学校の雰囲気　専門家レポート

麻布といえば、「自由」がその代名詞となっているほど。明文化された校則は存在せず、暗黙裏に遵守すべき事項は３点のみ。「鉄下駄は禁止」「校内における賭麻雀の禁止」「授業中の出前注文禁止」。いずれもエピソード的なものなのだろうが、その自由度は徹底している。「出前」も授業中でなければ頼むことはできるわけで、ごく普通に昼休みに出前を頼んだり、校外の店舗で昼食をとったりしている。中には教諭を誘って出前注文する強者もいるらしい。 中高ともに、制服は定められていない（一応、標準服はある）。勉強は他から強制されてやるものではなく、自ら進んで調べ・学ぶことが当然とされる校風。2004年より、土曜に学年の垣根を取り払った特別授業を実施し、教員がそれぞれの専門や関心事にもとづくユニークなゼミナール形式の講座を開講している。「中世絵巻をくずし字で読む」「相対性理論とアインシュタインの生きた時代」「英語でギリシャ神話に親しむ」等々、きわめてアカデミックな雰囲気が漂う内容である。 「自由」のもつ本来の意味をしっかりと理解することが麻布生にとって何より肝要なことといえるだろう。都会的なセンスあふれる麻布生は、女子中高生人気ナンバー１校だとも言われ、文化祭に首都圏女子中高生が集中することで有名。