覧ください。

26. 【数学科】2020年問題に向けて

センター試験が2019年度(2020年1月)の実施を最後に廃止され、これに代わり2020年度からスタートするのが「大学入学共通テスト」です。今の中学3年生(2017年4月時点)から、この新テスト(2021年1月実施)を受検することになります。新テストでは、「知識・技能」だけでなく、大学入学段階で求められる「思考力・判断力・表現力」を中心に評価するという考えがベースにあります。

そのため中学高校の6年間の教育においては下記「学力の3要素」を習得できるようにすることが重視されます。

(1)基礎的・基本的な知識・技能

(2)知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等

(3)主体的に学習に取り組む態度

2020年問題に対応するために、新たな取り組みを発表する学校も多い中、海城中学高等学校の数学科では、かねてよりこの三要素が習得できる授業形態となっており、急に慌てだす必要は毛頭ないと考えています。一例として、生徒のプレゼン授業ならびに中学数学同好会や数学部の活動を紹介します。

27. 【数学科】海城&YSFH数学定期交流会

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平成24年10月〜から始まったYSFH(横浜サイエンスフロンティア)との交流会は14回の開催を数えています。年に3〜4回開催されるYSFHと共催の研究集会では、毎回ゲスト校を招聘しています。探求する力、論文にまとめる力、プレゼン力などを涵養する機会となっています。

※横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校は、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けています。YSFHはまず、平成22年度から平成26年度までの5年間、そして、平成27年度から平成31年度までの5年間について、科学技術振興機構(JST)から研究開発を行う上で必要な経費などの支援を受けています。

※SSH・・・スーパー サイエン スハイスクール事業は、文部科学省が科学技術、理科・数学教育を重点的に行う高等学校などに理科・数学に重点をおいた取組みを大学や研究機関等との密接な連携の下で推進し、科学技術、将来の国際的な科学技術系人材の育成に資することを趣旨としているものです。

※YSFHについて詳しく知りたい方は、下記のYSFH栗原峰夫校長のインタビュー記事を御覧ください。

28. マス・フェスタ

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マス・フェスタ(SSH対象の国内最大の数学の祭典)に、4年連続で参加。全国の数学好きの高校生たちと交流を深めることで、さらに、自分の研究を進化させるきっかけになることでしょう。

  1. 【数学科】外国の学校との交流
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新モンゴル学園との交流

新モンゴル学園開学15年記念式典にて両校の協力協定を締結しました(新モンゴル学園にて)。両校教員による相互訪問・授業や生徒間での定期的なSkypeを使った共同研究などが行われています。

フロリダより数学メダリストが来校

海城中学高等学校に短期留学したマイヤース君はフロリダ州の数学メダリスト。本校数学部で、国際数学五輪対策セミナーを開講してくれました。これをきっかけに五輪を目指す生徒も出現。

少人数制授業でプレゼン

少人数制で行い、プレゼンの機会を多くとるスタイルの授業があります。日英、日露、日中など二ヶ国語のプレゼンを行う生徒もいます。

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